モンマルトルの一見さん
一番好きな地名はイスタンブールだ。最高の響きを持つ音の組み合わせで、エクセレントの一言である。東西文明の十字路で欧から見た東の町の意味でイースタンから来ていると長い間勝手に考えていたら、完全に誤解で綴りはIstanbulだった。建国宣言したIS同様イスラム教徒の町の意味のトルコ語だ。キリスト教から取り返した歴史を言い表した単純な命名にはがっかりだが、声が素晴らしい庄野真代の「飛んでイスタンブール」が大きく影響しているように思う。まるで航空会社のCMのようなタイトルだが、イスタンブールを訪ねるどころか海外旅行はハネムーンしか経験がない。
旅行先はスイスとパリである。どうせ行くなら思い切り巡るツアーが多い中滞在時間にゆとりがあるプランを選択したら、ツアー成立ぎりぎりの5組で大型バスも貸し切りだ。結婚式の日程も同じなので瀬戸大橋開通で日本全国つながっておめでたいのスピーチも同じと盛り上がって直ぐ仲良しになる。要望も強く当時まだめずらしいムービー撮影した動画をダビングして送って上げたほどなのだが、ツアーのハイライトはユングフラウヨッホ駅へと登る登山電車と見所満載の展望台から眺望するアイガー、メンヒ、ユングフラウの三名峰と当時あまり認識していなかったが世界遺産のアレッチ氷河だ。
「ハイヒールで3000m超え登山」では立山の室堂から雄山3003mへハイヒールでも登れると書いたが、こちらは電車に乗っていれば3573mのスフィンクス展望台だ。途中アイガー、メンヒの胎内トンネルを走るのも圧巻である。しかし人生最高の夜を過ごしたのは最後のパリだ。ベテランのツアーコンダクターは楽しくガイドしてもらい、偶然か必然か参加した一組の知り合いでモンマルトルの丘では一見さんお断りに連れて行ってくれた。生演奏で「オーシャンゼリゼ」だけ大合唱である。土鍋で食べる牡蠣は臭く嫌いだったが白ワインに生牡蠣が美味しかったこと美味しかったこと。
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