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短歌ができるまで

短歌ができるまでの過程は、その時々で違うけれど、創作をあきらめそうなあなたに向けて、ひとつの方法を紹介します。

私が参加している短歌部では、2週間に一度、お題にそった短歌を発表します。発表会の最後に、次の回のお題が出されます。
なので、発表会が終わったら、次の2週間後の発表会に向けて、お題にそった短歌を作ることになります。

お題を聞いて、瞬時に短歌が浮かぶことは……どうなんでしょう。そんなことが出来たらいいな、と思いますが、お題を聞いた途端に、あっという間に短歌が出来たことはありません。

大体は2週間、めいいっぱい使って、うんうん頭の中からひねり出します。机に向かってアイディアが出ることは稀です。歩いている時と、ベッドの中で目をつぶってから寝るまでの時間が多いかな。

ここでも、すんなり短歌の形になることはほとんどありません。上の句の575だけとか、下句の77だけとか、または全く文字数が合わない不定形な言葉のかたまりが浮かびます。

一応、そこでも短歌の形になるように試みてみるのですが、大体はうまくいきません。

ここが一番、創作をあきらめそうになるタイミングではないでしょうか。

何の言葉もつむげない自分が嫌になっちゃうんですよね。あー、才能ないな。私には駄作しか作れないんだ、と。

でも粘って、2週間考え続けます。
すると、短歌の卵がある程度集まります。不揃いかもしれないけど、孵化する可能性を秘めた卵たちです。

その子たちを、お腹の下で温めたり、手のひらで包んだりして愛情をかけます。一生懸命向き合います。この世に生まれてきてほしいと願います。

すると2週間目を目前に控えたある瞬間に、急に殻にヒビが入って、そこからはあっという間に短歌が孵化します。

家でじっと孵化を待つのが辛い時もあります。そんな時は、卵を抱えて友だちに会ったり、本を読んだり、お気に入りの場所に行ったりします。

自分自身がぽかぽかした気持ちになると、卵が孵りやすくなります。

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