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エッセイ

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主に昔語りと創作。 つまらなそうだ? そうでもないぜ。
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#アート

まあまあ楽しかった話

まあまあ楽しかった話

今日は、まあまあ楽しかった話と、そこそこやらかした話があるのだが、どっちを書こうかとしばし思案。
でもまぁやらかした話はどこまでいっても救いがないので、楽しかった話を書こうと思う。

本日は知り合いからご紹介いただいて、某市の子供美術展の協賛行事として、小学生低学年くらいに向けたワークショップをやらせていただいた。
展覧会を見に来た子供に参加してもらおうという企画だから、誰でもウェルカム、入場無料

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100年計画

100年計画

高校生の時分の、つまり45年前の自分の描いた絵を見て、なんだ結構上手いじゃないかと感心したことがある。

まぁ良い出来だったから、ずっととってあったのだけれども、それにしてもこのくらい描けるのだったら、美大受験なんか楽勝だったのではないかと思う程だ。

実際には楽勝どころか浪人しているわけで、きっとこの一枚の陰には、もっとしょうもない作品が大量に破棄されているに違いないのだが、それはそれである。

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石膏デッサン

石膏デッサン

高校生の頃は、美術部のくせに朝練と称して、1時間くらい早く学校に行って、部室でデッサンすることを習慣にしていた。
学校に最後まで残った木造校舎、もう授業には使われずに、部室棟みたいになっていた建物で、たいていわたし以外に誰もいなかった。

そこにはヨーロッパの大理石彫刻から型取りした、がらんどうの石膏像が何十体も置いてあって、これを片っ端から描いた。
像はみな古くて薄汚れていたが、いかにも美術部然

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あなたへ

あなたへ

時々noteで拝見する若いあなたへ。
伝わらないかもしれないけれど、伝わるといいなと思って書きます。
伝わらなくとも構いません、その時はただの独り言です。

あなたはとても真面目な方だと拝察します。
精一杯、というより、いっぱいいっぱいで生きておられることはよくわかります。
あなたは痛ましいくらいに自分に厳しい。
どうしてそうなったのか、それがどこから来るものか、わたしにはわかりませんが、とにかく

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山下公園と青春

山下公園と青春

40年前の話。

当時、わたしは美大受験に失敗した浪人生だった。

一応見苦しい言い訳をするなら、美大はいまでもかなり難しいけれど、あの頃は、さらに厳しかった。嘘じゃないのだが、わたしの一年下には8浪した猛者がいて、話を聞いたら、一度就職したとか、別の学校をやめたとかではなくて、純粋に8年間浪人していたという。入学時30も近いわけだが、まあ、そういう時代だった。

で40年前、わたしとその周辺はそ

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