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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#日本史

『海底に眠るモンゴル来襲』水中考古学の世界(文永の役750年特別展1)

今回の東京行きは、国学院大学博物館もお目当ての1つ。今年は元寇の文永の役から750年。台風…

夕遊
2週間前
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近現代日本の偽史とオカルト文化『隠された聖徳太子』

ブラジル出身のオリオンさんの聖徳太子本。出る前から、どんな本になるのか楽しみにしていまし…

夕遊
5か月前
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平安時代、最大の対外危機『刀伊の入寇』関幸彦

今年の大河ドラマは、私の好きな清少納言が出るというので、楽しみにしていました。見る時間は…

夕遊
6か月前
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知らなかった日本のタイル文化。『和製マジョリカタイル―憧れの連鎖』INAXライブミュ…

先日、台湾の彩色タイルの本を買って、ちょっとづつ楽しみながらパラパラめくって読んでいたら…

夕遊
9か月前
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ポップな懐かしさ。『台湾 和製マジョリカタイルの記憶』康鍩錫

台湾の裏通りや下町を歩いていると、レトロな建物や壁、看板があって、歩きながらみているだけ…

夕遊
10か月前
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人はなぜ戦場に行ったのか『明治・大正・昭和軍隊マニュアル』一ノ瀬俊也

軍隊に入りたい人はいても、戦場に出たい人はいないと思います。もし、自分が死んだり怪我した…

夕遊
2年前
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ラストエンペラーの物語。『溥儀』入江 曜子

人生で3度皇帝になった溥儀(ふぎ)。そして、人生の後半は「一般人民」として生きることを強いられたラストエンペラー。彼は1906年に生まれて、数え3才(実年齢は2才)で、満州族がたてた清朝という大帝国の皇帝に即位した最後の人になりました。親戚の西太后の命令で、彼女が死ぬ1日前の決定だったそうです。 溥儀が8才のときに辛亥革命が起こって退位させられますが、その後も溥儀は紫禁城(故宮)に大勢の家臣とともに住み続けることを許されます。自分の知らないところで皇帝にされて、やめさせられ

メディアが煽った戦争。『帝国日本のプロパガンダ』貴志俊彦

『ゴールデンカムイ』に石川啄木が出てきた話のとき、ちょうど国内外の新聞に写真が載せられる…

夕遊
2年前
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北海道を旅したくなる名作でした。『ゴールデンカムイ』野田サトル

『ゴールデンカムイ』は、日露戦争後の北海道を舞台に、アイヌが隠した大量の金塊を探す物語。…

夕遊
2年前
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リアルと漫画はどこが違う?『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』中川裕

楽しみに待っていた1冊。わくわくしながら読みました。アイヌ研究の中川先生の文章は、『ゴー…

夕遊
2年前
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戦争で残された人たちの物語。『銃後の社会史』一ノ瀬俊也

この本は、一ノ瀬先生が、全国各地の遺族会(第二次世界大戦までに戦争で家族を亡くした人たち…

夕遊
2年前
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日本人はずっとアメリカが好き。『戦前昭和の社会 1926-1945』井上寿一

大正デモクラシーが終わった後の暗い時代。それが、戦前の昭和に対する私たちのイメージです。…

夕遊
2年前
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岸和田藩の元藩主のお話。『評伝 岡部長職』小川原正道

サブタイトルは、「明治を生きた最後の藩主」。岸和田藩の最後の藩主になった岡部長職(ながも…

夕遊
2年前
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戦前に伝説だった人。『頭山満 アジア主義の実像』嵯峨隆

頭山満(1855-1944)は、明治から大正、昭和にかけて活動したアジア主義者。もう、ほとんど忘れられているといっていいような気がしますが、ブレイディみかこさんの同郷とか、伊藤野枝の小説『風よあらしよ』の紹介でも出てきたので、どんな人か読んでみました。 天皇主義者で、アジアと連帯して、欧米に対抗しようという思想の持ち主だった頭山。彼は、亡命してきたインド人のボースや中国人の孫文、朝鮮人の金玉均なども支援しました。でも、政治家でもなければ、軍人でもありません。 頭山は、福岡