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広島原爆資料館と岸田首相の夢
岸田首相のやりたいことは総理大臣をすることだ。出来れば出来るだけ長く続けたい。したがって国にとって何をなすべきかではなく総理大臣を続けるためになすべきことをするようだ。そんな中において唯一やりたいこととして聞こえてくるのが核廃絶である。なぜ核廃絶なのかは広島選出だからだ。選挙民に受けがいいし、平和と言っていれば間違いないという判断である。
バイデン大統領がオンライン参加を示唆したのは、てっきり行くだけで十分でしょと原爆資料館の見学はおざなりにする交渉かなと思ったが、そろって40分も見学し被爆体験に耳を傾けたのは驚きだ。様子が伺いしれないよう黒幕で覆われたり、広島ビジョンは核抑止容認なので後退しているとの意見もあるが、一朝一夕に核廃絶への道すじをつけられるのはさすがに無理だ。
50年前に中学の修学旅行は広島から熊本と大分を回った。展示内容はほとんど忘れてしまったが、原爆資料館は世界中の人が訪れるべきた感じた記憶は痛烈に残っている。残念ながらG7は民主主義国家なので直ぐリーダーは変わるし、他の核保有国リーダーが資料館を訪れることも当分ないだろう。広島サミットの大きな焦点だったが冷静に考えれば大した意味は無かった。
まあシャンシャンと首脳宣言を出すだけで終わるよりは意義はあるだろう。しかし本当のサプライズはゼレンスキー大統領の参加だった。宣言は最終日を避けて異例の中日発表となり、広島から平和を発信するどころか戦争支援になるとは何とも皮肉だ。内閣支持率が回復したので大成功も総選挙火消しに大忙しだ。なぜなら来年の総裁選を無投票再選するには今では早すぎる。