【読書メモ】『新版 図書館の発見』(著:前川恒雄 / 石井敦)
これは、図書館業務の民間委託(指定管理)が増えていることもいい方向に働いてるのでしょうか。生涯学習につながる居場所の選択肢が増えるとの点でもいい傾向かなぁ、なんて『新版 図書館の発見』を思い出しながら。
初版は2006年ですが、私が手に取ったのは2012年頃、ちょうど図書館司書の勉強をしようかどうか悩んでいたあたりだったかと思います。
あくまで学習機会とその材料を提供するのが図書館で、間違っても「利用者を教育する」なんて上から目線で接してはいけない、といった辺りでしょうか。
確かに大学生の時に司書資格を取ろうと、他部の聴講との形でしたが、最初の概論を履修した覚えがあります(成績表にも残ってました)。ただその授業が、今にして思うとどこか上から目線な授業内容であったなかな、、「図書館こそが社会を教育していくのだ」なんて感じでの。
ちょうど図書館自体が変革の過渡期だったのかなぁ、と今現在でならそうも思いますが、当時は妙な違和感が残り、結局在学中は学芸員と教職に切り替えた覚えがあります(どちらも無事に修めれました)。
私自身、今現在指定管理の立場で生涯学習施設の運営に携わっていますが、思った以上に公的機関(自治体)との連携は密に求められますし、また監査も折々で入ります(何かあれば自治体に直接にクレームも上がります)。
公務員だろうと委託だろうと「自治体の税金をお預かりしている」のは変わらないので、この本が描かれた時期(2006年)とは民間委託(指定管理)を取り巻く状況も大分変っているのではないかなぁ、なんて感じつつ、また図書館数とその利用者数が伸びているのがいい方向に働いている何よりの証左なのでは、なんて風には思います。
そういった意味では、図書館(公共の生涯学習施設)が求められる社会を維持していくのであれば、公務員だろうと民間委託だろうと「自治体の税金をお預かりしている」との視座を忘れないようにしておかないとなぁ、との自戒も込めて。