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̶Y̶A̶S̶U̶ ̶M̶U̶T̶O̶
2023年2月20日 00:12
嫌な予感はいつも当たる。その日も空は一面に雲が分厚く広がっていた。味も色もない水のような日常に前触れもなく一滴の墨汁は落とされる。俺は仕事の帰り、一日の疲れを洗い流す様に広いけれど人通りが多くない川沿いの道を歩くのが日課だった。その日は気になる本があって本屋に寄ったものだからいつもより少し遅い時間だった気がする。休日になると家族連れや若い連中が階段を降りて川と触れ合い遊ぶことの出来る
2023年3月10日 02:22
朝の占いが当たった試しはない。 自営業を営む両親の仕事が終わるのを待ちながら、一人空想に空想を重ね味気ない現実に色味をつけ風船のように膨らませながら幼少期は平穏で細やかながら温かい家庭で育ったと思う。帰りが遅い日は机に夕食が置いてあって小さなテントのようなものが載せてあったのが懐かしい。俺は一人っ子だったけれど、家のすぐ近くに両親のお店はあったし、近所の商店の人達はみんな顔見知りだったか