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アルバムレビュー

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漫然とアルバムを聴いていると印象を忘れてしまうので、アルバムを聴きながら1曲づつ感想を書き留めてみることにしました。特にジャンルレス。その日選んだアルバムを聴いてレビューしていき…
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2021年7月の記事一覧

人間椅子 / バンド生活三十年~人間椅子三十周年記念ワンマンツアー

人間椅子 / バンド生活三十年~人間椅子三十周年記念ワンマンツアー



人間椅子は日本のメタルバンド。ブラックサバス直系のドゥームメタルをベースとしながら日本独自、出身地の青森の要素(津軽三味線的な奏法など)を取り入れ、「ジャパニーズフォークメタル」と呼べる独自の音像を築き上げているバンドです。結成30周年を記念して中野サンプラザで行われたワンマンライブ。その様子を映画化した作品がBlu-ray化され、映像特典としてライブのフルセットが収録。映画版は映画館で見たの

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Panopticon / .​.​.​And Again Into The Light

Panopticon / .​.​.​And Again Into The Light



Panopticon(パノプティコン)は2007年にケンタッキー州ルイビルでオースティン・ランによって設立されたアメリカのブラックメタルバンドです。本作は2021年リリースの9作目。もともと一人ブラックメタルプロジェクトで、すべての楽器をランが演奏するスタイル。そのあと、ツアーメンバーを拡充していますが、本作も基本的に一人での作成です。

音楽スタイルはオーソドックスなブラックメタルの要素を特

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Jane Getter Premonition / Anomalia

Jane Getter Premonition / Anomalia



'98年にCDデビューし、これまでソロ3作をリリースしている、米(NY)の女性ギタリスト、ジェーン・ゲッターが、新たに結成したリーダー・バンドのサードアルバム。「アヴァン/エクスペリメンタル/テクニカル要素を融合/反映したCross Over/Fusion路線をベースにしつつ、前作でも味わえた自身のギタリストである要素とヴォーカルまで柔軟に取り入れてのメロディアス/ロック志向をさらに押し出した

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TRIBULATION / Where the Gloom Becomes Sound

TRIBULATION / Where the Gloom Becomes Sound



トリビュレーション(日本語の意味は”苦難”)は2005年結成、2009年デビューのスウェーデンのバンドです。ダークメタルと呼ばれ、ゴシックやデス、ブラックメタルなどを組み合わせた音楽性。本作が5作目で、一部エレクトロニカであったりスウェーデン語の歌詞も取り入れているそう。アルバムタイトルはドイツのダークウェイヴ・ユニット、Sopor Aeternus & the Ensemble of Sha

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Mega Bog / Life, and Another

Mega Bog / Life, and Another



US、シアトルの女性SSW、Erin Birgy(エリン・バージー)によるプロジェクト、MEGA BOG。2009年にこの名義で活動をはじめ、現在はLAにて活動中。本作が5作目のアルバムです。個人的なパートナーでもあるジェームズ・クリフチェニア(ビッグ・シーフ)との共同プロデュース。Bandcampのリリース文に書かれたアルバムナラティブ(アルバムの物語)によると、互いのツアーですれ違いの生活

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The Orange Peels / Celebrate the Moments of Your Life

The Orange Peels / Celebrate the Moments of Your Life



オレンジピールズは1990年代の世界的なインディーポップ、インディーロックブーム(いわゆるオルタナティブブーム)の頃にデビューしたUSのバンドで、本作が8作目。サイケデリア、オーケストラルポップ、プログレッシブロック、エレクトロニックミュージックを探求するために、これらのジャンルの境界を越えて自らのポップの領域を広げてきました。トッド・ラングレン、プリファブ・スプラウト、ザ・ポウジーズ、ビッグ

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大和那南 / 夜明け前

大和那南 / 夜明け前



現役大学生SSWによるデビューアルバム。16歳のころからANNA名義でEPをリリースしていたそう。東京のアーティスト。2000年代生まれなのでビリーアイリッシュと同じくZ世代ですね。10代のころからレコード屋をめぐってはインディーズバンドをDIGり、出会ったデンマークのパンクロックバンドIceageに衝撃を受けたそう。デビューEPはすべてiPhoneで音源を作成したそうです。DIY。本人のイン

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Space Chaser / Give Us Life

Space Chaser / Give Us Life



ジャケットがターミネーター。SF感あふれるいいジャケットですね。”あの頃”のメタルの感じが薫り立っています。これは聞くしかないでしょう。

Space Chaserはドイツのスラッシュメタルバンド。N.W.O.T.H.M.(New Wave Of Tradisional Heavy Metal)の流れになるのかな。UK(北アイルランド)のGama Bombとかにも近い、オールドスクールなクロス

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Powerwolf / Call of the Wild

Powerwolf / Call of the Wild

ジャーマンパワーメタルバンド、POWERWOLF新作。2021年リリースです。2003年にドイツで結成されたPOWERWOLFはもともとストーナーロックバンドだったレッドエイム(Red Aim)のメンバーによって結成。Metal Hammer誌の「今年のベストアルバム」や「最有望新人賞」など、多くの賞を受賞しています。ゴシックなメイキャップを行っており、スウェーデンのghostに繋がる世界観も。ジ

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Ophidian I / Desolate

Ophidian I / Desolate

Ophidian I(オフィディアン アイ)はアイスランド、レイキャビクで活動するテクニカルデスメタルバンド、本作は2作目。どうもアイスランドのテクデス界隈の技巧派プレイヤーが集まったスーパーバンド的なバンド、なのかな。あまり情報がありませんが、ふと1曲目を聴いたらあまりのカッコよさと勢いにぶっ飛んだのでアルバムレビューして聴き込んでみたいと思います。では行きましょう。

活動国:アイスランド

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Cola Boyy / Prosthetic Boombox

Cola Boyy / Prosthetic Boombox

マシュー・ウランゴ(Matthew Urango)、別名コーラ・ボーイ(Cola Boyy)は、カリフォルニア州オックスナード(マッドリブとアンダーソン・パークの故郷)出身のマルチインストゥルメンタリスト兼歌手です。白、黒、ヒスパニック、ネイティブアメリカンの家族の多文化ミックスで育った彼の逸脱したディスコは、ロック、ソウル、ファンク、パンクの精神とラテン系のグルーヴをブレンドしています。

ウラ

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St. Lenox / Ten Songs of Worship and Praise for our Tumultuous Times

St. Lenox / Ten Songs of Worship and Praise for our Tumultuous Times



St. Lenox(セント・レノックス)はアジア系(韓国)のアンドリュー・チェ(Andrew choi)※のソロプロジェクトで、USインディーポップユニット。セントレノックスはアンドリュー・チェの他、コロンバスとニューヨーク市のミュージシャンのローテーションリストで構成されています。AllMusicはこのプロジェクトを「2010年代後半に、最もユニークで型破りなスリル満点のポップミュージックを

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『TIRANNO~暴君ネロにまつわる作品集』 / ケイト・リンジー、ジョナサン・コーエン&アルカンジェロ

『TIRANNO~暴君ネロにまつわる作品集』 / ケイト・リンジー、ジョナサン・コーエン&アルカンジェロ

ふと、クラシックが聞きたくなってチョイス。Allmusicで五つ星の新譜があったので聞いてみました。オペラ集。古代ローマ皇帝、暴君ネロにまつわる歌曲集のようです。主役のKate Lindseyは1980年生まれ、2015年レコーディングデビューのアメリカ出身のメゾソプラノ歌手。2010年にシアトルオペラの年間最優秀アーティストであり、メトロポリタンオペラのリンデマン若手アーティスト育成プログラムの

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GOJIRA / Fortitude

GOJIRA / Fortitude

フランスで1996年に結成されたGOJIRA(ゴジラ)、もともとGodzillaの綴りでしたが2001年にGOJIRAに変更。プログレッシブでテクニカルなデスメタルのスタイルと、スピリチュアルで環境をテーマにした歌詞で知られています。仏産のメタルバンドとしては初めてUSでも成功を収め、2021年にリリースされた本作はビルボード12位。名実ともにメタル界のトップバンドとして活動中です。ローリングスト

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