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#意味分節理論
レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(1) 空海の曼荼羅-「心」と『神話論理』を並べて深層意味論として読む
はじめに。空海の「心」と、「野生の思考」空海著『秘密曼荼羅十住心論』は、その名の通り「心」の十のあり方についての論として読むことができる。 『十住心論』を読む以前、私自身も現代人の素朴な常識に従って、”「心」のあり方は一つで、それは身体の脳神経か何かに還元して説明し尽くせるのではないか?”などというふうに考えていた。 しかし空海によれば、”心”の世界はもっと広大無辺である。 しかも、”心”は一個の身体を超えている。 * 『秘密曼荼羅十住心論』の第十住心「秘密荘厳住心
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意味分節理論とは(8) 意味分節システムを発生させる神話の「論理」を記述する -レヴィ=ストロース著『神話論理』を読みつつ考える
(今回のお話は上記の記事の続きですが、前回を読まなくても大丈夫です) * レヴィ=ストロース氏の「神話論理」を読む上で、個人的に非常に重要だと思っているところは「半-媒介者」の話である。 半-媒介。媒介ではなく、半-媒介。それはどういうことかといえば、媒介が「一方向においてのみ成功する」ということである。 媒介者(半、ではない媒介者)は、例えば天と地、地上と樹上、人界と地下世界などなどといった対立する二極の間で、一方から他方へ、他方から一方へ、行ったり来たりする。この
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