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長月のおうちビストロ 〜氷河湖畔の白ワインと秋の味覚〜

岩手旅行が終わったと思ったら、すぐに9月最後の週末となりました。
この週末は祖母の四十九日の法要でした。
さみしくはありますが、両親や親戚、そして、姪っ子達などと富山に集まって話すことができました。
また、今後のことについても、色々考える機会になりました。

葬儀のこと、お墓のこと、そして、どう生きるかということ。
人生後半の課題です。


さて、さて、今月の前半は残暑が厳しかったですね。
それでも、食材はちゃんと秋らしくなってきました。
ブドウにさつま芋、秋ナスなど。
白ワインは少しコクのあるものにスイッチしました。

今月のメニューはこちら!


焼きナスとニューヨーク州の白

焼きナスは夏も食べるが、香ばしい香りは秋らしい風味も感じる。
ナスの皮が焦げるくらいまでグリルで焼き、少し冷めてから皮を剥いて、一口大にカット。

薄切りの牛肉をニンニクスライスとともにフライパンで焼き、軽く塩コショウ。セロリは薄切りに。

これらを酢と醤油で和える。

ナスと牛肉の焼き漬け

翡翠色のナスと牛肉の焼いた香り、酢醤油とセロリの風味がさっぱりとして食欲をそそる。
毎年、初秋あたりに食べたくなり、何度かリピートしている料理。

これに合わせたのは、アメリカニューヨーク州のリースリング。

フォルジュ・セラーズ
リースリング・クラシック 2020

ニューヨーク州の北西部、かつて氷河が削った跡が細長い湖になっているフィンガー・レイクス。
その湖畔で作られたリースリングの白ワイン。

香りは開いており、柑橘類、洋梨、白桃の香り、わずかにリースリングらしいプラのような香り、ドライで飲み応えしっかりめ。

レーズンをたっぷり入れた人参とクルミのサラダ、チーズパンともバランスがよかった。

この日の前に、セロリが安く売られているのを発見して購入。
今回の料理のように生のままや、炒めものに入れたりして、たっぷり食べた。

これで300円
思わず購入

別の日には、蜂蜜、粒マスタード、塩、オリーブオイルを混ぜたドレッシングを作り、切ったトマトに絡めて、薄切りにしたセロリと合わせてサラダにした。
思い付きで、目分量で作った割に美味しかった。

トマトとセロリの
ハニーマスタードドレッシングサラダ


帆立の南蛮漬けとルガーナ

またナス入りの料理、今度は南蛮漬け。

食材を揃え、洗って切って準備。

帆立(冷凍)、長ナス、
ネギ(小口切り)、青じそ(細切り)

だし、醤油、みりん、塩を合わせて火にかけて沸騰したら、唐辛子の小口切りを加えてから冷まし、酢を加える。

長ナスは切れ目を入れて揚げる。

解凍した帆立ても軽く小麦粉をまぶして揚げる。
ナスと帆立は、用意しておいたタレに薬味とともに漬けて冷蔵庫で冷やす。

帆立とナスの南蛮漬け
冷やす手前
冷やして盛り付けたところ

この料理に合わせたのは、3月のおうちビストロでも紹介したイタリアのルガーナ。

アレグリーニ ルガーナ 2022

香りは開いており、白い花、グレープフルーツ、黄桃、杏の香り、キレイな酸味ながらボディはややしっかり、余韻の苦みがいいアクセント、やはり美味しい。

ルガーナは、かつて氷河が削ってできたガルタ湖の南の湖畔で作られている。

先程のニューヨーク州のフィンガー・レイクスも、ヴェネト州とロンバルディア州にまたがるこのガルタ湖も氷河湖である。

氷河湖の湖畔は、氷河が削った土壌が堆積するなどし、ミネラル感のあるワインが作られやすい印象。


ブドウのコンポートとさつま芋

9月に入ってから、スーパーの棚にずらりと並んだブドウ。
どれにしようか悩んで、巨峰の種無しを購入。

巨峰

これをコンポートにする。
レシピは↓こちらを参考に、砂糖は目分量で7〜8割に減らした。

ブドウを洗って房から外す。
鍋にお湯を沸かして、ブドウを入れて10数秒くらいで取り出す。
皮をつるりとむいて、その皮はとっておく。

ひと皮むけたブドウ

むいた果皮、水、砂糖、レモン果汁を鍋に入れて火にかけ、沸騰したら果皮は取り除く。
そこにブドウを加えて10分煮る。

ブドウのコンポート

果皮からの色素で、実もブドウ色に。
このままでもいいし、スーパーで見つけた牛乳寒天と一緒に食べても美味しかった。

皮ごと食べるのが難しい品種のブドウでも、このようにコンポートにすると食べやすい。

また、秋はさつま芋の季節でもある。
この時期には、さつま芋のレモン煮もよく作る。

さつま芋、レモン、シナモンパウダー(スティックがなかったので)、蜂蜜とメープルシロップ、白ワイン、水
が沸騰してから10分余煮る
完成

国産レモンで作って、さつま芋と一緒にレモンも皮ごと食べる。
甘さ控えめで爽やかな風味の初秋の味。

醤油麹づくりと赤ワインなど

岩手旅行の前、近所のスーパーで花巻市の「佐々長醸造」の醤油と麺つゆを見つけて思わず購入。

佐々長醸造のつゆと生醤油

花巻市の土沢商店街の一画にある佐々長醸造は、地元では親しみを込めて佐々長さんと呼ばれている。

東日本大震災の時、内陸にある佐々長さんは、沿岸部に物資を送る活動をされており、私もわずかながらその活動に関わったことがある。
また、津波の被害を受けた陸前高田の醤油屋を支援して一緒に醤油をつくったりもして、佐々長さんの取り組みは当時話題になった。

ある程度復興が進んでから、土沢商店街にも行き、佐々長さんの醤油蔵も見せてもらった。
明治39年(1906年)創業、老舗である佐々長さんでは、昔ながらの木桶で醤油を醸造していた。

この白い和紙の生醤油を見ると、あの木桶を思い出す。

岩手旅行から帰ってきて、東京も残暑が落ち着いたので、この醤油で久しぶりに醤油麹を作ろう。

まず、乾燥麹を細かく砕く。

そこに醤油を入れて混ぜる。

あとは3~4週間ほど常温でおいておき、醤油と麹がなじむのを待つだけ。

4日目でこんな感じ。
朝と晩に様子をみて、少し混ぜておく。

7日目。ちょっと汁っぽいか。
分量を再確認すると、醤油を入れすぎたかもしれない。
少し醤油を取り除くことにする。

醤油麹は、肉や魚を漬けておいて焼いて食べてもいいし、キンピラなどで醤油の代わりに入れると旨みが増す。
最初に作った時、カレーに入れたのもよかった。

今回はどう使おうか、3週間後が楽しみ。

特に、盛岡で購入した五枚橋ワイナリーの赤ワインは、この岩手の佐々長さんの醤油を使った醤油麹の料理と合わせたい。
うまくできたらご紹介しようと思う。

前回の記事で、エーデルワインの有料テイスティングをしたときに、チーズとソーセージと赤ワインを合わせたくなったと書いた。
それに近い組み合わせを自宅で実践した。

まず、ソーセージの専門店「もぐもぐ」へ行き、各種ソーセージを購入。

ボイルしたソーセージ、チーズ、ブロッコリーなど温野菜、クラッカーなどを並べた。(写真撮り忘れ)

この時、合わせたのは、何度もリピートしているイタリアトスカーナの赤ワイン。

トゥア・リータ ロッソ・ディ・ノートリ 2021

ブドウ品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、サンジョベーゼ、シラー、他。
カシスやブラックチェリーの香り、しなやかなタンニンとふくよかな果実味のバランスがよく、料理に合わせやすいミディアムボディ。
やはり美味しい。

ようやく、赤ワインが美味しい季節になった。
赤ワインを真夏に飲むと、どうしても飲み頃の温度帯より高くなりがちで、やっぱり少し涼しい方がいい。
これから赤ワインの出番が多くなる。


🍆     🍆     🍆


9月のおうちビストロいかがでしたか?

ここ数ヶ月、ナスと帆立の登場回数が多めですね。
子どもの時、ナスはぐにょっとした食感が嫌いでしたが、二十歳の夏にビールとナスが美味しいと思ってから、ナスが好きになりました。
帆立や牡蠣はもともと好きで、もう少しで牡蠣のシーズンも始まります。
この冬のおうちビストロには、きっと牡蠣も登場するはずです。

というわけで、今月のおうちビストロは少し短めです。
別途、企画している記事もあり、下準備は進んでいますがアップはあと数週間後になりそう。
ヒントは、7月のおうちビストロの記事に関することです😊

今回もお読みいただきありがとうございました🍷


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