牡蠣好きにはたまらない。『牡蠣礼讃』畠山重篤
牡蠣大好きな私は、よくスーパーや魚屋の特売コーナーで牡蠣を買っていました。ただ、娘が甲殻類や貝がダメなので、ほとんど買わない年もあれば、自分の仕事のためにエネルギー確保で買う年もありした。
手頃な牡蠣が入手できたときは、以前はブロッコリーと牡蠣のグラタンが定番でした。でも、最近ではおいしいものを少しだけ食べたい年齢になったので、年に一、二度くらいが普通になっている気がします。
夫が職場から持ち帰ってくれる、殻付き牡蠣を電子レンジで1分ちょっとチンして、白ワインと一緒にいただくのがうれしいです。同僚の方のご家族が牡蠣の養殖会社にお勤めだとかで、季節の終わりに職場で直売していただける機会があるのだとか。
すみません、脱線しまくりました。本書の著者畠山さんは、宮城で代々牡蠣を養殖している職人さんです。研究熱心で、広島やその他の牡蠣産地との情報交換に飛び回る日々。
それだけでなく、フランスやアメリカ、中国へも出かけて視察や交流をされているからすごいです。半端じゃない牡蠣知識が、この本にぎゅっと詰まっていて、とってもおいしそうです。読むだけで、たまらなく牡蠣が食べたくなります。
ただ、あるBlogのレビューによれば、畠山さんの本には2006年出版当時の牡蠣の情報が豊富だけれど、過去の牡蠣の情報はほとんどないとのこと。言われてみれば、確かにちょっとふれられているだけですね。
まあ、広島にいたときには、瀬戸内海や沿岸の汚染と牡蠣養殖の問題はいろいろ大変な話を聞きましたし、牡蠣を殻からむく作業で、アジアからの「技能実習生」が低賃金で長時間労働させられていて、ついには殺傷事件になったニュースとかもありました。
消費者がおいしいものを手頃に食べるためには、いろいろな無理もあるのかと想像します。最近のSDGsはそのあたりを考慮するようって、提言なのでしょう。美味しいものは少しでいいので、生産者も販売者も、そして消費者もWin-Winになれる範囲がいいですけれど、なかなか難しいですね。