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【音楽・CM】クリスマスを明るいイメージにした作品群|JR東海「クリスマス・エクスプレス」と山下達郎「クリスマス・イブ」(1983)

ちょっと書き起こし

今回は、クロサキナオ様の企画&師走の初日ということで、多分、日本のクリスマスのお話から。

まずは、こちらの2本の動画をご覧ください↓

このCMは、JR東海のもので、

1988年に深津絵里を起用したホームタウン・エクスプレス クリスマス編

1989年牧瀬里穂を起用したX'mas Express(クリスマス・エクスプレス)

になります。

今回のネタは、無謀にもCMの中でも金字塔的な2作品から、日本のクリスマスを山田(仮名)的に語ってみようとする無謀な賭けになります。

新幹線変形ロボ シンカリオンでもネタにされた稀代の名作になります↓

ちょっと時代考証

1988年から1989年というと、昭和から平成に変わった時期です。

あまたの出来事がありましたが、

ドラゴンクエストⅢが発売されたり、
それいけ! アンパンマン!!が放映を開始したり、
ベルリンの壁が壊れたり、
美空ひばりが亡くなり、
ゲームボーイが発売されたり、
魔女の宅急便が公開されたり、

などが重なった時期になります。

この時期のちょっと前の、1985年から1987年にかけて、日本の三公社が分割民営化されました。

三公社とは、

日本国有鉄道 → JR
日本電信電話公社 → NTT
日本専売公社 → JT

です。

このうち、1987年に民営化されたJRのうち、東京と新大阪を結ぶ東海道新幹線の事業を引き継いだのが、東海旅客鉄道=JR東海になります。

JR東海は今までの国鉄時代のイメージを一新すべく、エクスプレスシリーズを発表しました。

このうち、1988年の深津絵里1989年牧瀬里穂によるクリスマス・エクスプレスの影響は、私たちのクリスマスの過ごし方に多大な影響を与えたと考えます。

ストーリーとしては

CMの場面は遠距離恋愛です。

遠距離恋愛をするにしても、昭和末期から平成初期であれば、当時は通信手段が極めて乏しく、固定電話とか、手紙とか、たまに会うくらいしかできなかったと思います。

JR東海

「中々会えない2人」→「大事な日に大切な人のそばにいたい」

というところから、新幹線が単なる移動手段ではなく、コミュニケーションツールになり得るというコンセプトで、エクスプレスシリーズを作ったと言われています。

CMでは当然ながら詳しく説明はありませんが、JR東海のロゴの前に流れるナレーション(キャッチコピー)

帰ってくるあなたが最高のプレゼント(1988)

ジングルベルを鳴らすのは帰ってくるあなたです(1989)

と、深津絵里牧瀬里穂が演じている姿を見るだけで、遠距離恋愛をしている彼女のもとに、新幹線を使って彼氏が返ってくるという、ベタでありながらも、物語性のある映像となりました。

この曲も定番

ちなみに、CMで起用された曲は山下達郎クリスマス・イブ(1983)↓

日本の師走を経験して、この曲を一切聞いたことがない方は、ほぼいないと思います。

現在でもクリスマスの時期になると、オリコンチャートの上位に来る名作中の名作です。2015年にソフトバンクのCMでも使用されましたね。

CM後に起きた日本のクリスマス

このCMの登場により、日本のクリスマスがいくつかの点で大きく変わったと山田(仮名)的に感じています。

1.大切な人と過ごすイベント化

まずは、クリスマス・エクスプレスのCMにより

クリスマスは恋人と過ごす

というイメージを日本国内に植え付けることができたと思います。

恋人ではなく、大事な家族と過ごすという意味では、ケンタッキーフライドチキンのCM、竹内まりやすてきなホリディもあります。

しかし、KFCのすてきなホリディのCM起用は、確か2000年からだったと思うので、クリスマス・エクスプレスが10年先取したともいえるでしょう。

ちなみに、すてきなホリディについてはC.ディエム様が先取り記事にしていただいていますので、そちらをご覧ください↓

2.CMタイアップによるクリスマス

山下達郎クリスマス・イブが発表された1983年以前も、いわゆる冬うたは登場していましたし、現在まで冬うたも多数登場しています。

ただ、JR東海のクリスマス・エクスプレス以降でみると、↑↑のほかにも、

1991年以降に展開されたのJR東日本「JR SKI SKI」

のように、明らかにJR東海を意識したCMとか。

現在では冬の女王様としておなじみの広瀬香美のアルペンのCM(1993)↓

などが代表選手かと思います。

冬やクリスマスが、どちらかというと静かなものや厳かなものから、レジャーや団らんとして明るく消費していくものに変わっていったのかなと私は感じています。

もちろん、今の明るい冬やクリスマスのイメージの方が、私は好きです。

3.一般人や企業だけでなく行政も巻き込んだ…

山田(仮名)が住んでいるエリアで行われるSENDAI光のページェント

今年は資金不足で大変だという記事が10月にあり↓

仙台経済新聞でも取り上げられていましたが↓

閑話休題。

降雪や凍結がある地域にとって、冬には厳しいイメージを持ちがちです。

しかし、クリスマス・エクスプレスによる明るいイメージによって、

市民・企業・行政がを巻き込み、街をイルミネーションで飾るイベント

が各地で行われるようになった一因かもしれないと私は考えます。

現在では、華やかなクリスマスをみんなで楽しんでいくのがスタンダードですが、そのとっかかりにクリスマス・エクスプレスが持つCMの世界観があると思います。

贅沢な日々

クリスマスの時期といえば、

路面凍結
雪かき
落雪
水道管凍結
インフルエンザ etc.

などのマイナスイメージもあります。

しかし、それ以上にプラスの価値観をくれたのは、大昔のクリスマス・エクスプレスというCMというのが山田(仮名)的な考えです。。

このCMに乗っかって、皆様にも、今年も楽しいクリスマスが来ることを心から願いつつ、筆をおきたいと思います。

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☀この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です☀
#クロサキナオの2024WinterWonderland

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(了)

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山田太朗(仮名)
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