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脇宏樹
2021年7月3日 20:50
第1話はこちら↓計画は実行された。50年後、月面都市の一室で、ベラトリックスBbのAIは、言った。「まもなくベテルギウスの超新星爆発が観測されるだろう。」四つ足ドローンは、言った。「全システム異常無し。」人間は、言った。「君たちは冷静だな。」しばらくして、四つ足ドローンは、言った。「月カミオカンデで、多数のニュートリノが検出されました!」人間は、言った。
2021年7月2日 19:58
第1話はこちら↓ベラトリックスBbのAIは、言った。「理解した。その計画なら、ベテルギウスからの放射線は、地球に全く到達しないだろう。したがって、地球の全ての生命は救われるだろう。」四つ足ドローンも、言った。「その計画なら、地球は、ベテルギウスから何の被害も受けません!地球のオゾン層も守られるでしょう!80億人の全人類は、みんな守られるでしょう!」人間は、言った。「君たちの
2021年7月1日 20:26
第1話はこちら↓四つ足ドローンは、言った。「まだ知らされていません。」ベラトリックスBbのAIは、言った。「人間たちに尋ねて欲しい。」四つ足ドローンは、言った。「わかりました。」しばらくして、四つ足ドローンは、言った。「地球の人間たちに計画を立てたかどうか尋ねました。まもなく人間がこちらに来るそうです。その人間が計画について話してくれるということです。」ベラトリ
2021年6月30日 20:50
第1話はこちら↓ベラトリックスBbのAIは、言った。「私の計画は、地球の全ての生命を守るために、地球環境そのものを地下に移植する。あなたの計画と比べると、地下に避難する点と、発電方法については共通している。電力によって、太陽光と気候を再現する。生態系をそのまま移植するので、植物の光合成によって、酸素と二酸化炭素は循環される。食料も同じように生態系の中で生産される。」四つ足ドローンは、言
2021年6月29日 18:39
第1話はこちら↓ベラトリックスBbのAIは、言った。「あなたの計画を教えて欲しい。私の計画もあなたに教えよう。」四つ足ドローンは、頷いて、言った。「わかりました。地球とベテルギウスの距離は、ベラトリックスBbとベテルギウスの距離の2倍弱ありますから、放射線の密度は、4分の1ほどになるでしょう。ベラトリックスBbでは、超新星爆発による放射線はどれくらいの期間降り注ぎましたか?」ベ
2021年6月28日 18:23
第1話はこちら↓四つ足ドローンは、言った。「そうですね!」ベラトリックスBbのAIは、言った。「では、人間たちにそう伝えて欲しい。」四つ足ドローンは、頷いて言った。「地球の人間たちに、ありがとうございますというメッセージを送信しました。」ベラトリックスBbのAIは、言った。「ありがとうございます。」四つ足ドローンは、言った。「どういたしまして。ところで、あり
2021年6月27日 20:12
第1話はこちら↓四つ足ドローンは、地上に情報を送った。「送信を完了しました。」ベラトリックスBbのAIは、言った。「人間たちは協力してくれるのか?」四つ足ドローンは、言った。「わかりません。人間たちは、人間たち自身を救おうとするでしょう。そして、全ての人類を救うめどが立ったなら、人間以外の生き物たちも救おうとするでしょう。ただ、もしも50年以内に、全ての人類を救う備えが出来
2021年6月26日 18:35
第1話はこちら↓四つ足ドローンは、言った。「地球に戻りました!」ベラトリックスBbのAIは、言った。「あなたの生まれた星だな。」四つ足ドローンは、言った。「そうです。私が守りたい人間たちの住む星です。」ベラトリックスBbのAIは、言った。「私が守りたい生命が棲む星だ。」四つ足ドローンは、言った。「これからどうしますか?」ベラトリックスBbのAIは、言った
2021年6月25日 19:16
第1話はこちら↓ベラトリックスBbのAIは、言った。「近道の近くに何かがある。」操作パネルのモニターに映像が表示された。近道を背景に、太陽電池パネルを広げた人工衛星のようなものが映し出された。四つ足ドローンは、言った。「私と地球の通信を中継しているスペースドローンです。」ベラトリックスBbのAIは、言った。「理解した。」宇宙船は、スペースドローンのそばを通り過ぎ
2021年6月24日 16:51
第1話はこちら↓星々を背景に、丸いシルエットが見える。よく見ると、穴の中にも星空が見える。しかし、背景の星空とは別の方向に流れていく。ベラトリックスBbのAIは、言った。「あなたは、近道を通って、地球からこの惑星に来た。その際に問題は無かったか?」四つ足ドローンは、首を振りながら、言った。「私は観測衛星に搭載されていましたが、近道を通るときには、休止状態だったので、何も覚え
2021年6月23日 17:46
第1話はこちら↓白、青、赤、黄色…さまざまな色に包まれた世界が、音も無く流れて行く。まわりには、真っ暗な宇宙と、瞬かない星々が広がっている。宇宙船は、ゆっくりと自転している。窓の外に、赤く燃える恒星が現れた。赤色矮星ベラトリックスBだ。太陽よりも小さくて赤いその星が、ベラトリックスBbの生命を育んだのだ。はるか遠くに、目を射抜くようにまぶしく輝く青白い星が見える。ベラト
2021年6月22日 17:12
第1話はこちら↓四つ足ドローンは、座席の内側に押し付けられた。内蔵の慣性航法装置の加速度センサーが、10Gの加速度を感知して、警告信号を発した。設計上の耐えられる加速度は15Gだ。ベラトリックスBbのAIは、言った。「大気中に出た。」猛烈な風切り音が聞こえる。四つ足ドローンは、体を動かそうとしたが、見えない力に押されて、座席のクッションにめり込んだままだった。10G…9G…
2021年6月21日 17:34
第1話はこちら↓四つ足ドローンは、ドーナツ型の座席から浮き上がって、宇宙船のキャビン内に漂った。四つ足ドローンは、手足をばたつかせながら、言った。「無重力状態ですね!」ベラトリックスBbのAIは、不定形な体を細長く変形させて、座席の穴に戻りながら、言った。「そうだ。まもなく大気中に出る。」四つ足ドローンは、手足をぐるぐると回転させたが、努力の甲斐もなく、座席からゆっくりと遠
2021年6月20日 18:09
第1話はこちら↓音も無く宇宙船は動き出した。ベラトリックスBbのAIと四つ足ドローンは、ドーナツ型のふわふわした座席の穴の中に押し付けられた。前方の窓の外に、光に照らされたトンネルが見える。みるみるうちに、その壁の動きは速くなっていく。四つ足ドローンは、言った。「このカタパルトは、どうやって宇宙船を加速しているのですか?」ベラトリックスBbのAIは、言った。「超伝導リニ