マガジンのカバー画像

日本語

35
日々の授業のことや学生のことなど、日本語に関する記事をまとめました。
運営しているクリエイター

記事一覧

強烈に印象に残るなら、笑われてもよしとする

今日の文法は「~だらけ」だった。 泥だらけ・埃だらけ・間違いだらけなどが出てきた。 文法が終わって次の活動に入ったときだった。日本の地名について説明する必要があった。私は、教室の床に直置きしてある日本地図のパネルを使った。 見やすいように高く掲げて、元に戻そうとしたとき手が滑った。次の瞬間、私はパネルの埃を頭から被った。 私は、パネルを見つめて一言放った。 「もう!この地図、埃だらけ!!」 学生は大喜び。 たぶん、「埃だらけ」はインプットされたであろう。 お疲れ。

日本語を勉強している人のために

スタエフで日本語を学んでいる人のために何か発信したいと考えていると、昨日の記事で書いた。 内容は、何がいいだろうか。慣用句、オノマトペ、日本の文化について、あまり長くなく、やさしい日本語でできたらいいと思っている。 対象とする日本語のレベルは、日本語能力試験(JLPT)のN3またはN2ぐらいがいいだろうか。 何をどんな順序で? 例えば、オノマトペなら…。 今日のオノマトペは「にっこり」です。 「にっこり」、聞いたことがありますか? 意味はわかりますか? 例文です

授業中に心の声が・・・

先週の語彙の時間はオノマトペだった。 「ごろごろ」のところで、うっかり言ってしまった。 はっ、と気が付いた時には遅かった。 学生が口々に言う。 「今、先生なんて言った?」「最高って言った?」「うそでしょ?」 へへ。ふふ。あはは。にまー。 なんか、笑いが教室中にじわーっと広がっていくのを感じた。 恥かしくなって、教科書に視線を落とすふりをして、下を向いた。 今日も記事を読んでくださりありがとうございます。 また、次のnoteでお会いしましょう。

やさしい日本語落語

明日の文法の例文に「落語」という言葉が含まれている。 絵だけ見せても、留学生には何のことやら。 さて、どうしよう。やさしい日本語で説明する? AIのCopilotに質問してみた。 「落語とは何か、小学3年生にもわかるやさしい日本語で説明してください。」 ー 以下、Copilotの回答より引用 - 落語の歴史と起源: 落語は、江戸時代に始まりました。当時、戦国大名のそばに仕える「御伽衆(おとぎしゅう)」と呼ばれる人々が、話の相手や世情を伝える役割を果たしていました1。

オノマトペ処方展へ行ってきました

先週の金曜日の休み時間空けのことだった。 学生が満足そうな笑顔で私に言った。 「先生~、お腹パンパン!」 「ん?😊 ごはん、食べてきたの?」 「はい!😊」 「あ~、お腹、パンパン!」 なんて、愛くるしい「パンパン」の使い方だろうと私は思った。 彼女がこの先も日本で暮らしていくならば、このオノマトペを使ったコミュニケーション能力は強みになるだろうなと思った。 とても場が和むし、気持ちが伝わってきて、もうそれだけで彼女の印象がとても良くなる。進学するにせよ、就職するにせ

暑かったので窓を開けて授業をしていました|#なんのはなしですか

あの日はまだ4月の上旬だというのに 暑かったんです。 学生が言いました。 先生、窓を開けてください 暑いです そうですね 暑いですね 開けましょう 外の音がうるさかったら、言ってくださいね エアコンにしましょう 先生、いいにおい! ほんとだ いいにおいがします お腹、すいた 先生もすきました(笑) あと、30分(で、授業は終わる) がんばりましょう あ~、いいにおい お肉が焼けるにおいかな? 香ばしい ??? (「香ばしい」と言ったような、気がする) (

迷信-2

中国の学生に教えてもらった迷信。 「右目のまぶたが痙攣するのは、不幸になる暗示」 「左目のまぶたが痙攣するのは、金持ちになる暗示」 左右で吉凶が分かれているそうだ。 今度、まぶたが痙攣したら、ちょっと気になるかも。 ★おまけ★ 画像を作っていたら、こんなのが出てきたので・・・。 よろしければ、こちらもどうぞ。 ここまでご覧いただきありがとうございます。 また次のnoteでお会いしましょう。

新学期

昨日から日本語学校の4月期が始まった。 初日は教科書を配ったり、予習の仕方の説明をしたりする。 さらに、評価項目の説明などのオリエンテーション、自己紹介シートの記入、目標設定など、やることてんこ盛り。 そのうえ授業も2コマあるので大忙しだ。 けれども受け持ちのクラスは初級が終わって、中級レベルに入ったばかりのクラスなので、あまり早口で話すわけにはいかない。 語彙もコントロールが必要。 過去に教えたことがある学生が一人もいない、全員はじめましてのクラスなのでまずはどれくら

留学生

授業中Sさんが、ノートに一生懸命何やら書いている。 熱心だなぁと思いつつも、何か違和感を覚え、机間巡視するふりをしてSさんの席に近づく。 背後からそっとノートに目を向ける。 ん?んん? これって・・・ ノートの下にメニューらしきものが見える。 「Sさ~ん、今、それ書かないでください。授業中です。」 「先生、すみません」 ♢ 休み時間。 「先生、焼き鳥の名前、わかりますか? 難しいです。  ぽんじり・かんむり・せせり・・・」 「むずかしいですね。アルバイトですか?

卒業式の呼名

普段、出席を取る際、学生の名前はフルネームでは呼ばない。 ファーストネームに「さん」付けして呼ぶことが多い。 卒業式での呼名はフルネームで読み上げる。 昨年の卒業式の10日ほど前だったと思う。 呼名の呼び方の確認と練習として、クラスで一人一人の名前を読み上げた時のことだった。 「先生~、そんな発音で呼ばれても誰のことかわかりません。ちゃんとベトナム語の発音で読んでください!」 いつも、私に厳しい要求(半分冗談が混じっている)をつきつけてくる学生が真顔で言う。 「え~~

聴解問題から得たご当地スイーツ情報

この前の土曜日(3月2日)にこのような記事を書いた。 今日は、聴解問題の授業準備をしていたら、とても面白い情報をゲットしてしまった。 「変わった味のソフトクリーム」という内容だった。 果物を使ったソフトクリームはよくあるが、その土地の食材を使った変わった味のソフトクリームとして、四国のうどんそっくりなソフトクリームというのが紹介されていた。しかも、ネギまでトッピングされているという。 ソフトクリーム好きの私としては、気になって仕方がない。 検索してみると、出てくる出てく

読解問題に教えられたこと

先週、読解授業で扱った文章を読んでいてハッとさせられた。 他人と比べるのではなく、少し前の自分と比べる・・・。 これは、学生のみならず自分にも必要なことだと思えた。 ♢ 長文の日本語を見ただけで嫌悪感を持つ非漢字圏の学生は多い。 中には「どうぜ読んでもわからないから」と言って最初から諦めモードになる学生や頑張って読もうとするも、漢字や語彙が分からず読み進められなかったり、眠気に襲われたりする学生もいる。そんな彼らにいかに興味関心を持ってもらうか、どのように解説していくか

作文コンテスト

私が勤めている日本語学校では、大きなイベントの一つとして「作文コンテスト」というものがある。 全校の学生が2コマ(90分)使って決められたテーマで作文を書く。 テーマは当日3つ提示され、その中から一つ選んで書く。 規定の字数が書けていればいつもより少し早く帰ることができるので、早く帰りたい学生は必死だ。 中上級以上のクラスともなると800字以上1200字の作文を書かなければならない。作文が苦手な学生にとってはとても大変だ。 字数を増やすために学生がやりがちなのは・・・

餃子は餃子でも・・・コピペ作文より

日本語学校で作文の宿題を出すと、どこかで仕入れた(たいていはネットで)あるいは、本などで調べたものからコピぺ作文を提出する学生がいる。 コピペのパターンは3つある。 ・全文コピペ (コラーっ!) ・一部分コピペ (一部分だけ妙に読みやすい) ・組み合わせタイプ(文体が混ざる、段落ごとに違う空気になる) 中には手が込んでいて、3つくらいの違う作文から、いい具合に文章を抜き取り、それを組み合わせて一つの作文に仕上げる学生もいる。そこまでの読解力とまとめる力があるなら、君は十分