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つながり活動 〜 替え歌でつながる 〜

今日の午前中、

会社のデイサービスに立ち寄った。

すると、

ルミ子の「 瀬戸の花嫁 」が流れていた。

若い方は、知らない人もいるかもしれませんが、

高齢者のデイサービスの世界では、

利用者ウケが良い、ヒットソングとして知られている。

1972年にヒットした、ルミ子の代表的ソング。

結婚式ソングとしても有名な歌。

安室さん、木村さん、西野さん達の結婚式ソングには敵わないが、

今でもトップ10の中には入ってくるのではないか。

そんなルミ子の「 瀬戸の花嫁 」という歌に、替え歌がある。

イントロクイズの時間に、従業員が替え歌を大きな声で歌っていた。

「 瀬戸わんたん、日暮れてんどん、ゆうな〜みこ〜な〜みそら〜めん ♪ 」

食べ物を歌詞の後ろにつけて歌う替え歌。

おもしろ〜い!というより、懐かし〜い!という方が強いが、

優しい高齢者は、いつもそんな職員のパフォーマンスに笑ってくださる。


ふと、替え歌で思い出した。

以前、勤めていた職場の先輩がボソッと歌った替え歌だ。

今でも鮮明に覚えている。

その先輩は、前職で営業の仕事をされていて、

ノルマのキツさや、上司のパワハラ(当時はそんな呼ばれ方はされていない)を受けて、

心の病気になってしまわれた。

数年後、

社会復帰として障害者福祉の仕事を選ばれた方だった。

先輩の口癖は、「 あ〜、しんどっ 」。

私が20代の頃、その先輩は50代。

確かに、すぐ椅子に座ろうとする先輩だった。

でも何となく、その先輩のことが好きだった。

基本は面白くない話がほとんどだったが(失礼すぎる)、

時々、飛び出すポテンシャルの高さが好きだった。

他のスタッフは、

「 あの人に仕事を頼んだら、あ〜しんど!か 、

  お礼に今度デートしてね!としか言わない・・・ 」

と、ちょっと距離を置いていた。

私は、そんな先輩との会話の中で繰り返されるフレーズを、

吉本新喜劇の挨拶替わりのギャグのように捉えていたので、

よくズッコケるリアクションを取ったりしていた。

その反応を気に入ってくださったのか、

私によく話しかけてくださった。


ある日、

仕事終わりで掃除や後片付けをしている時間帯に、

静かになった部屋を、

ゆっくりゆっくり、

先輩が1人ホウキで掃除されていたので、

ちょっとイタズラ心で、

後ろから「 ワッ!!」と

ベタな感じで驚かそうと思い、

足音を立てずに、そ〜っと先輩に近寄っていった。

すると、小さな声だが、

先輩が何か歌を口ずさんでいた。

メロディだけではなく、歌詞ものせて。

驚かすよりも、何を歌っているのかが知りたくなったので、

そのまま黙って、耳を澄ませて聴いてみた。

すると、

「 も〜〜 い〜くつ ね〜る〜と〜〜 ♪ 」

なぜかあのお正月ソングを、かなりコブシを効かせた感じで歌っている。

仕事終わりで解放的になっておられるのか。

続けて歌った。

「 つ か れ が と れ る か な〜〜〜〜 ♪ 」 。

「 (笑) 」。

「 お、おしょうがつ〜 じゃなくて〜 ???(笑) 」

私は、不意打ちにあったかのように思わず大きな声で笑ってしまった。

その私の声に驚いて、

先輩は 「 うわっ 」

と大きな声をあげ、

持っていたホウキを放り投げ、

尻餅をついた。

それを見て私は再び爆笑してしまった。

先輩は何が起こっているのかわからない様子で、

「 えっ、どうしたん? 」

と私に聞いてくださったので、

申し訳なくなり、

「 すいません、替え歌が面白すぎて。驚かせてすいません。」

と、謝った。

すると先輩が、

「 俺、替え歌なんか歌ってた? 」

こわいこわいこわいこわいこわい。

「 今、歌われてましたよね! 」

と驚きながらいうと、

「 いや、わからん、無意識やわ 」

とおっしゃっていた。

あれは、先輩が歌うからこそ、

心に刺さる歌だったと思う。


それからは、ストーカーのように、

時々先輩が魅せるポテンシャルの高さを独り占めしようと、

よく先輩の近くを黙ってウロウロしたものでした。


「 替え歌でつながる 」。

通常の歌でなくても、

十分にその時代にタイムスリップさせてくれる。

あの替え歌の先輩、

疲れはとれているかな〜。


その人にしか出せないものがある








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うりも(つながり活動)
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