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ガンダムの主題歌から自分の趣向と新しいエンタメを語ってみる?

今回のお題

今回は知る人ぞ知るアーティスト、TWO-MIXのシングル「WHITE REFLECTION」を取り上げます。この曲はOVA「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz」の主題歌としても有名です。

お恥ずかしながら、TWO-MIXって,25周年だったのですね↓

まずおさらい

公式サイト様から↓

メインボーカル・作曲を担当する高山みなみと作詞・作曲・編曲を手掛ける永野椎によって1995年結成。ユニット名はレコーディング音源を左右のステレオにミックスダウンする用語《TWO-MIX》に由来して名付けられた。
CGやアニメーションを使用してMVが制作された。そのためアーティストイメージがメディアに露出することはあまりなくライヴ活動も積極的に行われなかったため、バーチャルアーティストのイメージを持たれることもあった。【TWO-MIX 25周年記念プロジェクト 特設サイトより】

江戸川コナンや乱太郎でおなじみの声優である高山みなみと作詞家の永野椎菜による2人組音楽ユニットです。徹底的にバーチャルアーティストを演じていたことがのちのアーティストたちに影響を与えたと考えます。(詳細は後述。)

Windows95の画面を観ながら

では、公式サイト様のshortバージョンをどうぞ↓

本作で初のフルアニメーションPVが制作され、「BPM "BEST FILES"」の特典CD-ROMに収録されました。

この動画を観ると思い出しますよ。Windows95を起動しながら、CD-ROMを起動していたあの頃を。4:3のアスペクト比、二次元ではあるけど透明感と疾走感のある楽曲がいいですね。当時の歌番組にもこのPVで登場しています。

そして、25年の月日が流れたわけですが、このPVがTWO-MIXのアーティストしてのイメージと現代のエンタメ市場のあり方を映し出している気がしてなりません。

考察 ①PVからみるアーティストイメージの構築

このPVを観ていただくとわかるのですが、若い女性ボーカルとちょっと年上の男性アーティストの掛け合いがあります。もちろん、本物の中の人はほぼ同世代ですが、このPVによって、TWO-MIXが未来に向かって歩みだそうとする新進気鋭のアーティストの"イメージ"を作り出しています。

声と姿というのは同時にみるとシンクロしてしまいます。そこで、実力派の声優でもある高山みなみをディーバにして、声をアニメにシンクロさせたPVになったことが、このアーティストを息の長い活動となった原動力になっていると考えます。

考察 ②タイアップという商業的成功

新機動戦記ガンダムWでは、パイロットを始めとする主要キャラクター全員を美少年に設定、女性も対象としたメディア展開を行うなどテコ入れを図りました。商業的にはこのシフトチェンジは成功し、今日もガンダムというキラーコンテンツが存続し、現在でも愛されています。

もちろん、一義的にはガンダムWの作品としての面白さなどのストーリーに特筆すべき点は多々はありますが、ガンダムWの主題歌として採用されたTWO-MIXの、

JUST COMMUNICATION
RHYTHM EMOTION
WHITE REFLECTION

を抜きに語ることはできないでしょう。

ヒイロ・ユイが葛藤する"イメージ”とPVに登場する女性ボーカルが成長していく≒葛藤する"イメージ"は重ねることができることと思います。

TWO-MIXの公式サイトでも、TWO-MIX楽曲総選挙を昨年の2020年に行ったところ、上記3曲がラインナップされたことからもわかるように、TWO-MIX≒ガンダムWというの図式があり、その中で広く楽曲が伝わったと考えれば、商業的には成功とみてよいでしょう。

考察 ③新しいアーティストの登場のための手法

このPVは音声と動画が直接リンクしていません。本人登場のライブもないわけですから、よりその傾向がはっきりしています。このことによって、大きな副産物を産んだのではないかと私は考えています。つまり、音声と動画を別々にクリエイトして、新しいアーティストを作ることが可能だということです。

その代表格は「バーチャルアイドル」「VTuber」だと思います。

バーチャルアイドルやVTuberが登場した背景に、PCが高性能化したり、ネットが普及している面もあります。しかし、声が創れる、音楽が創れる、画像が創れるそれぞれのプロがいれば…つまり、本作品と同じような演出を用いれば、新しい価値=新しいアーティストが登場させられるという1つの手法を生み出してくれた、と考えても大げさではないと思います。

もちろん、これまでのアニメのキャラクターソングのノウハウは無視できません。しかし、"架空の別のアーティスト"を創るという意味で、WHITE REFLECTIONという曲作りの手法が生まれたこと、そのプロセスが導かれたことで、本作品に元々ある透明感と疾走感にプラスして、近未来を先取りした先見性が加わった作品であると私は評価しています。

肝心のガンダムWは…

私はガンダムWが苦手です。何というか、中二病的な要素が強すぎて…。

ただ、TWO-MIXというアーティストは好きです。

私の中ではTWO-MIX≠ガンダムWですが、TWO-MIX 25周年記念プロジェクトを知るまでは、もしかして解散したのかと思ってました。取りあえずはベスト盤も出たなので、ちょっと漁ってみようかと思いました。(了)

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山田太朗(仮名)
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