在庫の話⑧ いつ支払うかで仕入れが変わる
いらっしゃいませ。
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本日は在庫の話。
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仕入は単品と全体の両面から
仕入れ上限を前回確認しました。単品で説明しましたが、実際のところは品種や部門の合計の、「高」で考えることになります。
とはいえ数字の構造を知ることは大事です。考え方を理解しておけば、いざ儲け話を持ち込まれたとき、本当に儲かるのかどうかを論理的に落ち着いて考えることが出来ます。
その商品が存在すること、その価格で売れることが部門や店にとって大きなセールスポイントになるような品目であれば、部門全体の「高」を見ながら単品では少々ラインオーバーをするという判断もできます。
支払いサイトによっても変わる
前回見たのは、月末締めの翌月末払いという一般的な支払いの場合です。仕入れてから支払いまでの期間という前提が変われば、支払いを回すための必よ回転率も当然変わります。
業界によっては仕入れの支払いは、2か月後や3か月後が慣習となっているところもあります。その場合はもっていい在庫は2か月分、3か月分。商品回転率で6回転、4回転でもいいということになります。
しかし、支払いが数か月先というのもずいぶん減ってきました。仕入れる側にとっては、支払いサイトと言いますが、仕入れてから支払うまでの期間が長ければ長いほど有利になります。
手形取引も支払いを引き延ばす手法に織り交ぜられてきました。例えば基本的な、月末払いの翌月末払いでは、4/30で締めた仕入れを5/31に支払うことになります。
しかし5日締めで翌月末となると、5/5で締めた支払いを6月30日に支払うことになります。締め日を少しずらすと支払いを約1か月伸ばせます。
ここで5日締めの翌月末に60日手形で払うとなると、5/5締めの支払いを6/30に手形で払い、手形が現金化されるの8/29です。支払いの期間を約3か月先延ばしにできました。
これは取引上の優位性をもって、言葉の掛け合いで相手に押し込むように行われた取引も多くあります。
「3か月後支払いにしてよ」→「いや~もう少し早くなりませんか」→「じゃあ翌々末に30日手形で払うから」→「翌々末に現金でお願いできませんか」→「じゃあ翌末に60日手形ならいいだろ」→「・・・」
といった具合です。結果まともな現金が入るのが3か月後ということには変わりはないのですが、手を変え品を変え条件譲歩を迫られて納品側が譲る。優越的地位の典型的な例です。
在庫とリスクが0の消化仕入
消化仕入というものもあります。販売店は在庫を預かっているだけという名目で、売れたら仕入れを立てるというやり方です。
これは在庫0で売上だけが立っていきます。
在庫日数0日、商品回転率--、です。在庫のことは置いといて、売上を上げることだけに専念できます。一般的には百貨店業界やホームセンターの一部などで使われています。
一般的な小売でもごく一部にある場合があります。レジ後ろなどで何の気なしに売られているものなどは、業者側からの提案でそうなっている場合がほとんどです。
消化仕入の前に類するような取引を紹介しますと、自販機など「場所貸し」という考え方があります。「お店に手間は掛けないから月1万で置かせてくれ」などと売り込んできます。
それから売上の一部を場所代にする方法もあります。水の自販機やカプセルトイなどで見られる契約です。機械1台あたり月○○円の場所代と売上の20%を支払う、などといったものです。
これに発展するような形で、「この1棚、1什器をこのスキマに置かせてください。仕入は後からで構いません。売り上げは全てお店の物です。その分売れた分だけ仕入れてください。」というものです。
これは消化仕入になります。在庫負担0かつ、万引きロスなどの在庫リスクも0で、売上が立っていき、いいことだらけのように見えますが、ここには納品業者側の仕掛けもあります。
つづく
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