見出し画像

治療家の心得50【姿勢矯正のヒント】

今回は少し辛口かもしれませんが、そう受け取った方ほど有意義な内容になっていると思います。


矛盾の典型例

「姿勢矯正」は、私たちセラピストが受ける依頼の中でも、比較的多い部類になります。

・猫背
・ストレートネック
・足の組グセ
ゆが

多いからこそ、改善する方法を熟知している先生も比例して多いはずなのですが、意外と少ないというのが現実ではないでしょうか?

「何いってんだよ偉そうに」
という先生に向けて一例を紹介します。

<例:姿勢分析からのアドバイス>

患者さんに楽な姿勢を取っていただき、崩れている部位に対し
・座る時は骨盤を立る
・胸を張る
・アゴを引く
・筋トレをして
と伝える

よく耳にする情報ですが、⇧が矛盾していることに気づいたでしょうか?

「楽な姿勢を取れ」と伝えてるんだから、姿勢に悩んでいる方は崩れて当たり前なんです。

つまり、
「楽な姿勢でも崩れないようにする」のは、先生の仕事です。

たとえ自宅での過ごし方のアドバイスだったとしても、患者さんにとって楽じゃないことをやらせてどうするんですか?

姿勢はスパルタ方式では治らない

こんな話をすると、「辛いのは最初だけ」なんてことをいう方がいますが、本気でそんな事を言っているなら、失礼ですがセラピストには向いていないと思います。

姿勢はスパルタ方式では治りません。

もしそれで治ったという方がいるのなら、それは新たなゆがみで誤魔化されただけのことです。

理由は単純、「姿勢はバランスによって決まるから」です。

ジェンガというゲームをイメージすると、分かりやすいかもしれません。

上に積んでいくほどキレイではない形になりますが、上をととのえてしまうと崩れますよね。

仮に、
上を整えて崩れなかったのなら、それは他で微調整したからだと思います。つまり新たなズレを作ったということです。

患者さんに、スパルタ方式をアドバイスするとはそういうことなんです。

矛盾ループ

ヒトは辛いことなんて続けられません。
患者さんによっては、すでに一通りチャレンジしている可能性だってあります。

骨盤を立てなくてもキレイに座れる人はいます。
胸を張らない・アゴを引いていない理由はなんでしょうか?
筋肉がない人は、みんな姿勢が悪いのでしょうか?

先生の知っている情報や、やりたいことで話が進むと、患者さんは必ず矛盾のループにおちいります。

誤った情報が元で、かんたんに改善するはずだった体が、より複雑化してしまう患者さんは少なくありません。

それだけ、私たちの役割は重要なんです。

途中少し辛口にはなりましたが、姿勢矯正が苦手な先生は、「姿勢はバランス」という意識で、次のセッションに挑んでいただければと思います。

それではまた


今回は「姿勢矯正のヒント」についてご紹介しました。

来週も引き続き、「治療家の心得」を楽しみにしていただければ幸いです。
それではまた

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集