書評エッセイ(嘘)
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久々に、エッセイらしきものを書こうと思う。
「エッセイ本を読んだエッセイ」という感じだ。概ね書評というより自分語りが多いのでエッセイの括りに入れていいだろう。
実はこの記事、既に1年前に途中までだがある程度下書きを終えていた。じゃあ何でさっさと残りの文を書いて投稿しなかったかというと、単純にその本を読了していなかったからだ。
プラス当時の文を見返すとnote開設したてで今以上に文が稚拙だったり、多少時事やその時点での自分の事も触れていたので完全に賞味期限が切れている。なので大半を消去した。ということで以降は真っ新な気持ちで書こうと思う。
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「好きなこと(趣味)ができなくなったら『うつ』のサイン」という論が良く散見される。自分はそれ以外に、好きとまで行かずとも「活字を読めなくなったら(頭に入らなくなったら)危険」という持論がある。
これはさらっと読めるTwitterやら5ch等の短文の集合体には該当しない。いわゆる新書を指している。なので一番の趣味が読書、という人は地獄だろう。そういう人はすぐメンタルクリニックに行って欲しい。何故ならそれがこれから書く自らの体験談だからだ。
読書は自分も趣味の一つで、大学時代に目覚めてからはなけなしの金で古本を買い漁った。最近はあまりしていないが「本屋に行く」という体験がすごい好きだ。そこで目当てのちょっと昔の本を見つけた時の嬉しさは半端じゃない。
また、自分が一番好きだったジャンルが「ミステリ小説」だったというのも現在の活字離れに至った一因とも言えるかもしれない。めちゃくちゃ頭を使う小説だからだ。特にその中でも「叙述トリック」と呼ばれている、ざっくり説明すると地の文自体に仕掛けがある作品が好きだったりする。
自慢じゃないが読み進めて実際に犯人を的中させた経験もかなり多い。トリック含めて全正解とまでは行かないが。
ちなみに好きな作家は綾辻行人、我孫子武丸、西澤保彦などの90年代に台頭してきた新本格派と呼ばれる方々が多い。それ以外だと実写・アニメ化等で有名な貴志祐介、城平京だろうか。この5人の著書が多い。
何だかんだでこの作品の面白さ半端ない。犯人は割と予想付くと思うのだけどそこまでの惹き付け、筆致が素晴らしい。
そういえばこれ最近漫画化したんだよな。完結したら読もうと思ってるけどどうやって描写すんだこのトリック。コナン的な黒タイツのあれか。
貴志祐介では断トツこの作品が好きだ。アニメ化・漫画化もされているが原作のが世界観の圧倒的な説明量(そこで折れる人が多い作品でもあるのだが)が圧巻。そこを乗り切れば絶対面白い。その設定が中盤~後半に生きていく上で物語を味わう伏線にもなっている。
城平京って誰やねん、って人多数だと思いますが、アニメ化もされた「虚構推理」ちょっと前だと「絶園のテンペスト」「スパイラル~推理の絆~」の原作担当の方です。普通に映像化されてない作品とかも割とあります。この作品が原点にして頂点。
小、中学生にかけてスパイラルにはドハマり状態だった。コロコロもジャンプも通らず頑なにガンガン派という小学生時代を送っていた。なんなら高校時代主人公の歩君の髪型真似していた。やたらもみあげが長かった。
ヒロインの「結崎ひよの」とこの小説限定ヒロイン「柚森史緒」は俺史上最強に好きな女子キャラだった。ひよのさんに養われたい。
ちなみに小説としては小説②の「鋼鉄番長の密室」が最高だった。スパイラルは原作漫画より外伝小説のが面白いまである。
一応王道に東野圭吾とかもそこそこの冊数持っているが大半積読になっている。未だに「仮面山荘殺人事件」のオチだけは許してない。展開予想した上で「それやるとマジで矛盾と幼稚な展開だからそれだけはやるなよ…」と思いつつ残念ながらそうなってしまった作品。
また、大学の時に日本四大奇書と呼ばれるものも若気の至りで集めた。が、難解さにどれも途中で諦めてしまった。小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」とかあれもう考古学だろ。まだ「ドグラ・マグラ」のが良心的まである。
ちなみに夢野久作では「瓶詰地獄」がべらぼうに好きです。筆致こそ古いけど短編なのですぐ終わるからオススメ。オチも好き。
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完全に脱線したので話を戻そう。そんな感じで自分の趣味の一つが読書なのだが、徐々にそれが出来なくなっていった。
社会人になって自由に使える時間が減り、その分自分の趣味を他の事に使おうという意識になったというのがまず一つ。結果、ライブを含めた音楽体験・テレビゲーム・野球観戦・映画鑑賞など比較的頭を使わず受け身の態勢で臨めるものにリソースを使うようになった。恐らく読書はその次くらいの序列に来る。年数冊くらいで全く読まなくなったという訳ではないのだが。
ここまでであれば「趣味自体はできるけど能動的に読書をするのはキツくなった人」に分類されるのだが、趣味自体もほぼ手に付かない時期があった。
自分は以前のnote記事にも書いた通り昨年の5月に前職を適応障害、そこから派生する二次障害によりドクターストップ、翌月に退職し今は療養中でフリーの身だ。最近の記事であえて言及することは少なかったが。
病気は突然やってくる。自分はとある日、起きた瞬間人生でほぼなった事がない金縛りに合い、自宅のアパートの隣室から聴こえてくる環境音の恐怖、出社に近づくにつれ悪化する肌の痒み、そして金縛りが終わった後もベッドから体を動かせない。こんな状況本当になるんだと思った。
思えば兆候はあった。その数か月前から一番の趣味である音楽鑑賞もろくに出来ず休日はネットサーフィンばかりしていた。その他の趣味も同様。能動的に音楽を聴くと言えば軽いルーチンと化していた出勤時に決まった2曲を電車内で聴くことくらいだ。
いまこれを読んでいる人で精神的に辛いと感じている人はすぐさま然るべき医療機関にかかってほしい。病気になってからでは遅い。お兄さんとの約束だ。
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昨年の夏、自分は晴れて退職した。
適応障害といえどその要因から離れてめでたしめでたし、とはいかず約2,3か月は不安定な日々が続きほぼベッドの上だった。
普段観ないテレビ番組を10年振りぐらいに観たり、お笑い芸人の深夜ラジオなどを聴いていた。実際お笑いって凄い。その一瞬だけでも嫌な事を忘れさせ明るい気持ちにさせてくれる瞬間を提供してくれる。この療養期間で自分は芸人さんを物凄くリスペクトした。+ラジオというコンテンツにドハマりした。
また退職する半年前に当時お付き合いしてた人との別れと仕事の辛さのダブルブローが効いた影響なのか、突然とあるアイドル(散々noteで名前出しているのでここでは言及しない)に興味を持ち、退職後はその関連の動画を漁り完全に沼に落ちた。
そんな感じで一日の大半をベッドで寝ながらそういったコンテンツを享受するか寝るかの2択、それ以外は体を動かすのもきつく、風呂や洗濯もままならなかった。トイレだけは何とか行けた。危なかった。
この機に溜めてた映画やゲームなどをしよう、と思っても全く身が入らない。読書なんてもってのほかだ。何とか大好きなUNISON SQUARE GARDENの新しい活動に触れられるくらいは復活したが。
じゃあどうしようかと思いある程度体調が回復したタイミング、昨年8月にこのnoteを始めた。読み返すと昔の記事は文の骨組みバラバラで酷い。今も対して変わってはいないけど。ただ「今だったらこの表現使うのに」「ここ説明不足すぎる」という点が多すぎる。
そんな感じではあるが意外とアウトプットが性に合っていたようで、ご覧の通り現在に至るまで投稿が続いている。そしてかかりつけ医から「今は何も考えず好きな事をひたすらやりなさい」の一言が効いたのか、少しずつ行える趣味が回復していく。
自分のエントリ一覧を見ると露骨に感じるのだが、昨年のnote開設後闘病記を踏まえ徐々にTVゲームなどの話題があり、一旦に昨年晩秋~冬にかけ快復傾向にあったが精神的に落ちた後徐々に記事が音楽や映画の感想にシフトしていき、自分の近況を語ることは少なくなっている。
で、今年の夏前から主に音楽方面の企画モノ(語弊を産む言葉選び)が多くなり、グンとそこら辺りから読者が増えた気がする。
特に方針を切り変えたという意思はなく、単に「今書きたいもの、思い浮かんだもの」を書いたら自然とそうなっていた。
あんまりビュー数を気にしすぎるのも健康に悪いが、前者の昨年8月~今年5月くらいまではシンエヴァ記事が映画効果でちょっと伸びたくらいで総数は10,000も行ってなかったような。詳しい数字覚えてないけど。
note公式に洋楽について触れた記事が取り上げられた、というのもあるがそこから今年の6~11月に掛けて数字が伸び、総数50,000ぐらいまでになってる。
今月から毎日何かしら投稿しようと思いTwitterの再放送みたいな短文つぶやきの影響もあるのだが。我ながらこれで数字を上げるのはズルな気もする。
あと坂道記事ってファンの分母が多いから伸びるよね、Twitterもnoteもそれ専用のアカウントになるのは何か嫌だからバランスとってるけど。
ちなみに、昨年の冬に精神不調がぶり返したきっかけは失恋だ。
上記の方で触れた失恋(その影響でアイドル沼に落ちたやつ)に関しては一昨年の6月~11月くらいの出来事で、
それとは別に退職ちょい前の昨年3月~10月にかけて別の方ともお付き合いしており。ちなみにどっちも一方的に振られた感じで。自慢に捉えられたらごめんなさい。結果BADENDになってるので許して。
女子は「そんなに辛いなら仕事辞めてもいいよ」とは言ってくれるけどいざ辞めたとして「その後も一緒にいるよ」的な意ではないので世の男性諸君は気を付けましょう。(偏見なので女性読者は怒らないで下さい)
まぁ自分が女子だとしてそこから俯瞰的に俺の彼女サイドという立ち位置だと考えたら同じ道を選んだ気もする。責められない。
ただなんなら男性の方が自殺率が多かったり平均寿命が短いのはそういう面もある気がする。(偏見なので以下略)包含される環境を見つけるのが女性と比べてハードというか。家庭を支える立場ともなればいま働いている会社にしがみつくしかない状況が産まれ、そこでどんどん病んでいったり。ちょっと前の品川の広告の炎上がいい例だ。
最近はコロナ禍で女性の自殺率がーとか、政治でジェンダー論が争点だーとか言うてますが統計見てください。明らかに男性のが段違い。
話題が感情に任せて大幅にずれた。変な団体に目を付けられる前に話を戻そう。
一応適応障害の二次的なものとして、医師からあくまで傾向レベルだけど躁鬱とは言われた。まあもともとASD優勢の発達障害傾向が生まれつきあったのでそこからの派生派生で辿り着いたアレだと思うのだが。
当初は昨年中に復帰してやる!と意気込んでたけどそう上手くはいかないもので。結果ほぼ予定より1年プラスになってしまった。いやあうつ舐めてたマジで。
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そんな感じで1年以上過ごしてきたが、療養からそろそろ復帰しよう、との心持ちでいる。単純に傷病手当の期間が終わるというのもあるのだけど。
ちなみに、復帰とはいっても元の職場ではないです。元の職場で自分と思想が正反対の直属のヤンキー上司(社長)によりこうなったと言っても過言じゃないので。普通に転職です。
とりあえず大学で前職、前々職にそこそこアドバンテージの影響ある国家資格は取ってるのだけど。かといって露骨なブラックに飛び込むのも嫌なので、そこは気を付けたい。
その理由の一端が「読書ができるようになったから」という自分のバロメータが復活した事である。伏線回収。
療養してから半年にかけてはもはや漫画さえも読書と同じベクトルで読めずにいた。さすがに経過で漫画は読めるようになったが(「図書館の大魔術師」という作品がオススメです)活字の方もクリアしてきており。
そんな感じで、書評エッセイを書こうと思った次第です。
ただ、ここまでで余裕の4000字超えをかましたのでまさかの書評に入らず一旦前談で終了しようと思います。何の本やねん、っていう開示もせずに。もう書いてる途中で長なるな、って思ってオススメ本パートを後付けでめっちゃ足しました。そして5000字超えました。
一応ここまでの流れも次の記事の本の感想に関係あるといえばあるし、無いと言えばない。
ということで、肝心の本の感想は次回に持ち越します。その作者関連の本もう一冊読もうかと。多分今週末くらいには上げます。
ちなみに、その本を読む前にアイドリングで別のエッセイを読みました。
読書未経験者でもびっくりするくらいスラスラ読めると思うのでオススメです。ちなみに一番好きな深夜ラジオは「ハライチのターン!」です。それでは。
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