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2024年10月23日 映画「破墓/パミョ」感想


韓国映画「破墓/パミョ」を見てきたのでその感想です。

https://pamyo-movie.jp/index.html

ネタバレがないように気をつけていますが、ホラー映画は前情報なく見るべきという方はここでブラウザバックした方が良いと思います。



ありがたき誘い


SNSの相互フォロワーであり、お茶飲み友達だと思っている方から、「ホラー映画見ませんか」と誘われたので、一も二もなく、「いきまーす」と返事をして、
ホラー映画を見にいきました。
腰が重い人間なので、
最近は、
「スケジュールが空いている時に誘われた場合はいこう!」と決めています。
今回も、お誘い、ありがたかったです。
いつも、ありがとうございます。

邦画の宣伝広告やりすぎると客が逃げるのでは


ギリギリに到着してしまったので、会話もさておき、映画館へ飛び込みました。
そこから映画本編が始まるまでに、20分近く不毛な邦画の宣伝広告が流されました。
ものすごく無駄な宣伝だと思いました。
同じ映画の宣伝を3回流すとかどうかしています。
効果ないどころか、「絶対見ないぞ!」と固く決心してしまうので、
同じ映画の宣伝を繰り返し流すのはやめた方がいいと心から思います。
映画館に来る年齢層に向けてなのか、地域柄なのか、時代劇の宣伝が非常に多かったです。

前半100点、後半は…人によるかも


冒頭のサンフラシスコから韓国に戻るところまで、色彩やカット割もすべて素晴らしかったです。
明るく乾いたサンフランシスコから、薄暗く湿った韓国の寒い季節(息が白いため冬季とわかる)へ戻される流れなど、お見事としか言いようがありません。
さらに、あの墓を掘り起こし、タイトル通りの儀式をするところでは、
映画館の座席で、朝鮮半島の底冷えする寒さがかんじられるような気がするくらいでした。
ホラー好き、オカルト好き、怖い話が好きな人ならたまらない展開です。
テンポも素晴らしかったです。
後半は、面白さがやや失速しました。
というのも途中で、私は「あのネタだ」とわかってしまったからです。オカルト好きの悲しい性です。
知らなかったら、そしてもう少し楽しめたかもしれません。
ホラーとしての怖さも同様に、後半につれて薄れていきました。
怖い話というのは、仕組みやネタ元がわかってると、怖さが半減もしくは霧散するものだからです。

また後半の展開は他国の文化や歴史、そして他者から見た自分について考えたことがない人にとっては、苦痛かもしれない、と思いました。
民俗学的な興味があり、他国の文化に興味がある人の方が楽しめるはずです。

怖くはないけど血が出ます


そうそう、これを1番先に注意をしておくべきでした。
グロ耐性がない人というか、特に血が苦手な人はきついかもしれません、
かなりの量の吐血があります。しかも、鮮血だったり赤黒かったり、吐瀉物も混じってたりします。
血液または、吐血がアウトな方は見ない方がよろしいでしょう。

ジャパニーズホラーでは、血はあんまり出てこないような気がするのですが、どうでしょうか。「発狂する」とか「死ぬ」という描写の方が多い気がします。
これは文化の違いが影響しているのかもしれません。
日本は「ケガレ」の文化で、特に血のケガレをひどく忌む傾向があったと言われているからです。
思い込みでしょうか。

キャラクターがとてもいい


映画の大筋は、風水師(地官とも呼ばれていた)サンドク、葬儀師ヨングン、巫堂ファリム、巫堂ボンギルの4人チームが厄介な案件に立ち向かっていくというものです。
この4人のキャラクターと仕事の様子がどの人物も非常に良かったです。
外見や信じるものはバラバラ、仕事のやり方も異なるのですが、それぞれがプロの仕事をしようとするというの同じなのです。
なかでも、サンドクとヨングンの関係性(程よい距離のバディ)、ファリムとボンギルの関係性(男女バディだがベタベタしてない!)そして、4人が協力する様子にグッときました。
巫堂(ムーダン)の儀式もとても興味深かったですね。
儀式の歌や舞、声明?も初めて見るものが多く、目が離せませんでした。
鮮やかで、リズミカル、情熱的な儀式です。

食べることは生きること


「破墓」はホラー映画ですが、美味しそうにご飯を食べるシーン、美味しそうな食事が準備されるシーンが多い映画です。
仕事の合間に食べる定食、
豪邸の家族が食べる食事、
深夜に出してもらうそば、
病院のベットテーブルに置かれた食事、
病院のベッドサイドで食べる食事、ピザ!!
どれも温かくて美味しそうな食事です。

これもジャパニーズホラーでは、あまり見られないような気がします。
「ご飯食べた?」と聞くのが、韓国では、あいさつの言葉だと聞いたことがあります。
食事に誘っているわけではなく、お互いの健康や幸せを気にかける気持ちが込められたあいさつなのだそうです。
見ているうちに、この映画の中では、温かく美味しそうな食事を仲間と食べること自体に破邪の力があると信じられてるのかもしれない、と感じてしまいました。
この映画の中で、
冷たくて加熱されず、美味しそうに見えない食べ物が出てくるのも、
そう感じた理由の一つです。

すごく面白いけどデートにはお勧めしない

前半のが本当に素晴らしかったので、多くの人に見てもらいたいのですが、
「合わない」という人も確かにいる映画なので、
勧めにくいですね。
間違いなく、デートで見るにはお勧めしない映画です。カップルだと、意見が分かれるかもしれないので…。

でも、民俗学好き、他文化に興味があるオカルト好きは、ひとり、もしくは気心の知れた仲間と、見てほしい…と思います。


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千歳緑/code
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