【漫画紹介】チ。ー地球の運動についてー【漫画感想】
こんにちは!ビケウォジャックです。
今回は漫画「チ。ー地球の運動についてー」
について紹介&感想を書いていきます。
皆さんはこの漫画、知っていますか?
私は昨日読み始めたら止まらず、一気読みしてしまった
のですが、存在自体は数年前から知っていました。
というのも、「アメトーク」の「漫画大好き芸人?」かなんかで
ケンコバさんやかまいたち山内が絶賛するところを見ていたからです。
ですがその時は「面白そうだな〜」くらいにしか思わず、実際に読むことはありませんでした。
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ですが、実際に読んでみると非常に面白く、
昨日の夕方に読み始めて一晩で読み終えてしまいました。笑
そんなこの漫画の概要、自分なりの注目ポイントなどを紹介していきます。
あらすじ、概要
「天動説」と「地動説」は知っていますか?
かなり有名な説だと思いますから、
説自体を知っている方は多いと思います。
もともと支配的な考えは「天動説」だったわけですが、
「地動説」を唱えた人物は誰か知っていますか?
これも知っている人が多いかもしれませんね。
そうです。「コペルニクス」です。
「コペルニクス的転回」という言葉でも知られるように、
彼は大地と天界の立場を一変させ、その瞬間から
「地球が動き出した」わけです。
ですが、コペルニクスはあくまでも
歴史に残る、正式に説を唱えた最も古い人物ですよね?
コペルニクスが一から生み出し、唱えたのか。
そうではない。
と、この漫画の作者である「魚豊(うおと)」さんは考えていると思います。そして、私もそう思います。
天動説が支配的だった当時、これはキリスト教と深く結びついていました。
そのために、「地動説」によって教えが覆されると神に背くことになるため、唱えたものは異端として審問を受けます。
要するに、当時は思想統制が宗教の名の下に行われていたということです。
「神様はこう世界をつくった。だからそれに反するものは処罰!」
といった感じ。
それでも、当時夜空を眺め星々を観測した人々は、天動説では説明がつかないことに気づく。
そして、そんな人々の中にはその事実を
後世に伝えようとした人々も無数にいるはず。
そうやって連綿と受け継がれ、長い年月をかけ醸成されていった
「語られなかったものたち」による「知」や「血」の結晶が、
やがて、「地」を動かす。
その醸成期を、作者なりの思想を交えながら描いていくというわけです。
(そのため史実とは異なっていると思われる。なぜなら異端とされた彼らは”語られてこなかった”から。)
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この先はネタバレを含む可能性があります。
あらすじを読んで読みたい!
と思ってくださった方は是非読んでから
またこの記事で私とこの漫画の面白さを共有しましょう!
まだ読むまではいかないなあ、という方は、
以下も読んで是非購入を検討してください😉
個人的に印象に残ったシーンや表現
では、ここからは個人的に
印象に残ったシーンを書いていきたいと思います。
タイトルの「チ。」をあえてカタカナにしている理由。
タイトルをカタカナにしているのには、「チ」が複数の意味を持っているからです。
1つ目は、この漫画の主題でもある「地」。
2つ目は、「知」。天動説が支配的だった当時、地動説にたどり着くことができるのは「知」のあるものだけだった。
そして、最後に「血」。
地動説が正式に唱えられるまで、多くの人が尋問され、拷問されたと考えられます。(事実を知ることはできませんが、あくまでも漫画では総尿者されます。)
どうやら作者は「知性と暴力」にまつわる漫画を描こうと決めていて、あとから「地動説」が題材として選ばれたそう。
この一文字に込められたさまざまな意味がこの物語に深みをもたらします。
オクジーにとっての「コペルニクス的転回」
第二章において主要な登場人物であるオクジーは、
昔、地球が世界の中心にあるのではなく、地球の住人が最も下等だからだと教えられた。地球上のものは全て中心に向かって落ちるが、空の星々が落ちてこないのは、天界と地球が隔たっていて、愚かな地球を見下ろしているからだと教わった。
その時から、オクジーは夜空を見上げるのが怖くなる。
星々が、自分を見下す無数の眼球に見えるからだ。
そんなオクジーが、地動説との出会いによって、彼の中で
「コペルニクス的転回」が起きた瞬間、
彼の目の前に鮮やかな星々が広がる。
ここの描写がとても素敵で、感動的でした。
天動説に人生を捧げた老人が、自分の間違いを認める瞬間
ピャスト伯という人物は、
完璧な天動説を完成させるために人生を捧げていた。
しかし、死を間際にしても、天動説は完成せずにいた。
そこにオクジーらが現れ、地動説に関する話を持ちかける。
しかし、ピャスト伯は取り合わない。
先代から天動説の完成を託され、自分の人生を捧げてきた天動説が、仮定から覆ることが怖かったからだ。
そこで、過去のある思い出が頭をよぎる。
金星が、満ちていた。
彼は若い頃に金星が満ちているのを目撃した。天動説において、金星が満ちることはありえない。その当時は見間違いをしたと言い聞かせていたが、今でもそのことがひっかかっていた。
ちょうどその頃、金星が満ちるとしたら今日だ、という日が来る。
当時は目のいいものしか正確な観測はできず、オクジーが観測することになる。
金星は、満ちていた。
ピャスト伯は最初、信じることができず否定する。しかし自分の過去の記憶が裏付けられたこと、研究者として自分のプライドや歴史よりも真理を重んじるべきだと思い至ったことで、涙ながらに自分の間違いを認める。
このシーンは、なんだかとても感動しました。
人生を全て捧げた学説が過程から誤りだったなんて、辛すぎますよね。
でもそれを認められる強さをもてることがすごい。
終わりに
最後まで読んでくださりありがとうございます!
今回書いたシーンの他にもいいシーンがとってもたくさんあります!!
是非是非読んでみてください。
私は最近は基本的に活字を読むことを心がけていますが、
元々は漫画がめちゃくちゃ好きなので、時折衝動的に一気読み
しちゃいます。
たいてい一気読みしてしまうものはそれくらい面白い作品ということになりますから、是非今後は漫画も紹介していけたらなと思います。
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