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投資#334 子どもと学びたいこと、話したいことが一つ増えました
書籍の情報
書名:NHK出版新書 ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか
著者:冨山 和彦
発行所:NHK出版
発行日:2024年10月31日
書籍の抜粋
現在、グローバル産業で付加価値労働生産性を高めるための方法には大きく分けて二通しかない。
一つ目の方法は、グローバル経済圏において圧倒的な独占企業になることだ。
現状ではGAFAM(グーグル<アルファベット>、アップル、フェイスブック<メタ>、アマゾン、マイクロソフト)がそれにあたる。しかし、日本のグローバル企業がGAFAMのような位置づけに登り詰めるのは、資金力や技術力、ネットワーク力やさまざまなリソースの違いなどを考えると、かなり困難と言っていい。あるとすればゲームに特化した任天堂やソニーのように分野特化したセグメントプラットフォーマーというパターンになるだろう。
だとすると、残るは一つの方法しかない。従来のように漫然と量や規模を追わず、ほかの企業が手を出せないような「ややこしさ」を突き詰めることである。これはつまり、複雑領域における高度なデリバリー能力を梃子にした高付加価値差別化である。
日本のグローバル産業においても好調な企業は、十分な水準の価格で販売できる事業、高い水準で粗利を取れる事業に舵を切り始めた。逆に、粗利の取れない事業は切り捨てはじめている。この戦略モデルで「失われた30年」を快走した企業群については、先ごろ出版された、これまた我が「同志」であるカリフォルニア大学サンディエゴ校のウリケ・シェーで教授による『シン・日本の経営』(日経プレミア)に慈姑しいので、一読をおすすめする。
(中略)
例えば、高度成長期をけん引した家電の製造において、ブラウン管テレビを製造するのはそう簡単ではなかった。
1907年から1908年に構想が生まれたブラウン管は、内部を真空にした容器の根元にある「電子銃」から画面に向けて発射された電子ビームによって、いわゆる「光の三原色(赤・緑・青)」の蛍光体を光らせて画像を映写する。電子ビームが磁力で屈折する性質を利用し、偏向ヨーク(電磁コイル)装置によって磁力を調整して画面全体に映し出す。
このように、ブラウン管テレビは複雑で「ややこしい」技術に基づいている。この技術を日ごとに発展させ、より低コストで大量生産して競争力をつけようとしたとき、高度な「すり合わせ」を始めとする日本企業の独特の組織能力が生まれた。かだらこそ、日本企業は急成長を遂げたのである。
ところが、テレビはブラウン管からデジタル化された液晶に変わり、ものづくりそのものが単純になった。日本企業の高度な「すり合わせ力」がなくても、簡単に製造できるものに変わった。
当時の日本企業は自己解析が十分ではなく、そこを勘違いしていた。簡単に製造できるものでも、日本企業の「ものづくり力」があれば優位に立てると考えていた。つまり、工業製品の大量生産は、どのような分野でも強い、自分たちは力相撲でも圧倒できる、と思い込んでしまった。
しかし、日本企業のものづくりの強みは、ややこしいことを確実に、迅速に、大量に製造できることだった。ブラウン管テレビが液晶テレビに取って替わられると、その強みを発揮できなくなった。コスト競争力が高く、オーナー創業者型経営で大胆な大規模投資を迅速にできる中国、韓国、台湾などにその地位を奪われ、日本企業は急速に競争力を失った。
やはり力相撲は得意ではなかった。シェーデ教授の言う「技のデパート」、相撲取りの舞の海戦略が通用する領域こそ、日本企業が得意なドメインだったのだ。
今どき先進国企業がグローバル経済圏で稼ぐ選択肢
抜粋した理由
これからの競争を
どうしたら
生き残れるかは常に
考えます。
それは、
個人レベルでも
企業レベルでも。
しかも二択しかない
といわれると、
中身を確認したく
なりました。
―――感想1―――
だとすると、残るは一つの方法しかない。従来のように漫然と量や規模を追わず、ほかの企業が手を出せないような「ややこしさ」を突き詰めることである。これはつまり、複雑領域における高度なデリバリー能力を梃子にした高付加価値差別化である。
今どき先進国企業がグローバル経済圏で稼ぐ選択肢
日本の新幹線や
鉄道が時間に正確
なのは、
世界中から奇異の目
でみられているよう
ですね。
相当にややこしいと
思います。
日本が外国から賞賛
されていることから
見ても、
ややこしいことが
外国から見ると、
得意なのが日本なの
ですね。
こういった分析を
するのはなかなか
難しいのかと
思います。
灯台下暗し
という諺があるように、
自分自身のことは
自分もよくわかって
いないことがありますね。
―――感想2―――
1907年から1908年に構想が生まれたブラウン管は、内部を真空にした容器の根元にある「電子銃」から画面に向けて発射された電子ビームによって、いわゆる「光の三原色(赤・緑・青)」の蛍光体を光らせて画像を映写する。電子ビームが磁力で屈折する性質を利用し、偏向ヨーク(電磁コイル)装置によって磁力を調整して画面全体に映し出す。
このように、ブラウン管テレビは複雑で「ややこしい」技術に基づいている。
今どき先進国企業がグローバル経済圏で稼ぐ選択肢
ブラウン管テレビ
懐かしいですね。
私の子どもは、
ブラウン管テレビ
なんて知らずに、
これらかも生きて行く
のだなと思って
しまいました。
テレビが箱のように
奥行きがあるなんて、
信じられないでしょうね。
技術の内容も
おもしろいと
思いますが、
技術の変遷も
おもしろいと思います。
この後、液晶に
取って替わられて
しまいます。
技術の陣取り合戦を
子どもと一緒に
勉強できる日が
くるといいなと
思いました。
まずは、技術に興味付け
させないといけませんね。
―――感想3―――
しかし、日本企業のものづくりの強みは、ややこしいことを確実に、迅速に、大量に製造できることだった。ブラウン管テレビが液晶テレビに取って替わられると、その強みを発揮できなくなった。コスト競争力が高く、オーナー創業者型経営で大胆な大規模投資を迅速にできる中国、韓国、台湾などにその地位を奪われ、日本企業は急速に競争力を失った。
やはり力相撲は得意ではなかった。
今どき先進国企業がグローバル経済圏で稼ぐ選択肢
勤務先もややこしい
ことはまぁ得意なのだな
と思います。
ただ、思うのは、
新しい事業を模索
していますが、
果たして、力相撲の領域を
選ぼうとしていないか
と気にかかります。
ここに力相撲は得意でない
と書いてあります。
「技のデパート」が
得意なのだとか。
せっかく分析して
もらったのだから、
この分析を活かせたら
いいのになと思います。
こんな観点から、
勤務先を見直して
みたいと思います。
また、子どもと日本企業は
こんなところが得意らしいよ
と話をしてみたものです。
まだまだ、時間がかかると
おもいますが、
子どもと学びたいこと、
話したいことが一つ
増えました。
まとめ
子どもと学びたいこと、話したいことが一つ増えました