【能登半島地震を乗り越えた女性防災士が語る】防災哲学やTKB…避難所先進国イタリアから学ぶべき点をまとめてみました
避難所先進国のイタリアから学ぶべき点をまとめ、日本の防災対策の改善に向けた提言をまとめてみました。能登半島地震をきっかけに日本の防災システムを見直す機会が得られました。
イタリアの防災哲学
イタリアの防災システムは、単なる物質的な備えだけではなく、強い決意と哲学に基づいています。具体的には、以下の点が挙げられます:
・「たった一人の犠牲者も出さない」という強い決意
イタリアの防災支援は、一人の命を守るために全力を尽くすという強い決意に支えられています。この姿勢が、迅速かつ包括的な支援体制を可能にしています。
・災害支援に必要な「防災哲学」
災害支援においては、単なる物資の提供だけでなく、人々の尊厳と生活の質を守るための哲学が必要です。イタリアはこの哲学に基づいて、防災活動を行っています。
日本の課題と提言
日本でもイタリアのような避難所環境を実現し、災害関連死を無くすためには、以下の提言が重要です。
・災害支援専門の省庁の設置
市区町村任せの災害対応には限界があり、国全体での統一された対応が必要です。そのためには、災害支援専門の省庁を設置し、全国的な防災指針を整備することが求められます。
・法律の改正
現在の災害救助法では、避難所の設置期限は災害発生から「7日以内」と定められていますが、これは現実のニーズと乖離しています。より迅速かつ現実的な対応を可能にするために、法律の改正が必要です。
・TKBの導入
TKB(トイレ・キッチン・ベッド)の必要性が提言されています。避難所で「快適で十分な数のトイレ」「温かい食事」「簡易ベッド」を提供することで、避難生活の質を向上させることができます。これは、避難所生活が原因の災害関連死を防ぐために不可欠です。
イタリアの防災システムの考え方の根底に流れているのは、「災害支援には哲学が必要であり、専門職種が総力を挙げて取り組む仕組みが必要である」ということです。被災者にとって、本当の敵は「絶望」であり、絶望から守るためには、国レベルでの標準化が必要です。日本も防災先進国となるために、今こそ改革が求められています。
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