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偽りの時間【音声と文章】

山田ゆり
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※note毎日連続投稿1515日をコミット中!
1480日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも短時間で楽しめます。





おはようございます。
山田ゆりです。



今回は
偽りの時間
をお伝えいたします。






その時計はいつも時間が進んでいる。
国産の信頼できる時計なのに時間が少しずつ進んでいく。


時々、正確に近い時間に直すが
放っておくとまたどんどん進む。



そんな、時計の役割をしないものは捨ててしまえばいいのだが
両親や夫たち7人家族のあの頃の思い出が詰まったこの時計は
まだ簡単には捨てることができない。




もうもうと大鍋から湯気が立ち込め窓がしっとり濡れている。

あの頃、洗面台はなかったから大鍋でお湯を沸かす私の隣で
台所のシンクの前に立ち、娘たちが顔を洗っている。

白のワイシャツにネクタイを締めた肩幅の広い夫が歯磨きをしている。


畑から戻った母がほうれん草の束を私に手渡す。
私は毛虫や芋虫に驚きながら大急ぎでほうれん草の土を洗い流して大鍋に入れる。



6畳の狭くて雑然とした台所でそんな私たちをじっと見守り続けた時計。


だから時間が合っていないと分かっていても今はまだ捨てられない。



それは時間が合っていないという前提の時計。



時間が合っていないのは
偽りの時間を過ごしているような気がする。



その時計の時間を見ながら
「えーっと、大体、〇分進んでいるから今は〇分くらいかな」

正確な時間を知るための時計なのに
時間をいちいち想像している。

急いでいる時は煩わしい。




同じ時間を過ごしているのに
その時計を見ていると
今を生きていないような錯覚に陥る。




時計は正確であってほしい。
だから正確ではない時計は要らない。

でも、それはまだ捨てられない。



電池を抜いてただの置物にしてしまえばいいのかもしれないが
まだ、引退してほしくないと60代の私は思う。
同志だという感覚があるからだ。





時計は正確でなければいけない。
当たり前のこと。

でも、理屈通りにいかない。







今回は
偽りの時間
をお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。



◆◆ アファメーション ◆◆
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ご迷惑をおかけしても
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山田ゆり
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