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短歌/立て膝

立て膝で地面見つめる幼子の目に映るものすべてが未来


「箸立て」→「立て膝」です

「立て」のつく言葉で短歌を考えようとしたら難しくて
はじめは「立て板に水」のように話す人は信用ならんとか
「立てば芍薬座れば牡丹」のようになりたいとか
いろいろ考えたのですが
まとまらず
「這えば立て、立てば歩めの親心」
なんてのも思い出して
あ、これ五七五だと気付いたりしていました

やっとひねり出したのが「立て膝」でしたが
「立て膝」の絵はこれまた難しかったです

人間ではとても描けないので
くまさんでごまかしました

小さいこどもが
しゃがみこんで
地面の小さなごみとかを
いちいち「大発見!」みたいにじっと見ているけれど
彼らにしてみれば
目にするもののほとんどが初めてのものばかりなので
ああやって子どもたちが毎日出会うものは
「過去の記憶」ではなく
「未来」
なんだなあと思います

…と考えたところで
あれ、そういえばこんなこと
昔のどなたかが書かれているなと思ったら
「枕草子」の「うつくしきもの」でした

ふたつ、つばかりなるちごの、いそぎてみちに、いとちいさきちりのありけるを、ざとにつけて、いとをかしげなるおよびにとらへて、大人おとなごとにせたる、いとうつくし。

かしらあまそぎなるちごの、かみのおほへるを、かきはやらで、うちかたぶきてものなどたるも、うつくし。

「枕草子」

清少納言さまでした

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