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鎌倉殿の13人第41回感想/大鎌倉殿・源実朝と鎌倉殿・和田義盛の世界線を見たかった

鎌倉随一の忠臣

もともとこの時代あたりのことにうとい人間で。
『鎌倉殿の13人』が始まるのを知ってから、関連書籍を読みあさったり過去に放送された『平清盛」を見たり。

時代は少し違うけど『太平記』を見たりなんかもして。

そんな過程を経て、なんとなく平安後期から室町初期の時代をおさらいしたのだけど。
和田義盛わだよしもり(演:横田栄司よこたえいじ)という人物は、和田合戦で敗れて散った人という印象しかなくて、あまり注目していなかった。
というのが正直な話。

ところが『鎌倉殿の13人』が始まってから、その印象はガラリと一変した。いかつい風貌ふうぼうとは正反対に茶目っ気たっぷりな行動が多かったり、言動もちょっとまわりと一線画した面白さがあったりもして。
いつの間にやら、ぎすぎすした鎌倉の雰囲気を一瞬忘れさせてくれるいやし的な存在に。
同じように感じている人は、きっと自分だけじゃなくて、多くの視聴者に愛されている人物の1人じゃないかなと思っている。

史実上の話うんぬんはとりあえず置いておくとして、和田義盛という人物は『鎌倉殿の13人』に絶対欠かせない人だっただけに、わかっていたこととはいえ、今回で退場というのはあまりにも寂しい……。

和田義盛にも生存伝説があるんだけど、どっかでともえ(演:秋元才加あきもとさやか)と一緒に生きながらえてくれたらいいのに、なんて思わせてもくれないような討死の仕方を選択した三谷さんにはちょっとうらみ節w

さすがに小四郎こしろう北条義時ほうじょうよしとき、演:小栗旬おぐりしゅん)もやり過ぎだよね。
大義名分があるとはいえ、ああいう殺し方ははたして周りに理解してもらえるものかどうか、ちょっと疑問。

それにしても、次回から誰に癒しを求めたらいいんだろう……トキューサ(北条時房ほうじょうときふさ、演:瀬戸康史せとこうじ)か、もしくは太郎(北条泰時ほうじょうやすとき、演:坂口健太郎さかぐちけんたろう)かなぁ。

和田義盛の妻

巴御前ともえごぜんは、和田義盛の妻で朝比奈義秀あさひなよしひで(演:栄信えいしん)を産み、和田合戦後も生き延びて木曽義仲きそよしなか(演:青木崇高あおきむねたか)や和田義盛の菩提ぼだいとむらいながら91歳ぐらいで生涯を終えた――
という話はたしか『源平盛衰記げんぺいせいすいき』にしか書かれていなくて、『平家物語へいけものがたり』ですら巴御前のことは木曽氏滅亡寸前に少し触れられていた程度じゃなかったかと記憶している。
吾妻鏡あづまものがたり』にはいっさい出てこないし、どこまでが本当の話なのかはわからないっぽい。

それでも巴御前の墓と伝わる塚があったり、和田義盛や木曽義仲を弔うために創建したという善栄寺ぜんえいじがあったりすることから、実際どういう人であったかはさておくとしても、その存在はたしかなのかも。

そういえば『平清盛』では木曽義仲も巴御前も出てこなかったなぁと思って、それより前の作品だといつ登場したのかと思ったら、2005年の『義経』で小池栄子こいけえいこさんが演じていた。
全部見てないこともあって全然覚えていないw
『義経』は現時点だとNHKオンデマンドで放送していないので、そのうち解禁してくれることを期待したい。

三代目鎌倉殿は一味違う

三代目の鎌倉殿、源実朝みなもとのさねとも(演:柿澤勇人かきざははやと)は父・頼朝よりとも(演:大泉洋おおいずみよう)や兄・頼家よりいえ(演:金子大地かねこだいち)ともだいぶ違うところが多いわけだけど、戦乱が収まったあとの鎌倉殿としては、一番ふさわしい人物なのかなと思ったりする。

昔は暗愚あんぐな将としての評価が強かったみたいだけど、最近は政治面でも積極的に参加した優秀な人物として再評価され始めているらしく、『鎌倉殿の13人』ではその片鱗へんりんをところどころで見せてきた。
そして、その才の真価は小四郎の非道な政治手法がきっかけで、花開くことになりそう。
それは良いことなのかどうかは、ちょっと微妙な気もするが。

ただし、後鳥羽上皇ごとばじょうこう(演:尾上松也おのえまつや)とタッグを組むことは、実朝の命をちぢめる結果につながらないかが、とても心配……。
頼朝とも頼家とも異なる鎌倉殿に成長しようとしている実朝を、小四郎が黙って見守るはずもないので。
なんだか嫌な想像ばかりが、頭の中を巡ってしまうけど、これも全部小四郎のせいw

大江広元の不思議

今回、大江広元おおえひろもと(演:栗本英雄くりもとひでお)が強すぎ笑ってしまったw

文官なのに、見事な立ち回りで敵をバッタバッタと薙ぎ払う。
大江広元がここで死なないことはわかっている。
わかってはいるんだけど、途中ヒヤッとする場面があったりして。
「大丈夫かな!?」なんて心配しながら見ちゃう。
そんな自分がちょっと面白かったりもした。
最終的には、実朝が御所に忘れてきてしまった源氏の継承者の証、源義朝の髑髏しゃれこうべ(偽物)を無事取り戻せたのだけど、どういう経緯であのシーンをくわえたのか三谷さんにお聞きしたいw

という話はさておき、大江広元という人もよくわからない人物だ。
あの人は、もともと頼朝には忠臣かつ右腕として小四郎以上に暗躍していた人なのに、頼朝が亡くなってからはどの鎌倉殿とも深く関わろうとはしていない。
むしろ、鎌倉殿ではなく小四郎に目をかけているかのように、小四郎の片腕的存在になってしまった。

なんで?

これはつまり、小四郎のことを誰よりも頼朝に近い存在として認めている、ということなんだろうか。
それは要するに、大江広元がリーダーとして求める理想像は源頼朝であるってことにもなるんだけど、そんなに源頼朝っていいかなぁ。
和田義盛が鎌倉殿で源実朝が大鎌倉殿のほうが、よっぽど楽しい鎌倉幕府作れそうなのにね。(了)


付録的なもの

【視聴メモ】
和田義重
倒しておかねば必ず次の手をうってくる(正しい
裏切るなら早いうちに裏切ってほしい
お許しが出た
こういうものなのですか?w
信じるか信じないかはお前次第
二階堂に戻ります!
義盛に謀られました
信じてるからに決まってるじゃないですか
今度こそ、死ぬ!!w
戦は大義名分のあるほうが勝ち
鎌倉殿の証のドクロを忘れた実朝くん、取り返しにいく大江広元
由比ヶ浜
鎌倉殿の上は大鎌倉殿
御教書は出せぬ
私の言葉なら聞いてくれるはずだ
義盛、お前に罪はない、これからも私に力を貸してくれ
我こそが鎌倉随一の忠臣じゃ
力を持つ者を人は恐れる、力を持つ者に人は集まる
万事、西のお方にお考えを伺っていく
心を許せるものはこの鎌倉に、おらぬ
和田合戦、若宮大路、由比ヶ浜、和田塚、善栄寺

2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第41回「義盛、お前に罪はない」より

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