裏界 雪

思想と小説。15歳。りかいゆき。#裏世界へようこそ

裏界 雪

思想と小説。15歳。りかいゆき。#裏世界へようこそ

マガジン

  • 溺死

    私が数年前から書き溜めていた一話構成の物語です。

  • 何か

    衝動的に書いてしまった何か

  • 家庭

    私の家族に関すること。吐き出し。

  • 自殺未遂

    自殺未遂について綴った話。私の人生。

最近の記事

魂ちゃん

ぬいぐるみを、作った。 うさぎさん。 水色と白の、あたしの可愛い可愛いうさぎさん。 おめめは黒いボタンで。 綿をたっぷり詰めて。 ひとはりひとはり。 ちくちくと。 お口は作らなかった。 いや、作りたくもなかった。 だって────── 左の耳に、お星様ふたつ。 首にはチェーンにかけた赤ボタン。 ボタン屋さんで買ったのよ。綺麗でしょ。 濃いめのいちごみるくみたいで、お気に入りなの。 左右非対称のうさぎさん。 完璧じゃないからこそ、人間なの。 右手を上げたうさぎさん。

    • ファンファーレ

      ほんの少しの硬直でまた離れてく ほんの少しの怒りで嫌われる ほんの少しの出来の悪さで見放される 舐められる ほんとうに最低。 縛り付けられている。嫌われることが怖いんじゃないの。 一人の人間として、見られることが恐ろしい。 比べないで欲しいとか。 嫌わないで欲しいとか。 そういうことじゃなくて。 そういうことじゃなかった。 自分が自分でなくなるように、彼女を模した。 けっきょく最適解はそれであり、それでなく、 鏡の前で作った笑顔に違和感を覚え。 悲しいな。 い

      • Quiet settings

        静かにする設定。サイレントモード。 今日からそれを、導入してみました。 結果的には、便利でした。 通知バイブの回路が絶たれ、気が紛れなくなりました。 まぎれなくなりました。 サイレントモード。使い始めて、1ヶ月。 最近時々、不便です。 切り忘れてしまうときがあって、反応が遅れてしまいます。 切り替えのタイミングが、難しいです。 学校では?職場では?家族の前では?友人の前では? Be と言われたら、従わなくちゃ。 はんのうがおくれてしまいます。 あっという間に1年経過。

        • 2024.03.06 夢と私の損失、あるいは変化

          夢:ふたりでひとつとても現実的な目の前の風景に反して、この世界では全ての人間がアニメのような見た目をしていて、私も例外なく、ピンクの髪を肩まで伸ばした、5等身ほどの少女である。 私は今、高速道路に立っている。地面は数センチの積雪で覆われ、路面も凍結している。 そして何十人もの人間が、ただ一方向に歩いている。 対向車線もこちらの車線も関係なく、ただ前に進む。 友達と共に歩むもの、独りでゆっくり進むもの、たくさんの人間に押しつぶされそうだと思いながらも、私の周りには誰もいなかっ

        マガジン

        • 溺死
          7本
        • 何か
          2本
        • 家庭
          1本
        • 自殺未遂
          1本

        記事

          終わりがくるだけ

          全ての事柄は終わる。 誰のことも信じなければよかったと その度に公開する。 何も残らないし、何も生み出せない。 目指したものに、手が届くことはない。 京都に向けてとった、新幹線のチケット。 通話で教えてもらった、猫の多い公園。 京都行ったら連れてって。 本気にして、馬鹿みたいでした。 冷静に考えたら、わかることだったんです。 明らかに減った連絡の数も、僕の友達に向けた静かな悪口も。 地震のツイートに「予言www」 ふざけてるの?と送ったリプライ。 届い

          終わりがくるだけ

          らゔ

          誰かを愛してみようって、唐突に思いました。 勉強を頑張ってみようって、前々から思っていました。 自分の存在価値を、自分に問うてみました。 自分を愛する方法が、ずっとわかりませんでした。 誰かに恋した瞬間の、雷のような感覚を味わってみたいと思っていました。 料理上手になって、気になるあの子にアピールしたいって思っていました。 将来はすごく有名な人間になろうって思っていました。 オンライン授業をしている時、自分の世界と画面越しの教室が、別の次元のように思えてなりませ

          堕ちていく

          いたい、くるしい、つらい。 何かを感じる。 本能には従うべきだ。 俺は今日、落ちた。落とされた?わからない。 でも、いたくていたくて仕方がなかった。 咄嗟に押されたと感じた手を掴んだけれど、振り払われた。 落ちていく時も、感じた。 目。 過失で落ちた場合は、心配の眼差し、恐怖を帯びた目線を感じる。 ……今日は、違った。 落ちる瞬間に俺が感じたのは、言葉にできないほど気持ちの悪い目線。 俺が落ちるのを楽しんで見ている。 奇異の目。 どうして避けられなか

          堕ちていく

          感謝のできない18歳

          私の姉は、感謝と謝罪ができない。 小さな時から病弱で、いろいろなことをしてもらっていた姉は、偏頭痛と低血圧を持ったまま18歳になった。 最近、家族の衝突が増えたように思う。 母の大きな怒鳴り声。父のたしなめる声。 姉の、笑い声。 姉は、努力家だった。 勉強を頑張り、体調が悪くて予定通りに物事が進まなかったとしても、立て直しに努めていた。 私は姉を尊敬していた。 私のことを、可愛い、大好き、と言ってくれる姉を、優しいと思っていた。 姉が中学2年生になった頃、私は

          感謝のできない18歳

          インターネットに対してなんの知識もなかった小学3年生が自殺未遂をした話

          わたし あれは、私が9歳のときであった。 あのときの私は、栗色の髪を腰まで伸ばし、日光アレルギーの人間特有の青白い肌、そして血色の良い真っ赤な頬をしていた。 髪の毛を抜き、丸め、球体を作り、瓶に貯める。 そんな「儀式」を毎日行っていたことを除いては、いたって普通の子供であった。 しかし、9歳の子供にしては排他的な性格で、厭世的な気持ちでいっぱいであったように思う。 それは恐らく、精神科医やカウンセラーですら目を丸めるほどに内向的な性格と、アスペルガーの父親と高IQの

          インターネットに対してなんの知識もなかった小学3年生が自殺未遂をした話

          しあわせつめこみ大特価

          えがおは、ときに人を苦しめるのだと知りました。 それでも私は笑っていたいのです。 笑わないと、生きていける気がしないのです。 くるしくてくるしくて、なんども空虚にぽちゃりと溶けたいと思いました。 けれども、いくら望んでもそれは叶いません。 さあ、どうしよう? 笑えばいいのです。 えがおは、たとえ人を苦しめたとしても、自分のことを救うことが出来ます。 自分が大切じゃない人なんて、いないのです。 自分が大切じゃない人はとっくに死んでいます。 死のうとしても、死

          しあわせつめこみ大特価

          これがはじまりでおわりなんだよ

          有る所に、ハス、という1人の悪魔がおりました。 彼は悪魔という姿に生まれ墜ちた運命として、悪の契約を結ばなければなりませんでした。 しかし、ハスは保身欲と無駄に大きな想像力を兼ね備えておりました。 例え悪魔であったとしても、自身が罪の無い善良な人間と契約を結べば、いつか自分に罪が返ってくる、と思い込んだのです。 そして、今まで自分が沢山人間に嘘をついてきたことを恥じました。 そこから彼は、死ぬ間際の人間や罪滅ぼしをしたいと嘆く人間、罪を犯した人間としか契約を結ばなく

          これがはじまりでおわりなんだよ