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ななめよみ詰所その11 ゼロ・ビートの再発見
「ゼロ・ビートの再発見」およびその「技法篇」 平島達司
購入時はオビにバッハコレギウムジャパンの鈴木雅明さんの言葉があったと思う。
平均律への疑問と古典音律をめぐって これが著書の副題である。ピアノのドミソの狂いの話を端緒に、協和した音って何?、音律って何?、協和感覚と音感の訓練について、と大雑把な展望ののち、様々な音律(純正律やヴェルクマイスター等)の話、音律研究の歴史、古典調律による演奏活動の記録、と続き本編書籍は終わり、「技法篇」は実践のための技術書のような感じ。
現代では気の利いたキーボードであれば様々な音律の演奏が簡単な操作でできるご時世であるけれど、ルイブニコフ「数学史Ⅱ」によると、ジョン・ネイピアによる「驚異的な対数表の記述」(三角関数に関する)、ヘンリー・ブリッグスによる常用対数表、1624、1628年のその対数表出版、書籍商アドリアン・ヴラックによるその類の書籍出版まで、数値計算が大変だったんだから。
そういえば平均律になってからその調律での演奏では、移調による特有の味わいは無くなったとされている。そのかわりどこにでも気軽に移調できる自由を音楽は手に入れた。ギターにかんしてはEの感じとかGの感じとかまだちょっとあるような気がするのだけれど(開放弦や本来的に持っている微妙な狂いのおかげで)、ギター弾きの皆さま、わかっていただける?
調律師や古楽をする方とか読むのかなあ・・そんな印象です。
(*'▽')。