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お客さんが売場で“目利き”しても無意味。モノを選ぶより店を選ぼう【八百屋からみた“食”no.17】

秋です。りんごの収穫出荷の声を各地からいただくようになりました。
長野・青森の生産者直送。最速もいだ翌日に売場に並びます。いま(10月前半)のおすすめは「サンつがる・早生ふじ」です。

10月後半~
真っ赤でサクサクの「ジョナゴールド」
いい香りいっぱい!黄色い「王林」
甘酸っぱい&タルトタタンに最適「紅玉」
12月以降~翌年3月
定番の「サンふじ」「シナノゴールド」を販売します。

他、秋映・あいかの香り・シナノスイート(以上長野産)・恋空・星の金貨・とき(以上青森産)・ぐんま名月(群馬産)を販売していました。
2019年の台風19号の千曲川氾濫・2022年の青森岩木川氾濫、出荷状況の変化(ふるさと納税/産直打ち切り)・栽培品種の変遷etc.の理由で、当店取扱いを休止/終了しています。

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Q. 売場でできる美味しい〈りんご〉の見分け方は?
(ホントよく聞かれる)
A. 正直なところ、ありません。
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〈りんご〉の美味しさを分ける5項目
肥培管理(実や葉の生育に対する栄養管理)
果肉果汁を吸われる虫害や、実や樹の病気が多発し全滅しないよう、適正な防除を施したか(生育中の健康管理)
樹上でできるだけ色づき香るか(収穫タイミング)
もぎたてが一番固く水分も多いです。収穫後時間経過の少ないりんごを。
年明け以降はすべて貯蔵品。貯蔵状態のよいりんごを。

①~⑤をまとめると、栽培・収穫・保管に工夫があるかどうか。
①~⑤を経た段階、つまり生産者側で〈りんご〉の目利きや選別は完了し〈りんご〉の食味のポテンシャル(≒美味しさ)も確定します。誰が作り・管理し・出荷したかが美味しさの“肝”であり、店に届き売場に並ぶ時点での個体差はほんのわずか。せいぜい大きさに対して重い軽い(鮮度や水分が保たれているか)を判断するだけで、表裏の色味を見ても美味しさは判別できません。お客さんは売場に並ぶ〈りんご〉を“見た目が傷んでないか”選ぶだけで、目利きとは言えません。青果教本で覚えた内容より、誰から買ったか・どこで買ったかに万倍の差が出ます。目利きに執着するあまりたまに見かける“〈りんご〉のパックを裏返して見比べる・キャップを外す・グニグニ触る行為”はマナー違反であり論外。見てて気持ちいいものではありません。商品価値を落とす行為であり、はしたないです。

売場に並ぶ〈りんご〉にアタリハズレが多い(直球で言って美味しくない)のは①~⑤どれか(もしくは全部)が守られていないか、栽培&流通&保管面で難しい(とくに季節外れの場合に多い)かのいずれかです。お客さん目線では不可抗力としかいいようがありません。

つまり、〈りんご〉の目利き・美味しい見分け方を覚えるより
◆いつも美味しいと感じる生産者から直接買う
◆いつも美味しいと感じる店/売場(通販含む)で買う
この2択が正解です。生産者や売場/店の目利きに頼りましょう。
〈りんご〉を選んで買うという“悩み・ストレス”が1つ解消されます。

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〈りんご〉にフォーカスしてお伝えしましたが、
〈りんご〉に限った話ではありません。

文中に登場した〈りんご〉の箇所を
他の青果品目、たとえば《トマト》《いちご》《桃》《ほうれん草》に置き換えてみましょう。文意は十分成立します。

肉・魚・コメといった生鮮品に変換してもある程度は成立します。
パン・お豆腐・スイーツ・惣菜・飲食店メニューに変換しても、【誰が作ったかが一番の目利き】という点で合致します。

信頼できる生産者&売場から買い続ける
→生産者&売場の収入となり、継続意欲を育てます。
お店を選んだら、店の目利きに任せましょう。

りんごは鮮度品。美味しい生産者&売場で買った香るりんごは、袋に入れしっかり冷やして美味しいうちにご賞味ください!

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