映画「春夏秋冬そして春」
金獅子賞「嘆きのピエタ」を観る前に、と。
凄く凄く観たかった「嘆きのピエタ」。でも私の知る限り、当時は上映もされておらずTSUTAYAにもなかった。
配信で見つけたが、鬼才キム・ギドクの金獅子賞、先に一本挟んでおきたかった。
私の好きな癒しの風景が目に入り、何気なく観始めたのだが、入り込んでしまった。
春夏秋冬、人生だった。
冬が終わったら、春。また次の人生が始まる。
何気なく観た作品だが、今、私が、出会うべくして出会った感じがした。
今はそういうターンだ。
息子が不登校になり、息子と電車に乗ってあちこちに出かけ山や海や川を見た。
何度か田舎に帰省もした。自然に返った。
生きることについて考えたりした。
今はそういうターンだ。
生きるとは、案外単純なことなのだ。
命、性欲、愛、生と死、罪と罰、因果応報、輪廻転生、セリフも少なく、自然の中でありのままを受け入れていく、ありのままを見守っていく、人間の姿。
名作だと思う。
名作には余計なものがない。
息子はこれから夏を迎えるのだろう。私はこれからまだ秋なのか?それとももう冬が近いのか?
大自然の余韻に浸りながら、いち生命として日々生きていこうと改めて思った。
忙しい人たちに、ゆっくり味わって欲しい作品だと感じた。「嘆きのピエタ」は、少し間をおいて観たいと思う。