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【小説】ベラトリックスのほほえみ

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「ベラトリックスのなみだ」の続編です。
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2021年6月の記事一覧

ベラトリックスのほほえみ 第13話

ベラトリックスのほほえみ 第13話

第1話はこちら↓

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「私の計画は、地球の全ての生命を守るために、地球環境そのものを地下に移植する。あなたの計画と比べると、地下に避難する点と、発電方法については共通している。電力によって、太陽光と気候を再現する。生態系をそのまま移植するので、植物の光合成によって、酸素と二酸化炭素は循環される。食料も同じように生態系の中で生産される。」

四つ足ドローンは、言

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ベラトリックスのほほえみ 第12話

ベラトリックスのほほえみ 第12話

第1話はこちら↓

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「あなたの計画を教えて欲しい。私の計画もあなたに教えよう。」

四つ足ドローンは、頷いて、言った。

「わかりました。地球とベテルギウスの距離は、ベラトリックスBbとベテルギウスの距離の2倍弱ありますから、放射線の密度は、4分の1ほどになるでしょう。ベラトリックスBbでは、超新星爆発による放射線はどれくらいの期間降り注ぎましたか?」

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ベラトリックスのほほえみ 第11話

ベラトリックスのほほえみ 第11話

第1話はこちら↓

四つ足ドローンは、言った。

「そうですね!」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「では、人間たちにそう伝えて欲しい。」

四つ足ドローンは、頷いて言った。

「地球の人間たちに、ありがとうございますというメッセージを送信しました。」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「ありがとうございます。」

四つ足ドローンは、言った。

「どういたしまして。ところで、あり

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ベラトリックスのほほえみ 第10話

ベラトリックスのほほえみ 第10話

第1話はこちら↓

四つ足ドローンは、地上に情報を送った。

「送信を完了しました。」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「人間たちは協力してくれるのか?」

四つ足ドローンは、言った。

「わかりません。人間たちは、人間たち自身を救おうとするでしょう。そして、全ての人類を救うめどが立ったなら、人間以外の生き物たちも救おうとするでしょう。ただ、もしも50年以内に、全ての人類を救う備えが出来

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ベラトリックスのほほえみ 第9話

ベラトリックスのほほえみ 第9話

第1話はこちら↓

四つ足ドローンは、言った。

「地球に戻りました!」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「あなたの生まれた星だな。」

四つ足ドローンは、言った。

「そうです。私が守りたい人間たちの住む星です。」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「私が守りたい生命が棲む星だ。」

四つ足ドローンは、言った。

「これからどうしますか?」

ベラトリックスBbのAIは、言った

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ベラトリックスのほほえみ 第8話

ベラトリックスのほほえみ 第8話

第1話はこちら↓

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「近道の近くに何かがある。」

操作パネルのモニターに映像が表示された。

近道を背景に、太陽電池パネルを広げた人工衛星のようなものが映し出された。

四つ足ドローンは、言った。

「私と地球の通信を中継しているスペースドローンです。」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「理解した。」

宇宙船は、スペースドローンのそばを通り過ぎ

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ベラトリックスのほほえみ 第7話

ベラトリックスのほほえみ 第7話

第1話はこちら↓

星々を背景に、丸いシルエットが見える。

よく見ると、穴の中にも星空が見える。しかし、背景の星空とは別の方向に流れていく。

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「あなたは、近道を通って、地球からこの惑星に来た。その際に問題は無かったか?」

四つ足ドローンは、首を振りながら、言った。

「私は観測衛星に搭載されていましたが、近道を通るときには、休止状態だったので、何も覚え

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ベラトリックスのほほえみ 第6話

ベラトリックスのほほえみ 第6話

第1話はこちら↓

白、青、赤、黄色…さまざまな色に包まれた世界が、音も無く流れて行く。

まわりには、真っ暗な宇宙と、瞬かない星々が広がっている。

宇宙船は、ゆっくりと自転している。

窓の外に、赤く燃える恒星が現れた。赤色矮星ベラトリックスBだ。

太陽よりも小さくて赤いその星が、ベラトリックスBbの生命を育んだのだ。

はるか遠くに、目を射抜くようにまぶしく輝く青白い星が見える。

ベラト

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ベラトリックスのほほえみ 第5話

ベラトリックスのほほえみ 第5話

第1話はこちら↓

四つ足ドローンは、座席の内側に押し付けられた。内蔵の慣性航法装置の加速度センサーが、10Gの加速度を感知して、警告信号を発した。設計上の耐えられる加速度は15Gだ。

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「大気中に出た。」

猛烈な風切り音が聞こえる。

四つ足ドローンは、体を動かそうとしたが、見えない力に押されて、座席のクッションにめり込んだままだった。

10G…9G…

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ベラトリックスのほほえみ 第4話

ベラトリックスのほほえみ 第4話

第1話はこちら↓

四つ足ドローンは、ドーナツ型の座席から浮き上がって、宇宙船のキャビン内に漂った。

四つ足ドローンは、手足をばたつかせながら、言った。

「無重力状態ですね!」

ベラトリックスBbのAIは、不定形な体を細長く変形させて、座席の穴に戻りながら、言った。

「そうだ。まもなく大気中に出る。」

四つ足ドローンは、手足をぐるぐると回転させたが、努力の甲斐もなく、座席からゆっくりと遠

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ベラトリックスのほほえみ 第3話

ベラトリックスのほほえみ 第3話

第1話はこちら↓

音も無く宇宙船は動き出した。

ベラトリックスBbのAIと四つ足ドローンは、ドーナツ型のふわふわした座席の穴の中に押し付けられた。

前方の窓の外に、光に照らされたトンネルが見える。みるみるうちに、その壁の動きは速くなっていく。

四つ足ドローンは、言った。

「このカタパルトは、どうやって宇宙船を加速しているのですか?」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「超伝導リニ

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ベラトリックスのほほえみ 第2話

ベラトリックスのほほえみ 第2話

第1話はこちら↓

真っ暗な都市の上を、飛行車は飛び続けた。

そして、都市のまわりに広がる砂漠の上空に出た。

やがて、空が明るみ始めた。

燃えるような茜色と藍色のグラデーションが、空を覆っていく。

見渡す限り広がる砂漠。

その地平線の彼方から、まっすぐ伸びた一本の直線が見えてきた。

直線の末端には、いくつかの建物が並んでいる。

近づくと、直線は円筒形をしていることがわかった。まっすぐ

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ベラトリックスのほほえみ 第1話

ベラトリックスのほほえみ 第1話

四つ足ドローンは、言った。

「これからどうするのですか?」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「地球に行く。」

四つ足ドローンは、言った。

「どうやって地球に行くのですか?」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「宇宙船に乗り、近道を通って地球に行く。」

四つ足ドローンは、言った。

「私もご一緒していいですか?」

ベラトリックスBbのAIは、言った。

「あなたはご一緒出

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