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matou

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東京とロンドンに其々住む20代女子がゆるりと綴る交換日記。美術に触れたとか、四季を感じたとか、刹那的なのとかなんでも。
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欲しいものは欲しいと云った方が勝ち

松の内は江戸時代までは15日程度までとのことだったので、考え方によってはまだ言っても良いようです。「あけましておめでとう」!   おゆちゃんは自然の風に吹かれている時分でしょうか。そして若葉ちゃん、近況をどうも有り難う。どうか無理なく。わたしの方は10月からの職場も試行錯誤しながら淡々と愉しくWFH(Working from home)に勤しむ日々です。今年のResolutionsについてはBlancarte Letterで購読者の方々にお送りしようと思ってます。 明日

自己理解が乏しい人間の吐露

あけてしまいました、2020。ずっと頭にあるのに、なかなかmatouを書けていなかったのですが、結局いつもどおりつれづれなるままにまずは書き出そうと思い手を動かしています。 文字が滑る現象とその顛末妄言・戯言の類だと分類してほしいのですが、今回はお二人に出会う前の前職退職時の話をしたいなと思います。まえ少しおゆちゃんには話したのですが、むしろその話せたという事実が実在たらしめたと思い、今回は書き出しています。 前職をやめるとき、表向きには「区切りがついたから」「自分がやり

サジェストされた世界から出よう

仕事がリモートワークになって久しい。 東京都で外出自粛要請が出てから、外にでることで身体にもたらされる抑揚のある日々が、14畳ほどの部屋の中で真っ平らに、滑らかに進んでいくようになった。窓枠を通して外を見ると、時折下船することを許された、潜水艦の中にいるような気分だ。 私自身の根が内向的なのも手伝って、すぐにその環境に順応し、かつての生活とは違うリズムを生み出せるようになった。通勤をすることで生まれるノイズを排除すると、日常の細かなところに目が行く。 例えば、もっと柔

前に進んでいる、という感覚

アルコール中毒 a.k.a アル中を指す英単語 alcoholic から抽出された接尾語 -aholic; ァホリック。嗚呼と思ったけれどまあよかった。買い物中毒を表す shopaholic も例外ではない。本帰国に堰を切られたかように買い物をしている。やれDiorだ、やれSKIIだ、やれCLARINSだ。ぽちぽち。画面のバケツに入っていくのは終始スキンケアプロダクトだった。ぽちぽち。接尾にある ァホリック がぐわんと響き、仕舞いに致命的な響きに聞こえてくる。ショッッッパ「ァ

行動と思想のバランス

おゆちゃんからの日記が届いてからもう季節が2つ進んでいるようで驚いています。毎回お元気ですか?からはじめてしまう遅筆だけれど、お二人宛となると妙に緊張しつつ一方で話したいことが溢れて来るから不思議です。 ベッドに張り付こうとする彼女と起き上がる私私の行動は社会と周りからの視線を意識しています。 私はそれらに敏感で臆病なので、少しでも外れるような動きはしません。 一方で、私の思想はすごく自由です。ただ自由すぎると周りから不安視されるので良識の範囲を超える思想を”彼女”と呼び

籠るけれど世界に開く一年

新年、明けましておめでとうございます。 相変わらず、テキストが苦手な私ですが、今年も頑張ってnote更新します。本年もどうぞ宜しくお願い致します。 2019年を振り返って昨年は折り合いのつけ方、バランスの取り方に苦戦した一年でした。 仕事に全フリになったり、勉強に全フリになってしまったり、お花のことに全フリになってしまったり、家族の発覚、恩師の死から立ち直れなかったり。今まで生きていた中で一番「人間らしい」生き方だったのではないかと感じています。成果を上げるでもなく、無駄な

「異国で異邦人として生きることを恐れない」と書いた2019年をロンドンで振り返る

書いては消してをもう2回。下書きのまま置いてけぼりにした文字数はゆうに6,000字を超えている。後戻りし放題のパソコンで文字を打つときは手書きのそれと違うせいか、書いても書いても中身が詰まってこないことがある。 2人とも息災でした?ロンドンはすっかり寒い、暗い、永いの三重苦の冬になりました。 異邦人として過ごすロンドン 〰 いきなりですが、師走ということで。そういえば今年の初めにブログにこんな目標を書いていまして。 異国で異邦人として生きることを恐れない、2019年とな

転がされてる、ころころと。それなのにこの心地よさは

季節はめぐり無事に結婚式や家族旅行等目まぐるしい非日常が終わりましたよ、お二人はお元気ですか? 以前碧ちゃんが東京に来た時、ドトールで語ったように自分がまさか結婚するなんて思わなかったし、指輪を買ったり、挙式をするなんて思いもよらなかったです。そういう形式の型にはめられることに対してひどく抵抗があった私がなんのはずみか転がりはじめ、あれよあれよと進んだ事の顛末と今の気持ちを2人にあてて綴らせてください。 ■リングはなぜリングなのか一緒にいる時間が心地よいならば、この関係を

本当に守りたいもの

またまた沢山の時間が経ってしまいましたが、懲りずに宜しくお願い致します。 偏見に嫌悪する 若葉ちゃん、ご結婚おめでとう。 近々GRIDに行って細やかなお祝いをさせてください。 刷り込まれた価値観で相手のことを測ってしまっていて、振り返るとゾッとする瞬間ってあるよね。そこにちゃんと気が付いて、自分を振り返って正す力に感心しました。 6月のある晴れた朝に100パーセントの男性に出会うことについて 碧さんの軽妙洒脱な文を見て、益々磨きがかかった言葉に、勝手に安心したような気持ち

6月のある晴れた朝に100パーセントの男性に出会うことについて

■元記事:http://midoritokioka.com/2019/06/onseeingthe100perfectmanonebeautifuljunemorning/ とにかく科白は「昔々」で始まり、「悲しい話だと思いませんか」で終わるその人は昔、何歳だかの誕生日に〈最高のプレゼント〉をくれた。 「くれた」という表現は些か誤解があるからバックスペースを3回押したあとで「受け取った」と打ち直すのが正しいのかもしれない。ただそのシチュエーションは重要でないから「受け取っ

偏見に嫌悪する

ながらく交換できてなくてごめんw 懲りずに改めてよろしくお願いします。 マガジンタイトル「matou」、色々と吐露してしまうネーミングよね。 今回は自分を見失ってしまった私の、漏れだすような気持ちをつらつらと書かせてください。 ■biological kid’sきっかけは、たぶんこの事件。5月に2週間ほど、Seattleに行ったときのこと。事件に進む前に、まず舞台であるSeattleについても話させてください。 2010年からの約1年、当時20才だった私が住む場所として

放心状態になるまで駆け抜けた、

標本リサーチで訪れた漢方の施設。 研究所の文献が一々可愛らしい。 このプロジェクトは完結できていないので頑張らなきゃ。甘えてばかりで申し訳ない。 Sawakoさんに、SONY CSL OPEN HOUSE にお誘いいただいて、感覚拡張や身体拡張について触れた。研究者への憧れが増していく。 個人宅にて行われる、月一の出稽古。 移ろう光と、交差点。 恋人とみた、「2018年のフランケンシュタイン」、DNA BLP。 日常的にDNA落としまくってることへの恐怖心もあったな

獣ゆく細道への形而上的あこがれ

ふたりからの日記(もはや月記?)を待つあいだ、倫敦は景色が変わりました。白くなったよ。朝と晩の気温は5度まで下がり、白藍が占める空のもと、日向と日陰の境が曖昧になった。「日向を歩けばブリティッシュ」「日陰を歩けばスパニッシュ」ーーー、窓を眺めてそんな区別をつけることももう難しくなりました。 大事な人は日本へと戻っていき、気づけばわたしはいちにちを太陽よりも先に始めるようになりました。 6.00am(気づけばコロンの代わりにピリオドを使うようになったのも倫敦に来てからだ)。

本屋を街に溶かすゲーム

自転車での移動が楽しい気候が続き嬉しい毎日です。 つい気持ちいいから、遠回りをしたり通ったことのない路を走ったりしています。 ふたりはどう?最近、孤独を愛せてる? by 碧ちゃん 走行中の最近のブームは、「本屋を街に溶かす」こと。 碧ちゃんにこの質問をもらい思い浮かんだこのゲームを今回はご紹介しようかと思います。 <ルール> メインの業種にプラスして本が販売できる世界になったら、この店はどの本を販売するか。を妄想するだけ。 例えば、、、 表参道にある役者の稽古場。いつ