病気のはじまりとこれから。
それは ある日突然のことでした。
いつものように 会社の同僚とランチで
お気に入りのパスタ屋さんに入った瞬間。
「いいにおい」
と いつもは感じるパスタのにおいに
吐き気がしたんです。
「なんだろう この感じ?」
そう思いつつ 注文。
すると
「食べられなかったらどうしよう…」
という不安感に襲われその不安感に
頭が支配され 吐き気がし
その日 パスタを食べることが
できませんでした。
その後 毎回のように
そんな症状に襲われ
病院で検査を受けるも異常はなし。
吐き気止めの薬を処方されましたが
効果はありませんでした。
人との外食ができなくなり
その後 一人での外食もできなくなり
家でも 両親がいると食事が
できなくなりました。
とにかく
「食べられなかったらどうしよう」
という不安感に襲われて
吐き気がするのです。
友達と遊びに行くことも
できなくなってしまいました。
遊びに行けば 必ず その先で食事をする。
そのことを考えると
それが不安で不安で 体調を崩して
出掛けられなくなったのです。
そんな地獄の日々が半年くらい続き
その頃の唯一の楽しみが読書でした。
その時に読んだ1冊の本
「イン・ザ・プール」。
変わった精神科医が患者の病気を
治していく話で それを読んでいたら
自分の症状と似ていることに気がつき
私は 心療内科に行ってみることにしました。
まさか自分が心の病気になるなんて
思ってもいなかったし
私自身 そういう病気に対して
偏見もあったので 心療内科に行くというのは
なかなかハードルが高かったです。
診断結果は
強迫性障害という心の病気でした。
私は デパスとパキシルという薬を処方され
人と食事をする30分前にデパスを飲みなさいと先生に言われ指示通り飲んでいたら
今までの症状が嘘のように
不安感はなくなり 今までのように
みんなと食事を楽しめるようになりました。
薬を服用する生活を1年くらい続け
先生から「もう大丈夫」と言われ
薬とも病気ともお別れしたハズ
だったのですが…。
それから 半年くらい経ったある日
ランチで また発症。
今思えば そのお店の冷房が効きすぎていて それで急な温度の変化で
体調が悪くなっただけかもしれません。
でも 私は あのパスタ屋でのことが
フラッシュバックし
またあの症状が始まってしまった。
またあの地獄の日々が戻ってきてしまったと不安で心が支配され
めまいと吐き気を起こし
食事がまったく喉を通りませんでした。
それ以来私は
食事に限らずいろんな場面で
不安を感じるようになってしまい
そのたびに襲われる めまい・吐き気・
下痢。
今回は 強迫性障害ではなく
全般性不安障害と診断されました。
病院を変えたので診断が変わったのか
なんなのかよくわかりませんが
薬は同じです。
この文章を読んでも
理解されないかもしれません。
私もきっと自分がこうならなけらば
理解できなかったと思います。
というか いまだに自分でもわかっていないのかもしれません。
なぜ自分に こんなことが起こるのか。
パスタ屋で症状が起きたあの時から
15年が経ちます。
本当に地獄だったあの頃ほどの
症状は今は出ません。
それを証拠に あの頃より15キロ近く
体重は増加し とても
病んでる人間には見えないと思います。
それでも 何かのキッカケで
不安のスイッチが押されると
あのときがフラッシュバックするのです。
そして 体に症状が出てしまう。
それを繰り返しているのです。
アドラーという人は
「トラウマなんて存在しない」
と言っています。
それならば 私のこれは何なんだろう?
私がおかしいんだろうか?
甘えているんだろうか?
と自分を責めてしまいがちですが
まぁ そんな人の言葉は
どうでもいいっちゃどうでもいいですね
。
自分に集中。
これが私のカラダです。
以前は心の病気と一生生きていこうと
思っていましたが
躁鬱病を自身で治したという
坂口恭平さんという人を知り
彼の作品に触れ
(特に「Cook」という本は私の宝物です)
私も治したいと思うようになり
今 こうして自分のカラダの記録を
毎日書いています。
私が薬をやめて病気が治ったら
坂口さんとイベントしてみたい
という野望を胸に。