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往復書簡#3『きょうのできごと、十年後』|女ふたり、読んでいます。



どうやら梅雨が明けたようです。
いかがお過ごしですか。


私はというと、きょう職場のひととの会話で「会ってすぐに『私、人見知りなんです』っていうひと、ズルくないっすか」というようなことを話し、そのひとは「ずるいよ〜でもそれが言えるようになったら楽よ」というので、食い気味に「え、でもそれって相手に気ぃ遣えっていってるようなもんですよね」というようなことをいってしまい、反省中。”私は喋らないからね、人見知りなので”と壁を作っている事実は、相手に大変失礼だとおもうのです。大人なんだから隠せよ、と思ってしまう私が子供なのでしょうか。



さて前回に引き続き、唐突に語り出してしまい、大変申し訳ないのですが、それもこれも私のきょうの一日を語るには外せないことだったので、という言い訳は置いとくとして、芥川賞の件に引き続き、もはや、りなさんに聞いてほしいだけというあれになってきているように思うので、そろそろ本の話をしていきたいと思います。


『きょうのできごと、十年後』は、釣りをしながら読まれていきました。まず、炎天下の読書にはこの本は似合わないという感想が一番(夜にチミチミ読むのが良い気がします)です。二番目は私としては珍しく続編の十年後のほうを好いたということ。それはおそらく、あの頃夢見た十年後とは別物の未来、穢れているわけでもなく、落ちぶれているわけでもなく、けれども十年という時をきちんと過ごした先にある彼らの姿がなんの違和感もなく描かれていることへの安堵。地続きにある日々のなんともいえぬ生々しさは私をとても良い気分にさせました。



ちなみに、

「みんなそんなにやりたい仕事やってるものなん?自分が思い描いた未来に一歩ずつ近づいていってるものなん?思い浮かべたらその通りになる、とか言うけどさー、全然、思ってたことなんか、なにひとつ実現してないけどなー」

といった虹色のけいとがとても気に入りです。



今から十年後の未来を想像することはとても難しいけれど、ただ一つ願うとするなら、本を読める視力だけは維持しといてくれよ、ということ、ほんと、ただそれだけです。ま、何があるかわからないけど。


それでは、また。


追伸
22:25 今からお風呂に入ります。次に読む本は、といいつつ、もっぱら詩集ばかりを読んでいるので、さてどうしようかしら。柴崎友香をもうすこし読みたい気持ちもあって、『あの街の今は』『寝ても覚めても』のどちらかにしようかというところ。りなさんは何を読まれているのでしょうか。





よろこびます。