「モノの多さ」=「不安の大きさ」
1年前のこと覚えていますか。流行り病が始まったとき、オイルショックのときのように「モノの買い溜め」が起こりました。
棚からトイレットペーパーが消えた。
この現象は、世界的に広まったようです。少なくとも日本でも一部買い占め騒動が起こっていた一方で、わたしの住むドイツでも、トイレットペーパーの在庫が無くなりました。
普通に手に入るようになるまで、1ヶ月程度かかったのは、記憶に新しいところです。でも、今は在庫も豊富にあり、品切れになることはないようです。
そうなんですよね。
1ヶ月も経てば、在庫は戻って来ていた。これが事実です。なのに大挙してみんなでスーパーやドラックストアに行って、争奪戦を繰り広げていたのは何故なんでしょうか?
振り返ってみると、家にトイレットペーパーの在庫、本当になかったでしょうか?全くない、お尻拭けない!という人は結果的には、実際には少なかったのではないかと思いますが、どうでしょうか。
人間、不安になると「モノを過剰に溜め込みたくなる」んですよね。改めて1年前を振り返ってみると、今回の流行り病の影響で、これがよく分かったんじゃないでしょうか。
過ぎたことは、忘れてしまいますけど、冷静に振り返ってみると、やっぱりそういう傾向がありそうです。
不安が大きければ大きいほど、モノに対する依存度が高くなって、結果、モノを溜め込んでしまう。実際、去年に比べたら、家の中にあるストックが増えたんですよね、っていうことあったりしませんか。
流行り病で買い物に行けなくなったら、どうしよう。
買いにいったら売り切れてなかったら、どうしよう。
みんな買いにいってるっていうじゃないか、どうしよう。
テレビでも買い占めやってるっていうし、どうしよう。
今でもそうですけど、報道等でも不安を煽られる毎日に、わたし達の生活は脅かされていますよね。今はそれほど、物資不足という情報は無くなりましたが・・・
あの頃は、本当にモノがなくなっていったのを覚えています。聞いたら、ストックはまだあるのに、買いに行く。今度買いに行くとき、いつもの2倍買いに行く。
こんな風に思って、備えて置くために、買い占めとまではいかなくても、「余分に買っておこう」っていう感じで、行動していたんじゃないでしょうか?
まぁ、不安になると仕方ないですよね。
「不安が大きい」→「モノが多い」ということは、裏を返すと「モノが多い」→「常に不安を抱えている」ということになるんじゃないでしょうか。
何かしらの不安を抱えているから、モノを手放せなくなって、モノを溜め込んでしまうということは、客観的にみてモノが多いということは、その人は大きな不安を抱えているということではないでしょうか。
確かに、実家のモノは多いのですが、常に不安を抱えているような言動が目につきました。これはあると思いませんか。
不安を解消するために、モノを手にして紛らわす、ということもあると思います。モノが手元にあれば落ち着く。なかったら、落ち着かない。そう感じてしまっても仕方ないのではないでしょうか。
だからモノが少ないということは、「不安も少ない」と見なすことはできないか、と思うんですが、どうでしょうね。
まぁ、わたしもモノが少ない方だとは思いますが、昔ほど「不安」を抱えていない自分がいることは事実です。「モノなくても、なんとかなるっしょ!」っていう感じで、日々を生きています。
それでは、また。