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投資#289 人口増加抑制メカニズムがある
書籍の情報
タイトル:なぜ、結婚はうまくいかないのか?
著者:森川友義
発行所:株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン
発行日:2013年9月10日
書籍の抜粋
子どもという資産
せっかくですから、「こども」という資産について、もう少し詳しく考えておきましょう。読者の中には子どもを持つべきかどうか悩んでいると人がいるかもしれませんし、また子どもが欲しいから結婚したいと考える人もいるかもしれません。ですから、「子ども」という資産価値を明確にしておけば、子どもを持つことの覚悟ができるはずです。
「子ども」という資産、昔と今では様変わりしています。結論から言うと、資産目減りしています。資産価値が減少しているから、わが国の少子化問題が発生していると言えるかもしれません。
話を明確にするために江戸時代における子どもという資産と、現在における子どもを対比させて考えてみます。
江戸時代における、子どもの資産価値にはおもに二種類ありました。
一つは、自分の遺伝子を五〇%共有して、子孫へ遺伝子をバトンタッチする手段としての子どもです。そもそも恋愛感情の基本は、子どもをつくらせるための情動である以上、恋愛感情にもとづいて結婚するというのは、私たちには生来的に子どもが欲しいという欲求がある、ということですから、子どもをつくるというのはいわば本能なのです。
子どもを持つもう一つの利点は、家の相続と家庭内労働力です。士農工商という身分制度があって、そう簡単には身分が変更できない時代には、子どもは貴重な資産でした。当時は「家」という単位が存在していましたから、家を継ぐ人が必要だったわけです。
原則として長男が継いで、一子相伝して、残りの子どもは、女は嫁に出て
男は商家では丁稚に出る、農家では小作人になる、武家では養子に出されるといった形で家督争いを回避してきました。
家が一つの小世界であったわけですから、小世界の労働力として、子どもを産んで育てたわけです。
別の観点から言うと、昔は、子どもを介在してお金が循環していたわけです。子どもを産み育てるという投資には、将来の家の存続と家庭内労働力という形でのリターンがあったということです。お金がうまい具合に循環していたのです。
しかしながら、現在では、「家」というものはほとんどの家族で存在していません。一部の上流社会ではかろうじて存在していますが、相続税がバカ高い日本では、家督を相続して「家」を守るということができなくなってしまっています。
このような状況では、子どもは家を継ぐものでも、家庭内労働力者でもありません。将来、一緒に住んでくれて、老後の世話や介護をしてくれることも保証されていないのです。ですから、単に、産んで育てて自分の遺伝子を後世にバトンタッチするだけのものです。
それでも、子どもの教育費が低かった時代なら問題はありませんでした。母乳で育て、学校も行かない時代であれば、最小コストで子どもを育てることが可能でした。
ところが、現代では、義務教育があり、高校進学も当たり前となり、大学でさえ全入の時代が到来したことで、小学校→大学を考えると二二歳まで、教育コストが大幅にかさむことになり、家庭にとっては大きな負担です。
江戸時代と違って、お金が循環しない投資、これでは夫婦が子どもを持たない選択をしたとしても、責められるものではありません。むしろ、子どもは負債として考える人がいるのも当然です。
教育途上で、ドロップアウトしたり、家庭内暴力をふるったり、ひきこもったり、さらには結婚しなかったりといった問題をかかえると、負債という形からさらに不良債権という形にさえなってしまうのです。
遺伝子のバトンタッチをしてくれなかったから、なんのための子どもなのかと親が考えたとしても、責められるものではありません。
離婚しない理由その④子どもがいるから
感想
抜粋した理由
過激ですね。
2つの点についてです。
江戸時代の子どもの
資産価値の観点から
の考え方。
もう一つは、
子どもを負債とする
考えた。
後者は、勝手に産んで
おいてね~という感想
です。
産む前ならまだしも
と思います。
本文
―――1―――
「子ども」という資産、昔と今では様変わりしています。結論から言うと、資産目減りしています。資産価値が減少しているから、わが国の少子化問題が発生していると言えるかもしれません。
離婚しない理由その④子どもがいるから
2013年の発行なので、
そのころの価値観が表現
されていると思います。
会社にいてもそうでした。
人が辞めても、辞めた理由
に関係なく、また採用すれば
いい。
そんなことを役職が上の人は
考えているなと思った
ものです。
特に原因究明もしないし、
精神的ストレスで、
長期離職する同僚がいても、
数%はそうなる的な
感じでした。
ところが2024年、
ようやくですが、
人の価値が上がってきた
ように思います。
若い人の希少価値が
上がってきたのでしょう。
10年前に気づけよ
という感じです。
もっと言えば、
30年前に小学校で
教えていましたよね?
この問題という感じです。
―――2―――
子どもを持つもう一つの利点は、家の相続と家庭内労働力です。士農工商という身分制度があって、そう簡単には身分が変更できない時代には、子どもは貴重な資産でした。当時は「家」という単位が存在していましたから、家を継ぐ人が必要だったわけです。
離婚しない理由その④子どもがいるから
この家庭内労働、
いまでいう児童労働
じゃないですかね?
昭和の時代は、
24時間働けますか?
的な価値観で、
令和の時代からみたら、
ドン引きですが
江戸時代も
昭和の時代よりも
昔なだけあって、
引き具合が違いますね。
ちなみにですが、
士農工商という身分
変えにくかったのは
事実のようですが、
身分を変えていた人たち
はいたのですね。
別の機会に書いて
みたいと思います。
―――3―――
それでも、子どもの教育費が低かった時代なら問題はありませんでした。母乳で育て、学校も行かない時代であれば、最小コストで子どもを育てることが可能でした。
とこどが、現代では、義務教育があり、高校進学も当たり前となり、大学でさえ全入の時代が到来したことで、小学校→大学を考えると二二歳まで、教育コストが大幅にかさむことになり、家庭にとっては大きな負担です。
離婚しない理由その④子どもがいるから
これは自然が用意した
人口増加の抑制
メカニズムなのでしょうか。
なんでもかんでも
ですが、右肩上がりの
グラフを見せられると、
いつまでも右肩上がりを
幻想してしまいます。
でも、そんなことはないのですよね。
どこかで、上限が来て、
減っていきます。
社会が発達すると、
教育費がかかるように
なり、
教育費がかかるように
なると、子どもが増えなく
なりますね。
経済学は、違う視点で、
少子化問題を見ている
みたいです。
この研究によると、子どもは将来の生産の担い手であるという意味で、社会全体にとって有益な存在だ。親はその子どもを産み、育てることの費用を負担するが、子どもが将来働いて得る稼ぎを自分のものにすることはできない。これは現代社会において、親は子どもを持つことの費用を負担する一方で、その便益は個人的に受けるのではなく、社会全体で共有されてしまう。その結果、親個人からみて、子どもを持つことの費用が便益を上回ってしまい、出生率が社会的に最適な水準よりも低くなってしまうのだ。
なにが違うかですか?
費用と便益・効用で考えるのが
経済学なのかなと思います。
本書籍では、費用だけに
言及されていて、便益に
ついては触れられていません。
経済学では、費用にふれ、
便益と効用についても
言及しています。
だからといって、結論にずれ
があるわけではなさそうですが、
考える過程が異なるのでしょうね。
まとめ
人口増加抑制メカニズムがある