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批判に批判を重ねて時間を浪費しないために

どうも。藁科侑希(わらしなゆうき)です。
普段は大学教員やスポーツ現場でコーチやトレーナーをしております。
今日が636日目のnote投稿です。

本日はこちらの話題から。
あまりこういった類の内容は取り上げないようにしていたのですが、本日の食卓にて家族で諸々お話をしたこともあって。

自分の考えの整理のためにも、備忘録的に残しておこうと思って書き留めます。

●「問題点は何か」を取り違えない

本件、結論から言えば「吉野家取締役の方が、マーケティング講座のお話の中で、"不適切な表現・言葉遣いをした"」ということですが。

その内容が、あれよあれよと拡大解釈されていき。

・組織のトップは「老害」だ!
・自社に対する愛情がない
・男尊女卑も甚だしい!
・自分は何を言ってもいいと思っているのはひどい!
などなど…

どの批判も、確かにそうだな、と思う部分はあるのですが。
「ちょっと冷静に考えてみると、異なる観点もある」ということだけは、忘れない方がいいと感じているんです。

きっと、誰しもがこの方には「最低最悪の悪だ!そんな人にはどんな石をぶつけてもいいんだ!」として。
これまでの差別や問題はこういったところにあらわれる!と半ば、"風が吹けば桶屋が儲かる"的な感覚で論理を繋げようとしている節もあったりします。

少し擁護に捉えられるかもしれませんが、記事の内容などを精査していくと。
講座の中で、マーケティング戦略のターゲッティングを20-30代の女性に絞って、どう売り上げを向上させていくか、というお題に対して、不適切な発言があって。
その表現や言葉遣いは確かに不適切だとは思いますし、断じて許されることではありません。その点は同意します。
しかしながら、その観点や目の付け所として、マーケティングではとても重要な部分だったのではないかと思うんです。

正直に言えば、これまでの恨みを全てぶつけるかのような、インターネットやメディアのあり方にこそ、私としては疑問に感じるところなんです。

企業は業績を上げるために、どのような戦略をどんなターゲットに向けて施行するかが求められますよね。
この講座では、不適切発言ばかりが取り沙汰されていますが、肝心のその内容のクオリティはどうだったのか。
要するに、受講者が支払った受講料分の価値があると認識していたかどうか。こういった観点はすっぽり抜け落ちているんですよね。

このような"切り取られ"の報道や批判の集中、相互監視の社会ともいえる構造は、私としてはとても複雑に感じてしまって。

問題を事実だけ提起する側と、その問題を炎上させようとする人、炎上したところにさらに火を注ぎたい人、火が注がれているから自分も便乗しようとする人、そして炎上している話題に関連して「こんなこともあったよね!ひどいよね!」と全く異なる話題で盛り上がろうとする人…
こうした「人だかり」ができていくこと自体が、悪口や批判の集中を招いているのだと思っています。

●"連想ゲーム"が批判を助長する

特に最後の、「話題に出すから、そのことについて考える」ということが、噂や悪口をより大きくしていく構造だと思っていて。

こちらにも記載されているように、悪口は「仲間づくりコミュニケーション」と感覚的に捉えている方も多く、また"意図せず"話題に出すだけで、悪口の口火を切ることもあったりするんですよね。

悪いうわさがひろまりやすいのは,私たちが悪いうわさをしてしまうからです。しかし,悪口はとても危険です。いつ悪口が本人に伝わってしまうかもしれないし,「悪口をする人」というレッテルが貼られてしまうかもしれません。

そこで悪口は慎重に開始されるのです。自分から直接的に悪口を開始することは少ないのです。悪口を言いたい人は,最初にターゲットの名前を出し「あの人最近どうかしら……」とだけ言うのです。それを聞いたあなたは,つい「どうかしらって,あいかわらずわがままよね。昨日もこんなことあったの……」と始めてしまうのです。あなたは別に悪口を言うつもりはなかったのですが,形式的には悪口の口火を切ることになります。もちろんあなたがターゲットについて好意的な意見を言えば,相手は「あっそうなの」と言って別の話題に移ります。しかし,多くの場合あなたは相手にあわせて口火を切ってしまうのです。

そして,ひとたび始まった悪口は,新しい事実を付け加えたり,誇張されたりして,より悪い方向に進展します。参加者として可能な反応(図)は「挑戦」を除いて悪口を発展させる方向にしかありません。場の雰囲気をこわしたくなければ,みんなに好まれる反応を取らざるをえないのです。このようなコミュニケーションのメカニズムは,挨拶をされたら自動的に挨拶を返すのと同じように私たちの文化に組み込まれたものなのです。

公益社団法人日本心理学会ウェブサイトより
Eder, D.,& Enke, J. L.(1991). The structure of gossip: Opportunities and constraints on collec- tive expression among adolescents. American Sociological Review, 56(4),494-508.

以上を踏まえると、「話題に上げること自体」「ターゲットについて触れること自体」が、悪口や批判を助長させるスタートで。
それは、その人が意図しようがしまいが、始まってしまうものになるんですよね。

だからこそ、少し自分の中で飲み込んだり、受け取ったりして「思っておく」ことだけで済む問題がある一定数はあるのだと思っているんです。

●作品自体の価値を認識する

この吉野家騒動から始まった、批判の連想ゲームは、以前に話題に上がった"月曜日のたわわ"の新聞広告掲載や、日本赤十字社の献血広告で"宇崎ちゃんは遊びたい"への問題にまで議論が発展もしていて。
(下記参照)

正直、「関係なくない?」と思ってしまう部分もあって。
こじつけや、論理的にかなり飛躍した部分もある気がしているんです。
感情と事実を混同している意見も。
また、自分が嫌いだから「悪」、好きだから「善」のような短絡的な考え方も…

↑この方のおっしゃるように、責任の主体がどこか、に論点がいくのはわかるのですが。
ある一定数「この作品はけしからん!」「こんな作品は認めない!」のような作品への批判も多く見受けられて。

『作品に価値があるかないか』を議論する場面でない場合に、そこまで言及しきってしまう人が大勢いることに、とても残念な気持ちが拭えません。
ただ一つ言えることは、作品自体に悪意があるわけでもないですし、ネット上で言われているような思想誘導のようなものがあるわけでもないんですよね。

そんなことを言ってしまうと、作品を創るクリエイターさんの自由がどんどんと失われて、素敵な作品が今後つくられなくなる可能性だってあります。

配慮という言葉が適切かどうかはわかりませんが。
最終的にこれらの批判の集中や炎上が影響を与えるのは、作品の作者さんであり、それを楽しみにしている受け手(上記ツイート上では"オタク")なんですよね。

●噂や批判に惑わされない自身の軸を養う

色々と書いてきましたが、一言でこのかた↑ がツイートで簡潔にまとめてくださっています。

批判の対象を取り違えないこと。
問題を広げすぎないこと。
自分たちの論理だけで話をするだけで、情報の精査を放棄しないこと。

これらを軸に、自身の考えや想いを持って、熱し易く冷め易い、悪口陰口批判のオンパレードのインターネット社会に立ち向かっていきたいなと思っております。

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今日はここまで。636日目おわり。
最後までお読みいただきありがとうございました!

それではまた明日。
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 博士(スポーツ医学 筑波大学)
 日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
 日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
 日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
 日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
 NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
 NSCA認定パーソナルトレーナー
 高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
 中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
 赤十字救急法救急員

【現在の大学担当授業】於:東京経済大学・千葉大学・東洋大学
 <体育実技>
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  ●健康の科学a ●健康の科学b ●スポーツとの出逢い

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