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玄米菜食で気をつけていること:血糖値の急上昇とAGEsを抑えたいから、サンドイッチは 全粒粉100%のパンに野菜をたっぷりはさんで!

私が玄米菜食を続けるうえで気をつけていることがいくつかあります。
中でも特に注意しているのが・・・

1)血糖値の急上昇(食後高血糖)を抑える食べ方をすること、
2)終末糖化産物(AGEs)を発生させない食べ方をすること。
実は、この2つは密接に関係しています。
 
そして私がこちらの備忘録でいつもUPしているお料理のほとんどは、この2点を意識して作っています。
ということで、いつもとは趣が異なりますが、今回はこの2点についての備忘録から始めます。料理の写真やいつもの感じの備忘録はこのページの後半に続きます。
 
【予めおことわりを・・・】
前半の備忘録は、私が玄米菜食を続ける上で注意すべきポイントを自分なりに理解するため、長年にわたってメモしてきた内容を基にしています。あくまで私的備忘録ですので、専門的なことや細かい説明ははしょって、私が日頃注意すべきこと、覚えておくべきと思っているポイントだけをざっくりとまとめております。

【炭水化物=糖と心得る!】
玄米雑穀を主食とする食生活では、おのずと炭水化物の摂取割合が多くなります。
炭水化物は糖質と食物繊維からできています。
食物として摂取した炭水化物の糖質は、小腸でブドウ糖に分解され、吸収されて血液中に取り込まれます。これにより、血液の中のブドウ糖濃度が上がります。

血中のブドウ糖濃度が上がると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、血液中のブドウ糖を取り込むよう体内の細胞に働きかけます。
細胞に取り込まれたブドウ糖は、全身のエネルギー源として使われますが、過剰に摂り過ぎて余ったブドウ糖は中性脂肪の原因になるので要注意。

血中のブドウ糖濃度が上がることを「血糖値が上がる」と言います。
 
【食後高血糖に注意!】
食べ物を食べた後、血糖値の高い状態(食後高血糖)が続くということは、血管の中のブドウ糖濃度が高い状態が続くということ。これは血管を傷つける原因となります。

また食後に血糖値が急激に上がり過ぎると、インスリンが大量に分泌されて、今度は血糖値が急降下することに。
こうした血糖値の乱高下を血糖(値)スパイクと呼びます。血糖スパイクも血管を傷つける要因となります。

血糖スパイクを繰り返すと血管へのダメージが進んで動脈硬化に。動脈硬化は心筋梗塞・脳梗塞・腎機能の低下などを引き起こします。
 
【食後高血糖は終末糖化産物(AGEs)の要因にも!】
また食後高血糖は、老化を加速させる原因物質である終末糖化産物(AGEs)の生成にも関係しているそうです。
AGEは過剰に摂取した糖が体内の細胞や組織を形成するタンパク質と結びつき、身体の中の温度で加熱されることで生成されます。このAGEもまた、細胞や臓器に炎症を引き起こします。

身体のあらゆる組織がタンパク質でできています。このため、例えばAGEが血管で蓄積すれば動脈硬化に、脳に蓄積すれば認知症に、骨のコラーゲン(タンパク質)でAGEが生成されれば骨粗しょう症に、目の水晶体のタンパク質に生成されるAGEは白内障の原因になるなど、老化と言われるあらゆる症状や病気の原因となるそうです。
 
【血糖値の急上昇を抑える炭水化物の食べ方とは?】
繰り返しになりますが、玄米も雑穀も炭水化物でできています。
このため、玄米菜食を続ける上で、私は食後高血糖を引き起こさない食べ方を日々意識するようにしています。
 
血糖値の急激な上昇を抑えるには、小腸での糖質の吸収速度をゆるやかにすることが大切。そのための指標となるのがグリセミック指数(GI)です。
 
【炭水化物摂取の目安となるGI値を意識する】
グリセミック指数(GI)とは、「食物に含まれる糖分の吸収のされやすさ」の目安。GI値が低い食品ほど、糖の吸収がゆるやかです。
 
GI値は、小腸で吸収されやすいブドウ糖を100として、それに近い数値は糖質の吸収が速いので注意が必要。
GI値を食品ごとに覚えるのはちょっと大変かもしれません。また、より正確な指標として、それぞれの食品の炭水化物の含有量をGI値に加味したGL値というのもあります。
でも健康な人であれば目安として、少なくとも以下のことをざっくり頭に入れておけばよいと思います。
 
GI値は・・・
 消化が良いものほど高い
 精白度が高いものほど高い
 食物繊維が多いほど低い
 
調理方法としてはGI値が高い順に・・・
 焼く・揚げる(高)→煮る・蒸す(中)→生(低)
 
AGE(終末糖化産物)は調理の加熱によっても生成されます。
AGEが生成される調理方法も、GI値の順番と同じです。

つまりGI値的には、「食物繊維が多く、精白されていないものを、焼く・揚げるなどの高温調理を避けて食べるのが理想的」ということになります。
 
 【糖質の吸収を緩やかにする食べ方とは?】
GI値の低い食品を摂ることは基本中の基本ですが、次のような点も意識します。
 
・食事の最初に食物繊維が豊富な野菜やきのこ類、海藻類を食べること。
 食物繊維は糖を包み込み、糖が小腸で吸収されるスピードを遅らせてくれるそうです。
 
・ネバネバした食品もできるだけ摂ること。
 オクラや納豆、山芋など粘りのある食材も糖の吸収を遅らせ、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるそうです。
 
・かんきつ類や梅干やお酢を摂る。
 かんきつ類や梅干しのクエン酸やお酢の酢酸にも、糖質の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑える働きがあると言われています。
 
・また、糖質が効率よくエネルギーに変換されるにはビタミンB1も必要だそうです。
 
【玄米菜食は理に適っている!】
こうして考えると、玄米雑穀の主食に野菜の副菜という玄米菜食の食べ方は、かなり理に適っていると思います。

まず、炊いて調理した全粒の玄米や雑穀は、炭水化物の中ではGI値が低く、糖質の吸収が比較的緩やかです。さらに、糖質をエネルギーに変換する上で欠かせないビタミンB1も含まれています。
食物繊維が豊富な玄米や雑穀のご飯を海藻、野菜、きのこ類などを入れた具沢山のお味噌汁と一緒に食べれば、ご飯の炭水化物はゆるやかに吸収されます。海藻や野菜の酢の物を先に食べれば、さらに効果的!
 
私はパスタやパンを食べる時も全粒粉100%のものを選び、具材として野菜やキノコ類をたくさん入れたり、先にサラダをたっぷり食べたりするようにしています。
 
【パンは特に注意が必要!】
パスタは有機小麦や古代小麦の全粒粉100%のものが最近は比較的簡単に手に入りますし、国産小麦の全粒粉100%のうどんも市販されています。
私にとって一番の問題はパンです。
 
なぜなら、市販のパンで全粒粉100%のものを見つけるのはとても難しいと思うのです。国産小麦や有機小麦の全粒粉を使っているパンとなると、さらに希少です。
 
ちまたには全粒粉パンという名前で売られているパンがたくさんありますが、実は精製された小麦の割合の方が高く、そこに少しだけ全粒粉がブレンドされているものが多いのです。
全粒粉の割合を明記してくれているパン屋さんもありますが、少数派です。
私は乳製品や植物オイルや砂糖などを加えていないシンプルなパンを求めているので、選択肢はさらに狭められます。
 
全国的にオンラインショップなども探せばもう少しあるかもしれませんが、私が比較的簡単に買い物できる範囲で100%全粒粉(国産小麦)と塩と酵母だけの食パンを焼いているお店は1軒だけ。バゲットとなると、国産小麦の全粒粉50%配合と明記してくれているパン屋さんをかろうじて見つけられるのみです。
 
私は玄米雑穀のご飯が大好きですが、パンも好きなので、突然「パンの気分!」になったら、自分で全粒粉100%のパンを焼く以外に選択肢がない、ということになります。
とはいえ普段は会社に勤めているので、パンを焼くのは月に1回あるかどうか・・・。パン作りを極めることはなかなかできません。
 
乳製品や卵や植物オイルや砂糖を使わずに、全粒粉と水と酵母と塩だけでパンを作ろうとすると、一般的に日本人が大好きな柔らかいふわふわなパンには、なかなかなりません。
自家製パンを作り始めた当初は、ふわふわパンが好きな家族からは、「かったい(固い)パン!」と不評でしたが、今ではかなりソフトでしっとりとした全粒粉100%のパンを焼けるようになりました。(私はどちらかというとハード系のパンが好きなのですが・・・)。

レーズン入りの全粒粉100%の自家製パン
丸パンを焼くことが多いです。
これは別の日に焼いたパン。
写真でうまく伝わるかわかりませんが、表面も中も柔らか。翌日も柔らかいまま。
全粒粉なので精製小麦のようにキメ細かというわけにはいかず、
日にちがたつとパサパサ気味にはなりますが、それはそれで使い道がいろいろあります。
一例はこちらの備忘録の後半で!

ここまで、かなり長い備忘録となりましたが・・・
ここからは血糖値の急上昇とAGEsを抑えることを意識した、全粒粉100%の自家製パンと野菜をたっぷりはさんだサンドイッチについてです。
 
【血糖値の急上昇とAGEsの生成を抑えるサンドイッチ!】

詳しい説明は後回しにして、最近作ったサンドイッチの写真から・・・。

こちらは見出しのサンドイッチをラッピングしたもの。
レーズンなしの全粒粉パンです。
具だくさんなので、中身がこぼれないようにラッピングして食べています。
パセリ、ケール、レタス、セロリの葉、赤蕪などの生野菜もたっぷり!
こちらはレーズン入りの全粒粉パン。
レタスやパセリ、コリンキーなどの生野菜、
ビーツやマッシュルームなどの温野菜をはさんでいます。


これらのサンドイッチは、低GIの全粒粉100%のパン(自家製)に食物繊維たっぷりのハーブや野菜をはみでるほどにはさみ、中東の味をヒントにしたソースをはさんでいます。ソースには柑橘の果汁やビネガーも加え、血糖値の急上昇対策を意識しています。

実は私は中東のビーガン系の料理が大好き。中東のビーガン料理といえばファラフェルやフムスを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

ビーガン(vegan)という言葉や概念を初めて知ったのは、ウン十年前のイギリス。ビーガンの本家イギリスですら、ビーガン・メニューを取り扱っているレストランがほぼ皆無の時代。ビーガンの友人と毎日一緒に外食をしていた時期があり、とりあえず中東系のお店なら何かしら食べられるものがあるはず、ということで中東料理をよく食べていたのです。

私はフムスやファラフェルももちろん大好きで自分でも作ります。私(わたし)的にはファラフェルにコリアンダーとパセリは欠かせないので、自宅でコリアンダーとパセリを育て始めたほど。
フムスやファラフェル入りのビーガン巻きずし、なんていうのも作ります。
https://note.com/wisdomjapan/n/nb73dc9315b14

でも、私にとって中東料理の魅力は特定の料理にあるのではなく、柑橘のさわやかさ、ドライフルーツの甘味、ハーブやスパイスの香りなどが絶妙なバランスで複雑に組み合わさった、甘酸っぱくて(かつ甘じょっぱくて)スパイシーな風味にあります。 

その後、中近世のイギリス文学に登場する料理を研究するようになり、当時のイギリス料理が中東の料理の影響を大きく受けていたことを知りました。

当時のイギリスの料理本を紐解いてみると、確かに中東の味を彷彿させる味付けのレシピをたくさん見つけることができます。 
中東から遥か海を渡って運ばれてくるスパイスやエキゾチックなドライフルーツ類、イギリスでは育たない暖かい国の柑橘類は、王侯貴族などの富裕層しか手に入れることのできない高価で貴重な食材でした。
このため、スパイスやドライフルーツ、そして柑橘類の果汁を使った甘酸っぱくてスパイシーな料理は富の象徴だったのだそうです。
スパイシーと言っても、当時多く使われていたスパイスはシナモン、ナツメグ、メース、クローブ、ジンジャーなどですので、唐辛子のようないわゆる辛い味付けではありません。 

ちなみに当時のイギリスの料理本には、バラの蒸留水を使うごちそうのレシピがたくさんありますが、そんなところもまた中東の料理と共通しているように思います。

パンがらみの余談ですが、当時のイギリスでは階級や富によって食べるパンも分かれていました。王侯貴族や富裕層が食べていたのは精製小麦の白くて柔らかい丸いパン、以下、全粒粉パン、全粒粉に雑穀がブレンドされたパン、雑穀パンと続きます。

私が全粒粉パンと初めて出会ったのは、中東料理と出会うよりもさらに昔のイギリス。100%の全粒粉ではなかったと思いますが、健康を意識する人たちや富裕層の方が全粒粉パンを選ぶ傾向にあったのが印象的でした(中近世とは反対に現代では全粒粉パンの方が高いですし、ね・・・)。

中東料理から脱線してしまいました・・・
今回写真にアップしたサンドイッチのソースは、中東(そして中近世のイギリス!)の味をヒントに、日本で身近に手に入る食材や和の食材を組み合わせています。ですので、まあフュージョンというか、オリジナルの味付けです。

私は辛い味は得意でないので、中近世のイギリス料理同様、スパイス類(シナモン・カルダモン・クローブ)を辛さではなく風味付けのために使います。中東のタヒニ(白ごまペースト)は入手しにくい食材ではないのですが、私は常備しているナッツのペースト(ピスタチオ、ピーナッツ、カシューナッツ、くるみなど)で代用。甘酸っぱいザクロソースの代わりにザクロビネガーを使い、レモンなどの果汁も加え、ドライイチジクやドライトマト、ナッツ類、パセリやコリアンダーなどのハーブ類もたっぷり、隠し味に白味噌を少々入れて、甘酸っぱく、かつ甘じょっぱくてスパイシーな中東の複雑な味にチャレンジしています。
 
たまにですが、バゲットを食べたくなる時は我慢せず、全粒粉50%を明記してくれているパン屋さんで買います。
こちらは自家製の大葉のペスト(pesto)におろしたキュウを混ぜたソースをはさんでいます。ペストにおろしたキュウリをしっかり和えると、とってもクリーミーなソースになるんです!

庭の2種類のレタスをたっぷり!
ホワイトアスパラをはさんで、大葉のペストとキュウリのクリーミーソースをかけました。
クリーミーソースにはレモン果汁も加えています。
カシューナッツで食感とコクをさらにUP!


こちらはアスパラなしのバージョン。
レタスだけで味が淡泊なので、キュウリより大葉のペストを多めにブレンドしています。


実は大葉は野菜の中でも食物繊維が豊富。ペーストにすることでたくさん摂ることができます。
一方、キュウリ100gあたりの食物繊維量は決して高くはありませんが、おろすことで大量に食べられるので、大葉との相乗効果を狙います。

ペスト(pesto)はジェノベーゼソースのこと。バジルではなく大葉を使っているためジェノベーゼ(ジェノバ風)ではないので、大葉のペストと呼んでいます。
大葉のペストとキュウリのクリーミーソースはパスタにも、もちろん合います!

大葉のペストの詳細はこちらから
https://note.com/wisdomjapan/n/n3af361130b17

長くなりついでに・・・自家製全粒粉パンを使ってスイーツも作ります。全粒粉100%で砂糖も使わないので、市販のスイーツよりは血糖値の上昇を抑えられるかな・・・。最近作ったこちらのスイーツは、ノーベイク(といってもパンは焼いていますね・・・)なのでやや低AGEと言えるでしょうか。日にちが経ってパサついたパンで作るスイーツです!

全粒粉100%パンのサマープディング。
庭のブルーベリーとブラックベリーの実をたっぷり使っています!
サマープディングについても語り始めると長くなるので、詳しくは別の備忘録で・・・

サマープディングには生クリームなどが添えられることもありますが、私は春に作ったローズジャムをトッピングしました。
ローズジャムについての備忘録はこちらから
https://note.com/wisdomjapan/n/n0bf17a4178f2

今回は珍しいことにちょっとお勉強系で始まり、いつもの脱線系で終わる超長編備忘録でした・・・

いつもの備忘録もご覧いただけると嬉しいです!
AGEsの発生を防ぐレシピや血糖値急上昇を抑えるサンドイッチの備忘録もあります。ネバネバ食材を使ったサンドイッチはこちらで紹介しています。
https://note.com/wisdomjapan/n/nc0a22ee7f60f


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