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ペーパーレス×オンラインの時代にテック系のスタートアップが本気で紙の名刺をつくる理由

ペーパーレスやオンライン化が進んでいる昨今。

「この時代に紙の名刺にこだわる必要なんてあるのか?」

そう考える人も多いかと思います。

「それでも、名刺を渡したときにパッと明るくなるような相手の顔が見たい」
「こういう時代だからこそ、一つひとつの対面のコミュニケーションを大切にしたい」

そんな想いから、IPテックスタートアップのWunderbar(ヴンダーバー)では、紙の名刺を本気でリニューアルしてみました。

今回は、リニューアルの背景や新しい名刺に込めた想い、そしてデザインの工夫についても詳しくお話します。

モノトーン調で洗練されたデザインの新しい名刺

なぜ今、名刺をリニューアルするのか

2023年11月に会社のロゴを刷新したWundebar。新たなロゴを作成する過程から、ロゴに込めた想いをそのまま反映するような名刺を作りたいと考えていました。

2023年11月にリニューアルされたWunderbarのロゴ
2023年11月にリニューアルされたWunderbarのロゴ

▼ロゴの制作についてはこちらで詳しく解説しています。

そして、新しいロゴの完成から間もなくして、新たな名刺を作成するプロジェクトが発足しました。プロジェクトの主導は、ロゴのリニューアルもメインで担っていたデザイナーの溜水(たまりみず)です。

きっかけはロゴの刷新だったものの、リニューアルするならとことんこだわり抜きたいという想いから、紙の名刺と本気で向き合っていくことになります。

新しい名刺作成におけるこだわりポイント

今回の名刺制作にあたり、絶対に譲れなかったポイントが2つあります。

①基本に立ち返って「渡す人に与える印象」を重視すること

Wunderbarには、”人”を大切にするカルチャーが強く根付いています。
社内でも、ペーパーレスやオンライン化の動きがあるからこそ、貴重な対面でのコミュニケーションをとても大切にしています。

それは社外のステークホルダーについても同様です。

「初対面の人に名刺を渡したときに、明るい気持ちになってほしい」
「そして、この人たちと一緒に仕事がしたいと思ってもらいたい」

そんな願いから、渡す人に与える印象を何よりも重視しながら、デザインを考案しました。

②ロゴのコンセプトを表現し、ブランディングとの一貫性を保つこと

ロゴのコンセプトとなった「プラズマ」のイメージ
ロゴのコンセプトとなった「プラズマ」のイメージ

今回のリニューアルプロジェクトは、新しいロゴを活用した名刺を作りたいという想いから始まりました。そのため、ロゴのコンセプトを表現した名刺にすることが必須の条件でした。

また、Wunderbarではオフィス移転やコーポレートサイトのリニューアルを予定しています。今回の名刺は、ロゴに加え、新たなオフィスやコーポレートサイトのテーマとも一貫性を保てるようなデザインを採用したいと考えていました。

新しい名刺の4つの特徴

そんなこだわりのデザインに関する4つの特徴をご紹介します。

①紙質

エキストラヌーボー(紙の素材名)を活用した名刺
エキストラヌーボー(紙の素材名)を活用した名刺

新しい名刺は「エキストラヌーボー」という和風なやわらかい手触り感のある素材でできています。ロジカルでありつつも、ユニークであたたかいメンバーが揃っているWunderbarの人間味を表現すべく、この素材を選びました。

実際に試し刷りした名刺をメンバーみんなで触ってみたときも、反応が良かったのがエキストラヌーボーでした。

②側面の天金加工

複数のデザインを実際に印刷し、選考している様子
複数のデザインを実際に印刷し、選考している様子

Wunderbarのロゴはグレーを基調としており、名刺もシンプルなモノクロ調になることが想定されていました。ただ、単調になりすぎてもチームのカラーを表現しにくいため、名刺の側面で何かを表現しようと模索しました。

結果、ロゴ制作でキーワードとなった「プラズマ」、そして新しいオフィスのテーマとなる「光」から着想を得て、マットシルバーの天金加工を施すことに。

パッとはわかりにくいのですが、光の当たる角度によってピカっと光るのが特徴です。手に取ったときに化学反応が起こるようなイメージをデザインに落とし込みました。

③文字のカーニング、余白感

文字のカーニングを行なっている画面
文字のカーニングを行なっている画面

新しい名刺は1枚1枚丁寧にカーニングされています。カーニングとは、文字同士の間隔を調整することです。

例えば、“W”と“I”では文字の面積が大きく違うといったように、余白はそれぞれの文字ごとに異なります。そんな文字ごとの個性を調整し、より美しいデザインを実現するために、メンバー一人ひとりの名前に合わせてカーニングを行いました。

④素材の色味

左:白ベースの表面、右:グレーベースの裏面
左:白ベースの表面、右:グレーベースの裏面

名刺のベースは、表が白で裏がグレーとなっています。

ひとえにグレーと言っても、明るさや濃さの異なるさまざまなグレーが存在しています。最もWunderbarらしく、スタイリッシュな印象になるのはどのグレーなのか、微細な調整を行いながら決めていきました。

このように、デザインを構成する一つひとつの要素にもこだわり抜き、Wunderbarらしさを体現した名刺ができあがりました。

デザイナーが語る、名刺作成で心がけるべきこと

デザイナー・溜水(たまりみず)
デザイナー・溜水(たまりみず)

ここでは、新しい名刺をデザインするにあたって心がけたことについてデザイナーに語ってもらいました。

【デザイナー・溜水(たまりみず)のコメント】

今回の名刺リニューアルで心がけたことは大きく3つあります。

①実物を自分たちの目で見て、触れること

WunderbarはIPテックとしてテクノロジーを扱いつつも、リアルを大切にしてこそテクノロジーが生きるという風に考えている会社です。特に紙の制作物は、印刷してみないと実際のデザインや触り心地の印象を掴むことができません。

また、実際に名刺を渡すというシチュエーションを再現しながら、デザインを調整していくことも必要です。

当たり前ではありますが、基本に立ち返って実物と向き合うということは欠かせないですね。

②メンバーの意見を聞くこと

Wunderbarはフラットな組織で、特に代表の長尾さんがメンバーの意見に耳を傾けることを大切にしているんですよね。

名刺はメンバーみんなが使うものです。制作過程でも試し刷りしたものをメンバーに触ってもらって、意見を吸い上げるということを何度か実践しました。

③メンバーが誇りを持って使えるものにすること

「メンバーにも誇りを持って使ってほしい」という想いで、デザインをするのはすごく大切だと思います。

僕は自分で制作した透明の名刺を持っていて。それを長尾さんに初めて渡したとき、すごく感動されていたのがずっと印象に残っていたんですが、それは長尾さんも一緒だったようです。

そして、長尾さんがその記憶から自分に今回の名刺作成を任せたいと思ってくださったように、メンバーが名刺を渡した相手から「この人と仕事がしたい!」と思ってもらえたら良いなと考えています。

特に、WunderbarはIPを扱う会社なので、渡した相手に会社としてのセンスの良さを印象付けられたら嬉しいです。

実際、名刺にお金をかけるような会社は減少傾向にあると思います。そんな中、かなりの予算をかけ、こだわりを持って名刺を作っている想いがそのまま伝わると良いですね。

偶然も味方に。ハプニングから生まれたデザイン

実際に採用されたパールのロゴ
実際に採用されたパールのロゴ

今回のリニューアルでは、思わぬハプニングから生まれた奇跡もありました。

作成当初、表のロゴの色はブラックを予定していました。
しかし、試し刷りの際の発注システムの問題で、白地にパールのロゴが印刷された名刺がオフィスに届けられたのです。

一方、そんなミスプリントを手にしたメンバーはその洗練されたデザインを絶賛。パールのロゴは社内で好評を博し、そのまま活用されることとなりました。

そんなこんなで、偶然の産物ともいえるデザインが完成したのです。

メンバーの声

今回のnote企画にあわせて社内でヒアリングを行ったところ、新しい名刺に対して愛のある言葉がたくさん届きました。ここでは、その一部を紹介します。

CTO柳澤(やなぎさわ)
今回の名刺は、デザインだけでなく、紙と加工もしっかりこだわり抜かれています。ロゴのリブランディングから一貫して担当してもらってるからこそできる、圧倒的にシンプルかつクールで、Wunderbarらしいデザインがめっちゃ良いです!作成過程をすべて見てきたので、妥協なしの最高の名刺が完成して感動しています!

GM足立(あだち)
誰に見せても自慢できる、というか自慢したいと思える名刺です!まだ渡したことはないんですが、渡すときは内心ドヤ顔しながら渡すだろうなと思ってます(笑)。


今回はこだわり抜いた名刺のリニューアルについて詳しくお話ししてみました。

名刺は人と人とを繋ぐきっかけを作ってくれるもの。

今回の名刺づくりが、メンバーにとってもコミュニケーションについて考える大切な機会になっているのではないかと思います。

チームの想い、そしてプラズマと光のコンセプトを受け継いだ名刺が、より強固なブランディングを確立し、素敵な化学反応を起こしてくれることでしょう。

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