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「歩く」というのは最高の趣味なのだ♪⑩

歩くと脂肪が良く燃える

脂肪が目の敵にされているのだ。

中年過ぎの肥満の原因はすべて脂肪の摂り過ぎにあるかのような解説をする専門家もいるようだ。

いかにも偏った見方で、脂肪さえ摂らなければ、後は何してもいいという誤解を生じる原因となっている。

もちろん脂肪の摂りすぎは良くはない。

だが、極端な話、脂肪さえ摂らなければ1日中家でゴロゴロしていても健康に過ごせるかというと、そんなことはない。

バランスのとれた食事を楽しんで摂ろうとすれば、ある程度の脂肪摂取はやむを得ないことなのだ。

むしろ余分な脂肪を燃やしてしまうという方法を考えた方がいい。

これにも歩くことが大きく作用する。

ただこの場合、漫然と歩くのではなく、ほんの少しだけ早足で、サッササッサと歩くようにする。

ウォーキングだ。

時間もできれば30分以上は歩きたい。

こうして歩くと、歩くことがエアロビクスになる。

エアロビクスとは、体に酸素を取り込みながら運動することで、「有酸素運動」と訳されている。

この有酸素運動が、蓄積された余分な脂肪を燃やしてくれる。

無理なく体に酸素を取り入れながら歩き続けるとき、そのエネルギー源として筋肉に蓄えられたグリコーゲンと体脂肪として蓄えられている脂肪が使われているのだ。

歩けば歩くほど、体の脂肪は減っていく。

ではもっとハードに、100メートルを全力疾走すれば体脂肪はもっと減るかというと、そうはならない。

このような運動をアネロビクス(無酸素運動)というが、ここで利用されるエネルギー源は主に筋肉に蓄えられたグリコーゲンだけで、脂肪はほとんど使われない。

全力疾走しても体脂肪は減らないのだ。

ただ、こうした無酸素運動は筋肉を鍛え、筋肉の衰えを防ぐ上では効果がある。

基礎代謝の低下を防ぐためには、無酸素運動も取り入れ、筋肉の量を減らさないようにすることも大切だ。

しかし、いくら筋肉を維持するためとはいえ、30歳を過ぎてからの100メートル全力疾走は勧められない。

ジムなどで機械を使って筋力トレーニングするとか、スイミングで25メートルを全力で泳ぎ切るとかが効果的である。

ウォーキングの前に筋肉を曲げ伸ばしする準備体操を十分に行うだけでも、ある程度筋肉維持の効果はある。

無酸素運動と有酸素運動をうまく組み合わせて運動を続けていれば、若々しい筋肉を保つことができるはずなのだ。

・・つづく・・

次の記事 『肥満体質は間違ったダイエットが原因なのだ』

【参考書籍】『歩くとなぜいいか?』(PHP文庫)大島清著

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