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裏界 雪
2024年2月24日 01:14
わたしあれは、私が9歳のときであった。あのときの私は、栗色の髪を腰まで伸ばし、日光アレルギーの人間特有の青白い肌、そして血色の良い真っ赤な頬をしていた。髪の毛を抜き、丸め、球体を作り、瓶に貯める。そんな「儀式」を毎日行っていたことを除いては、いたって普通の子供であった。しかし、9歳の子供にしては排他的な性格で、厭世的な気持ちでいっぱいであったように思う。それは恐らく、精神科医