「怒らない人」VS「怒る人」? 感情と向き合うことのたいせつさ。
あらためて“まんがの威力”ってスゴイ!!と思いました。
わたしのお気に入りの本に、まんがが添えられた新バージョンが出たので、“友人の真由美さん”が送ってくれました。
この本は以前にも読んでいるのですが、まるでちがう本みたいに読めたのは、どうも添えられたまんがの威力のようです。
第一章は「怒らない人」で、怒りについて書かれています。
かつて同じ本を「怒らない人」は自分を思い浮かべ、「怒る人」に夫をあてはめて読んでいましたが、今回はまんがのおかげで、内容の全てをまんがキャラのまま読み終えました。😆
本が自分の心にどう落ち着くのかは、読むタイミングも重要です。夫がいなくなってしまったこともあり、同じ内容なのにとても客観的に読み終えることができたことに気づいて自分でも笑えてきました。
生前の夫は「怒り」が服を着ているような人でした。もちろん、それは家の中でのことですから、家族以外は、夫が短気なことを知る人は少なかったかもしれません。
夫はモノゴトに対しての期待値が高く、自分がなんでもできてしまう人だったからこそ、人ができないことに対するもどかしさでイライラがつのりよく怒りのスイッチが入りました。
ひとたびスイッチが入れば、怒鳴るなんてフツーのことでしたから、そんな困った一面もある夫を長きにわたり、愛情深く包んで、ときには耐えて、支えていたわたしは、“怒り人”のコントロールに関しては上級者だと自負しています。
怒りを向けられて気分のいい人などいるわけありませんが、怒りを思う存分ぶつけられるということは、わたしに甘え、信頼されているからだと解釈してきました。そもそも、わたしのように表に怒りを表さない人よりもずっとわかりやすいので、悪いことばかりではありません。
結婚したばかりのころのわたしは、怒りの感情に弱くてすぐにメソメソしていましたから、振り返れば、すぐ怒る夫のおかげでちょっとやそっとのことではへこたれない強さを養うこともできました。そう考えれば、わたしを強靭な女にしてくれてありがとうと言いたいぐらいです。
わたしの父は「怒ってはいけない」が口癖でしたので穏やかな家庭で育ちました。夫は、怒号が飛び交うこともある、感情むき出しの家庭で育ちました。わたしと夫とはデフォルト設定がちがうことがわかり、怒るという感情表現は育った環境の影響も大きいのだと思うようになりました。怒る人ではありましたが、喜怒哀楽すべての感情表現が豊かでした。
おもしろいことに、穏やかな家庭のわたしの父と弟は確執から決裂し、大喧嘩することもないまま弟は父の葬式にも現れませんでした。そんな経験から「怒り」をうまく表現できないのもいいのやら、悪いのやらと思うようにさえなりました。
人間の感情とか、わだかまりってほんとうにやっかいなものです。
本には怒り以外にもあらゆる感情に関する向き合い方が書かれていて、何度読んでもあらたな気づきがあります。長きにわたり「怒り人」を操ってきたわたしにとって、感情との向き合い方を考えることは日常でしたので、共感できることの多い本です。
30万部も売り上げているロングセラーなので、すでに読まれている人も多いのではと思いますが、新バージョン、特にすっきり読みやすくなっていました。「こんなふうな考え方、捉え方をすることもできる」という気づきをくれます。心が疲れている人は元気になれるヒントがみつかるかもです。