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hanasfather
枕草子のたくらみ
大河ドラマ「光る君へ」も残り10回を切ってしまった。個人的に中盤の山場はやはり、清少納言の登場と、枕草子が定子様に読み上げられるシーン。
史実では直接の接点はないとよく聞くが、実際のところは誰にもわからない。そして、史実は史実、ドラマはドラマなので、宮中だけでなく自宅まで訪ねてゆくシーンはなかなかに胸熱だった。
清少納言こそ、したり顔にいみじう待りける人。
ここからこの本は始まる。後世に残るものは勝者の記録でもある。そういう見方をするならば、紫式部は勝者側の執筆者ということになる。歯牙にも掛けないという選択肢もあったはず、が紫式部はわざわざこう書いた。この本は、ドラマにもあるとおり定子様のために書く事になった清少納言の気持ちとそのたくらみについて書かれている。
この考え方が古典文学界では共通認識なのか、筆者山本淳子さんの独論なのかは、わからないが、少なくともドラマでは、二人関係は悪いものではなく、物書きとして気持ちを通じ合わせているように見えるのでこの論に沿っているように思う。
が、41回でこの文を書くシーンを入れてきた。ドラマでの描写をどう解釈するか・・・
二人とも宮中から活動の場を変えてからの記録はあまり残っていないらしい。が、どちらの話も完結はもう少し後という事になっている。清少納言が書いた枕草子にはたくらみがあり、それを理解していたからこそ
ただ、この書は真実ではない、この虚像には騙されない
と、ばかりに書いたあの一文は、文字として書かれたままに解釈して仲が悪かったというよりも、その時代の誰よりもわかりあっていたのだな、というこの本の解釈に、なるほどと思った。
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