デルフィニウムの庭
「ちょうどデルフィニウムの庭を歩いているときだったわね、膨らんだスカートが広がり落ちてゆくいつもの噴水、裾が風に撓む曲面の戯れ、そして虹が浮かぶこと。ふと魅入られていた私たちは足元でカエルがこちらを見上げているのを知らずに」
「そうだった、礫や岩混じりの痩せた緩丘その西の端、集落への水が溢れ大きく迂回し他へ流れゆくのは平たくうっすらとした通り道が閊え機嫌を悪くした為。どうか助けてほしいって」
「あなたは家の納屋まで戻って円匙や斧なんかと手繰り束ねたロープやホースまでを背負い抱