絶対に譲れないもの…
2024年 8月17日(土)
昨日の景色…
〈気になる記事・後半…〉
宇宙飛行士・野口聡一さんが「他人の目を気にしすぎる人」に伝えたい、帰還後の苦悩から得た教訓とは?
(記事全文…)
元宇宙飛行士・野口聡一氏の著書『どう生きるか つらかったときの話をしよう』(アスコム)から、要点を一部抜粋してお届けします。宇宙飛行士として実績を挙げてきた野口氏も、かつては「世間の人たちが抱いている『宇宙飛行士はこういう人だ』というイメージに応えなければ」と気負っていた時期があったといいます。その経験を踏まえて綴られる、「他者の価値観や評価」を気にしすぎてしまう人へのアドバイスとは――。
● 他者から与えられたものは いつか失われる
僕は高校生のときに、「宇宙飛行士になりたい」「宇宙へ行ってみたい」という目標、夢を持ち、そのために全力を注いできました。
「少しでも宇宙に近い仕事をしたい」と、受験勉強をして大学の工学部航空学科に進学し、さらに大学院へ行ったのち、ロケットの開発などもしていた会社に就職し、航空技術者になりました。
宇宙飛行士候補に選ばれてからは、いつか宇宙へ行く日に向けて、仲間たちと厳しい訓練を重ね、フライト中は組織から与えられたミッションに必死で取り組み、帰還後は世間の人たちから期待される宇宙飛行士像を演じてきました。
宇宙飛行士として訓練をしているときやフライト中の自分の写真を見ると、おどおどしたところがまったくなく、自信に満ちた表情をしています。
当時、強制的に自分の思考をポジティブな方向に持って行っていたせいでもありますが、「自分は今、全人類の期待を背負って頑張っている」「世間の人たちが抱いている『宇宙飛行士はこういう人だ』というイメージに応えなければ」と思い、無意識のうちにそのようなふるまいをしていた部分もありました。
それは、気負っている状態であるともいえますが、ラクな状態でもありました。期待に応えていれば、達成感が味わえ、尊敬され、称賛を得られるからです。
しかし、フライトを終えてしばらくすると、世間の人たちの関心はほかに移り、背負うものも、期待されるものも、何もなくなってしまいます。
加えて、2回目のフライト後は、自分でも「やるべきことはすべてやった」「さまざまな記録を達成した」という思いがあり、それゆえに次の目標を見失い、さらにその記録がほかの人によって塗り替えられたことで、大きな寂寥感や喪失感を覚えるようになりました。
その結果、「自分は何者なのか」「これから何をすればいいのか」「どう生きていけばいいのか」がわからなくなり、何もやる気が起きなくなってしまったのです。「夢を叶えた人間が、何を言っているのか」「贅沢(ぜいたく)な悩みだ」と思う人もいるかもしれませんが、僕にとって、それは大変な苦しみでした。
● 自分が納得して得たものは 誰からも侵食されず、奪われることもない
苦しんだ末にわかったのが、「自分は何者なのか、自分がどういう人間でありたいか、自分は何をしたいのか、自分が果たすべきミッションは何か、といったことは自分で決められる」ということでした。
それまでの僕は、常に相対評価の中で生き、宇宙飛行士になるために、あるいは宇宙飛行士として、他者から与えられた目標やミッションを達成すること、他者の期待に応えることを当たり前だと思っていました。
でも、他者から与えられるものがいったんなくなった後、10年かかってようやく、
「自分がどのような存在で、何を大切にし、どう生きていくかは、『他者からどう評価されるか』『実現できるかできないか』といったこととは関係なく、自分一人で決めていい」
「無理に、他者から期待される理想像を追い求める必要はないし、自分と他者を比べ、優越感や劣等感を抱いても意味はない」
と気づきました。
そして、「自分はどういう人間で、何が好きで、何が大事で、何ができるのか」「宇宙飛行士になり、宇宙に行ったうえで、自分自身はどうしたいのか、どうなりたいのか」を考えられるようになり、宇宙に行ったことも一つの経験としてフラットに、かつ肯定的に受け止められるようになったのです。
「他者から褒められるかどうか」「社会から認められるかどうか」を気にしたり、ありのままの自分を受け入れられない状態で自分の物語を眺めたりしているうちは、なかなか自分一人で自分のアイデンティティを築くことはできません。
ですから、みなさんにはまず、「自分の価値と存在意義は自分で決められる」ということを理解していただきたいと思っています。
それは、長い間他者の価値観や評価、他者との関係性、他者から与えられる役割や目標をベースに生きていた人にとっては、非常に難しいことかもしれません。
しかし、自分一人でアイデンティティを築き、他者の評価とは関係なく好きなこと、できること、大事なことを見出し、「自分はこうありたい」といった、向かうべき目標や果たすべきミッションが見つかれば、一時的に他者とのつながりが切られたり、他者から目標や役割、評価などが得られなくなったりしても、自分自身を頼りに、前を向いて歩いていくことができます。
自分が納得して得たものは、誰からも侵食されず、奪われることもないのです。
● 自分の棚卸しをし、最後に残るものを見極める 残ったものがあなたの核になる
自分一人で自分のアイデンティティを築くうえで、次に大事なのは、自分の棚卸しをすることです。
ちなみに、自分の棚卸しをするというのは、社会的な地位や役割、収入、他者との関係性、他者の評価など、それまでの自分にとってもっとも大事だと思っているもの、それまでの自分のアイデンティティを形成していた「他者から与えられたもの」からいったん離れることです。
他者から与えられたものは、必ずいつか失われていきます。
仕事によって得た地位や役割、収入、人間関係、評価などは、多くの場合、定年を迎えたり退職したりすると同時にリセットされますし、それ以外の人間関係や評価などに関しても、永遠に変わらないということはありえません。
しかし、人間には正常性バイアス(危険が訪れる兆候があっても、「大したことではない」ととらえてしまう人間心理のこと)が働くため、「他者から与えられたもののみに基づいてアイデンティティを築いてしまうと、いずれ困る日がやってくる」とわかっていても、なかなか現状を変えることができません。
だからこそ、本当に他者から与えられるものが失われ、困ってしまう前に、一度自分自身で棚卸しをしておく必要があるのです。
他者から与えられたものをすべて失っても、自分の中に残るものは必ずあります。
それこそが、自分一人でアイデンティティを築く際に核となるもの、どのような状況になろうともあなたが生きていくうえで支えとなるものであり、あなたが本当に大切に思うもの、あなたにとって絶対に譲れないものであるはずです。
野口聡一
👉自分の立ち位置…。
自分が今立っているこの場所は…
自分が決めた“自分のベース”にあるのか…。
それとも…
誰かに決められた“他人のベース”にあるのか…。
そのまま…
その“他人のベース”で一生を終えるのもひとつの人生ですし、それが無難で幸せかもしれません…。
もしそうでないとして…
本当の自分の道を探し、新しい自分の人生を歩もうとするならば、そこで「自分の棚卸し」をする必要があるという…。
ただそれは…
そんなに簡単なことではないようです…。
「長い間他者の価値観や評価、他者との関係性、他者から与えられる役割や目標をベースに生きていた人にとっては、非常に難しいことかもしれません…」(野口さん)
「自分の棚卸し」とは…
「自分の棚卸しをするというのは、社会的な地位や役割、収入、他者との関係性、他者の評価など、それまでの自分にとってもっとも大事だと思っているもの、それまでの自分のアイデンティティを形成していた「他者から与えられたもの」からいったん離れること…」(野口さん)
なぜその「自分の棚卸し」をしなければならないか…
「他者から与えられたものは、必ずいつか失われていきます…」(野口さん)
「他者から与えられたもののみに基づいてアイデンティティを築いてしまうと、いずれ困る日がやってくる」(野口さん)
ただ…
その他者から与えられたものを全て失ったとしても、自分の中に残るものは必ずあるという…。
「それこそが、自分一人でアイデンティティを築く際に核となるもの、どのような状況になろうともあなたが生きていくうえで支えとなるものであり、あなたが本当に大切に思うもの、あなたにとって絶対に譲れないものであるはずです…」(野口さん)
宇宙まで行かれた野口さんが仰るのだから…
それは真理に近いことのようにわたしは思います…。
ただそれに…
全てを失う前に気づいて「自分の棚卸し」をするのか…。
それとも…
全てを失ってから“強制的”にその「自分の棚卸し」をさせられるかは、その人次第かもしれません…。
わたしは…
凄く大変であったとしても…
一生気づけずにそのまま「ファーストステージ」で一生を終えるよりは、例え強制的にであったとしても、その「セカンドステージ」に降り立つほうが幸せなように思います…。
出来ることなら…
自分の意思で、早めにその「自分の棚卸し」をして、自分で変わって行くほうが良いのかもしれませんが…
いずれにしても…
わたしたち自身が自分で宇宙に行かなくても…
野口さんが代わりに先に宇宙に行ってくれて、そしてこの真理を教えてくれていることに感謝ですね…。
これで…
1回や2回分の人生の経験と学びの短縮が出来たようなものです…。
他人の人生から学ぶことも本当に貴重で大切なことですね…。
でも…
自分の本当の人生は…
実際に自分の足で直に歩まなければ何も身につかず得られません…。
多少の失敗や挫折もしなければ…
本当の学びと成長も得られません…。
そして“本当の答え”を得ることも…
野口さんの言う「自分の棚卸し」という“手放し”を経て、捨てるものを捨てなければ、得るものも得られません…。
それが出来るかどうか…。
わたしたちの心の中の覚悟が視られていて、そして試されていますね…
〈気になる記事・前半…〉はこちらから…
《イチオシ👉お薦め動画…》
【有名寺院が指し示すイエス・キリストの陵墓】
【邪馬台国オリオン座説】