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#富岡町
フクシマからの報告 2020年春 JR常磐線開通に合わせて レッドゾーン道路だけ封鎖解除 9年間無人の街を前にマスコミは無関心
昨年の12月20日、こんな報道が流れた。
「政府は、帰還困難区域である福島県富岡町のJR常磐線・夜ノ森(よのもり)駅周辺の避難指示を、来年3月10日に解除する方針を決めた」
時事通信の記事は「帰還困難区域の避難指示が解除されるのは初めて」と誇らしげに言う。
(Google マップより。右上隅が福島第一原発。直線距離で6〜7キロ)
これは現場に行って、この目で確かめなければならない。私はそ
<フクシマからの報告 2020年春> 津波と原発事故で消えてしまった JR富岡駅前の商店街を再訪 住民の95%が消えた町で ホテル経営に挑戦する地元民に会った
東日本大震災による津波と原発事故で、消えてしまった街がある。福島県富岡町にあるJR富岡駅(常磐線)一帯である。地名では「仏浜」という。前回の本欄で書いた「夜ノ森駅」の一つ南、東京寄りの駅である。
「浜」という地名の通り、海岸からわずか500メートル。ホームから海が見える。静かなときは波が砕ける音が聞こえる。電車は1時間に1〜2本。1898年開業。小さな木造駅舎が立つ、ひなびた駅だった。
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<フクシマからの報告>2020年春 福島第一原発に近づくと JR常磐線車両内で 線量計の警告音が鳴った その車両が東京に毎日6本やってくる
2020年3月14日、JR常磐線が全線復旧し、東京・上野駅と宮城県・仙台の間が直通で行き来できるようになった。そのニュースをご覧になった方は多いと思う。2011年3月の東日本大震災以来、9年ぶりに電車が全線を往復できるようになった。これが「復興」の象徴だとして、新聞テレビは大きく取り上げた。
福島第一原発事故を発生初日から取材している私にとって、これは大きな動きだった。
かつて現地で目撃
フクシマからの報告 2021年春 家が消え小中学校が消えた ふるさとが失われ思い出も消えていく 原発事故が破壊した大切なもの 故郷の記憶を守る23歳秋元さんの物語
秋元菜々美さん(23)は福島県富岡町夜ノ森で生まれ育った。
富岡町は、福島第一原発の立地する大熊町の南隣にある。秋元さんの家のあったJR「夜ノ森駅」前からクルマに乗ると、同原発の前まで15分ほどで着いてしまう。
東日本大震災が襲った2011年3月11日、秋元さんは13歳だった。中学1年が終わろうとする春休み前の一日だった。
秋元さんの家は、富岡町は福島第一原発から南に8キロほど南に