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本の棚 #48 『ファンベース』〜支持され、愛され、長く売れ続けるために〜

『ファンベース』
支持され、愛され、長く売れ続けるために
佐藤尚之

ファンときくとアイドルグループや歌手

スポーツチームのことがまず思い浮かぶ。

著書では今後のビジネスにおいてはこの

「ファン」を土台としたマーケティング

つまり「ファンベース」の思考、施策を

大切にしていく必要があると説いている。

ぼくの考えるファンについて、少し。

このご時世にことばを選ばずに言うと

ファンはなおりにくい伝染病(ウイルス)

のような感覚ではないか、と考えたことがある。

最初は小さく発生する

そこからじわじわと広がり、

どこかのラインをこえると

それこそ指数関数的な伸びを見せる。

一度罹るとすぐには熱は冷めず

周りへクチコミというかたちで伝播していく。

ほんとのウイルスはネット上を移動できないが

ファンウイルスはメディアやネットを

ふわふわと動いていって次のファンをつくる。

ぼくはファンを定義したことがなかったけど

応援してくれる人

満足のコップが溢れた人

そんなことは考えたことがある。

ファンという抽象的なものに対して

まず定義を明確に示し、現状の課題をあげて、

時には図を使って体系的に説明してくれている。

たまごっちの育て方のごとく

ファンの育て方を教えてくれる。

この本はとても貴重だとおもう。

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ファンとは「企業やブランド、商品が大切にしている『価値』を支持している人」

これが佐藤さんのファン定義。

なるほど、価値か。

商品そのものというわけではなく

価値観を支持してくれる

嵐の歌が好きだ、というよりも(解散したな)

嵐のみんなの歌や踊りや、一つ一つの取り組みが

つくりだす価値観を支持してくれる人。

それがファンなのか。

どうやらファンにも度合い?レベルみたいなものが

あるみたいだけど、根底は価値観への共鳴

自分を振り返ってみてほしい、

なにかのファンです、て言えるかな?

「全員にファンになってもらいたい」の間違い

ファンとは少数である。

商品で例えるならば、

「その商品を買ってくれた人=全員ファン」

というわけではなく、実は買ってくれた人の

約20%くらいがファン、コアファンとなると

4%くらいらしい。

間違っても全員に好かれようとしてはいけない

そのような行動はファンを遠ざける。

パレートの法則のとおり

そのファン20%が全体の80%もの売上を

生み出しているケースはかなり多いという。

ファンの力恐るべしなのだ。

じゃあどうすれば商品の、お店の、ブランドの

ファンなるものになってもらえるのか。


ファンの支持を強くするのは「共感」「愛着」「信頼」

この3つのアプローチが

ファンの入り口に立った人を新たなファンに導く。

〈共感〉

まずはファンの言葉を傾聴する、

そこには自分たちが気づいていない

ファンに愛される理由があるかもしれない。

次に自信をもってファンだと言ってもらえるように

みんなにおすすめしやすい環境をつくる。

SNSやメディアは有効に使うべきだろう。

〈愛着〉

商品にストーリーやドラマを纏わせる。

大戸屋にいったらなぜか毎回

「チキンかあさん煮」を注文させられるのは

その背景に母さんという「人」がいるから。

実際はおじさんがつくってるかもしれないが

注文する段階では間違いなく

幼いときのキッチンに立つ母さんの背中を

思い出しているのは、ぼくだけだろうか?

ちなみに母さんにあのような料理を

つくってもらったことは、ない。

〈信頼〉

社内は社外である

丁寧に、誠実に、本業をやっていく。

その姿勢を社員が感じて信頼している状態。

社員を大切にしていないのに

その先にいるお客様、ファンの人たちを

どうやって大切にしていくのか。

それを一言で的確に表現されている。


中身がかなり濃いのでファンベースという考え方に

少しでも興味があれば読んでみてほしい。

本書では「共感」「愛着」「信頼」の

アップグレードバージョンという名の

ネクストステップまで紹介されている。

昨年大流行した『鬼滅の刃』になぞらえて

読んでみると見事にファンベースに基づいた

論理と理性の機知に富んだマーケティングだったと

今更ながらに思い知らされる次第だ。


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#マーケティング #ビジネス #ブランド #佐藤尚之

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