#54 原材料シリーズ 「甘味料」
こんばんは!
今日から原材料シリーズを書いていきたいと思います!
今日取り上げる原材料は「甘味料」です!
甘味料は甘さをつける原料です。
例えば、「砂糖」、「果糖」、「ブドウ糖」、「異性化糖」、「水あめ」などですね!
厳密にいうと、ステビアやスクラロースといった「高甘味度甘味料」も含まれるのですが、これは後ほど触れていきたいと思います!
少しマニアックな世界になるかもしれませんがお付き合いください!
それでははじめます!
原材料表示について
皆さん、原材料表示をじっくり見たことはございますか?
知っている方もいらっしゃるかと思いますが、原材料の順番は、使用量が多い順番に書かれています。
甘味料が一番最初に書かれる場合が多いのですが、たまに○○果汁の方が先に書かれることがあります。
この場合は、甘味料よりも果汁をしっかり使っている商品ということです!
今日は「甘味料」の「甘味度」と「味の特徴」をご説明していきます。
どんな甘味料を使用しているかを見れば、どんな味になりやすいかかも理解できるようになるかもしれません!
甘味度とは・・・
みなさん、「甘味度」という言葉はご存知ですか?
甘味度というのは、「甘味料の甘さの強さを表す指標」です。
これは、人の感覚に基づく、「官能検査」で測定されています。
「砂糖の甘さを1」と定義して扱います。
例えば、砂糖の1に対して、ぶどう糖は0.6~0.7なので、砂糖の60%~70%の甘さということですね!
商品開発者は、甘さの度合いを甘味度でとらえており、開発者同士での会話で、
A:「このレシピの甘味度は?」
B:「甘味度8です!」
などといった会話がされます。
C:「少し甘すぎるから、甘味度を1下げるか」
などのディスカッションも良くします。
「砂糖」
砂糖は「ビートグラニュー糖」と一緒と考えてもらってよいです。
こちらは、飲料やアイスのメインの原材料でよく使用されます。
甘味度は1と定義されています。
また、味の特徴としては、トップ~ラストまで全体的に続くなだらかな甘さが特徴です。
しっかりした甘さを感じさせる効果もあります。
「ぶどう糖(グルコース)」
ぶどう糖(グルコース)は澱粉を完全に加水分解するとぶどう糖になります。
こちらの甘味度は0.7で、砂糖よりも低いです。
味の特徴は、甘さをトップに出すことでき、うま味に欠けるが、清涼感があります。あと切れもいいです。
そのため、飲み初めに甘さを持ってきたいときには選択すること多いです。
「果糖(フルクトース)」
果糖(フルクトース)は果物の中によく含まれている糖です。
果糖の甘味度は1.2~1.5と砂糖に比べて高いです。
また、味のピークもトップに強いです。
ぶどう糖よりも味の切れがいい印象の原料です。
「異性化液糖」
異性化液糖というのは、「ぶどう糖」と「果糖」の混合糖液です。
よく、「ぶどう糖果糖液糖」と「果糖ぶどう糖液糖」と書かれているものがあると思います。
実は、液糖の割合が
・ぶどう糖が多い場合は「ぶどう糖果糖液糖」
・果糖が多い場合は「果糖ぶどう糖液糖」
と呼びます。
これは、会社によって使っている原料が異なります。
甘味度は液糖のメーカーによって異なりますが、だいたい0.7前後になります。
砂糖よりは甘くないということですね!
味の特徴は、トップに味のピークが来て、後味には甘さが残りにくい原料です。
なので、飲料のようなすっきりした商品には、異性化液糖は相性がいいです。
「水あめ」
水あめは澱粉を酸や酵素で糖化した糖です。
水あめの甘味度は0.35~0.40と低いです。
ぶどう糖や果糖と違って、だらーとした甘さが特徴で、味全体の底上げをする際に使用します。
あまり飲料で使用しているのは見たことが無いのですが、アイスにはよく使用されています。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今まで知っている情報や知っていない情報もあったかと思いますが、甘味原料1つとっても様々な特徴を持っています。
こういった原料1つ1つの味を確認して、レシピに使用していく。
これが商品開発者の仕事になります。
次回は、酸味料について触れていきたいと思います!
面白いと思った方は、コメントやスキを頂けると励みになります!
それでは、また!