ゆい奈

境界線のない日々

ゆい奈

境界線のない日々

マガジン

  • 読みおわった本

    なにかしらの本を読了したときの日記

  • 読みたい本

    本を読み、そこからまた芋づる式に読みたくなった本のことが書かれた日記

  • 季節ごとに読まれたもの

  • 美術に触れた日

    うつくしいものを、うつくしいといえる幸福よ、と綴っている日記

最近の記事

読書日記|0904-0910

0904 晴れのち雨降って、そのあと曇り 昨夜遅くに泉鏡花の『外科室』を本棚からごそごそと探しまわり、見つからないまま、眠りについた。朝から外猫のTNR。といっても私は何もできることがなく、捕獲できますようにと願うのみだったのだけれども、そのあと無事に成功し、しかし一時間後、決死の体当たりによりドアをこじ開けられ、逃げられてしまったわけでありまして、なんともならないこともあるのです。そんなふうにしてはじまった月曜日。気を取り直して読みはじめたのは『母という呪縛 娘という牢獄

    • 読書日記|0828-0903

      0828 晴れ すぐに深刻ぶっちゃって、どうかしてると思うけど、太陽の光にあたれないこと、布団の外にでられないこと、掃除も料理もできないこと、という事実は、思いのほか私を深刻にさせて、エアコンの冷たい風を浴びながらくしゃみばかりしていた。思えば一年前の夏もそうだった。だからといってずっと冬を過ごしているわけでもなく、それなりに夏の暑さにやられて、ぼんやりとしているわけで、すべて夏のせいだと思えば、秋はやってくるのでだろうか。そのとき私は笑みを浮かべているのだろうか。みえない

      • 読書日記|0724-0730

        0724 7月の最後の週がはじまった。なんの準備もなされぬまま、梅雨は明けて、夏がはじまって、そうやってまた月曜日に立っている。きのう何を食べたのかも忘れてしまって、だからずっと宙ぶらりんのまま、またきょうが過ぎるのだ。そうするなかで石川くんのお腹がみたいという欲望を語った。同僚はちがう人のお腹がみたいといっていたけれど、誰だったかは思い出せない。 0725 朝から寝室とダイニングの掃除をし、汗が滴ってくるのでシャワーを浴びた。洗濯物を2回まわし、床を磨く。きれいにした

        • 読書日記|0717-0723

          0717 眠い。海の日だからといって仕事が休みになるわけでもなく、しかし比較的のんびりとしていて、梅雨用に展開していた棚の入れ替えをする。暑くて、暑くて、肌が痛い。眩しい。これだから夏はすきになれない。帰ったら玄関にとうもろこし、きゅうり、オクラ、真桑瓜が届いていた。真桑瓜は冷蔵庫で冷やしているものと合わせて六つになった。うれしい。人の優しさが染みわたっていく。お返しに、農家さんにパンを焼く。 0718 おまえら全員一旦黙れと思って、それで嫌なことを口にした。そしたらな

        マガジン

        • 読みおわった本
          89本
        • 読みたい本
          21本
        • 季節ごとに読まれたもの
          3本
        • 美術に触れた日
          5本

        記事

          読書日記|0710-0716

          0710 午後から外が暗くなった。この世の終わりみたいな雨雲が流れ込んできて、突然の大雨と雷、強い風。お客様と「急に降ってきましたね」というような話をしながら過ごす。雨がやんだあと、入道雲があって、夏の空という感じがした。もうすぐ梅雨が明けるのかもしれない。 0711 仕事終わりに甥っ子と餃子を作る。唯一の特技は餃子を包むこと。せっせと150個を包み、食す。美味しかった。最高だった。 0712 朝読書に阿久津さんの『読書の日記』を読みはじめる。近頃ほんとうにバタバタ

          読書日記|0710-0716

          読書日記|0703-0709

          0703 夜、子猫の鳴き声がする。一匹だけ逸れたらしい。目と鼻の先に来てくれたのに初動で失敗し、怖がらせてしまった。保護猫活動をしていると悔しい思いをよくする。お金だって7割実費なので保護するたびに飛んでいく。TNRは保護猫団体と合同なので安く済むけれど、安く済むといっても、メス猫7000円、オス猫5000円は実費で、余裕のない時は活動できない。捕まえるのだって簡単ではない。必ずといっていいほど負傷もする。里親探しも難航する。それでも手の届く範囲の猫たちだけでも幸せに暮らして

          読書日記|0703-0709

          0626-0702|日記

          0626 雨だけど、曇りみたいでたまに晴れ間がのぞいて、だけど暑くて、それでも時折吹く風はなんとなく涼しげで、日記を書いていない間に、40歳ほど歳の離れた私を友人と呼んでくださるひとに出会った。西加奈子『くもをさがす』のPOPをみて、声を掛けてくれたのだ。出会いというのはどこに転がっているのかまるでわからない。島に越してきてはじめての友人であり、今、身近にいる唯一の本読み人。もう仕事をしていないから朝から晩まで本を読んでいるの、と微笑むマダムに、いつだってときめいている。

          0626-0702|日記

          読書日記|0424-0430

          0424 晴れ 木香薔薇と金盞花が満開で、窓からみえる景色は黄色く、心なしか明るいような気もする。私のお腹は痛み、いや、それでも、先週や先々週よりも、随分と良くなっているようで、まあ、元気かと問われれば、元気ではない。隣のステラのPOPがとても可愛くできて嬉しい。働くところで、島田潤一郎『電車のなかで本を読む』、荒川洋治『文庫の読書』を買った。 夜は『モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語』だった。今、私がこうして本を読んでいることも、なにもかもが奇跡の連なりで、だから

          読書日記|0424-0430

          読書日記|0417-0423

          20230417 晴れ 朝から『町でいちばんの素人』。「俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった」と某アニメの有名なセリフからはじまった日記に頬が緩む。そこから金髪ジェンダー意識最悪泣き虫野郎などという言葉が続き、月曜日のはじまりかたとしては最高だった。それでこの日の日記の最後にも長男ネタが引用されており、扱い方が完璧で気分が高揚する。なんというか、とても健康的。 労働は、新しい店長と顔あわせ。物腰の柔らかな、真面目で責任感の強そうなお人だった。まあわから

          読書日記|0417-0423

          読書日記|0410-0416

          0410 晴れ 書店の人たちが優しくて、ずっと優しくて、だからなんとかなってるみたいなところ、ある。きょうは時短にしてもらっているので、大丈夫だった。気持ちが途絶えるまえに家に帰り、犬と猫に触れられたことはあまりにもおおきい。『そもそも交換日記』を読みはじめる。はじまりから、いいなあ、の連続。 0411 晴れ 今日は時短でもなんでもなくて、だけど、なんとか乗り越えられた。だけど頭も首も目も痛いし、足は浮腫むし、お腹も痛いし、からだはずっと重たい。『そもそも交換日記』は42ペ

          読書日記|0410-0416

          読書日記|0403-09

          0403 晴れ なんだっていうのか、ずっと体調は優れないままで、しかし理由はわかっているので、それはそれで凌ぐしかないという状態で、私が選んだ道だからね、と起きたての布団のなかでおもう。夜に通院し、明後日から転院する運びとなった。 0404 晴れ 店長が異動するということが決まり、私たち下の者はもはや心の準備を進めるしかなく、しかし未だに頭を抱え嘆いているわけであって、誰もかれもの口からでるのは、どうしよう、という不安な気持ちで、それもそのはず、みんな店長が大好きでおん

          読書日記|0403-09

          読書日記|0327-0402

          0327 晴れ 工務店さんと建築士さんは、10時と約束していたはずなのに、9時に来た。聞くと、お二方だけでそう決まったということで、何も聞かされていない私たちは困惑。悪気が全くといっていいほどないのでより困惑。いそいそと点検をしてもらい、不安なことを伝え、開けにくかった網戸をなおしてもらった。蛾が外壁を食べるらしく、それらの駆除をしなければいけないということをいわれる。 午後から万城目学の『万感のおもい』を読む。はじまりからすきだった。見た目も、中身のひとつずつのエッセイ

          読書日記|0327-0402

          読書日記|0320-0326

          20230320 晴れ 仕事から帰ってくるときの空がとても綺麗。家に帰るとみんな調子が悪い。猫(つゆ、つな)を病院へ連れて行く。痛いのによく頑張った。はやく治るといい。 病院から帰ると、古書善行堂さんから本が届いていた。『じたばたするもの』『埴原一亟 古本小説集』『木の十字架』『シュークリーム』。ついに灯火シリーズ五冊が揃った。大阿久佳乃さんの本はとてもチャーミング。山本さんからのメッセージに喜んだ。会いたいなあ。 夫はウイルス性胃腸炎だった。 0321 曇りのち雨

          読書日記|0320-0326

          読書日記|0313-0319

          0313 曇りのち晴れ きのうまで微睡んでしまうほどの春だったのに、冬にもどった。ストーブをつけると、猫がわらわらと集まってくる。朝から猫の病院。注射が思いのほか痛かったらしく、彼は怒った。それでもこれでよくなってくれれば、と祈る。次は木曜日の夕方に受診。 藤本徹さんの『青葱を切る』を読む。生き物たちが生まれ、花は咲き誇り、人間はあたらしい一歩を踏み出したりする。その、いかにも気怠い、眩い光のもとへ連れ出されるような春が、あまり得意ではなく、いつまでもずっと薄暗い部屋で静

          読書日記|0313-0319

          読書日記|0306-0312

          20230306 晴れ きょうも休み。パンを作ろうかと思っていたのに強力粉がない。買いにいけばいいものを、なんかもういいや、となり、やめた。休みの日は頑なに家から出たくない。窓を全開にし、陽の光を浴びながら、ひかりさんに教えていただいた横光利一の『花園の思想』を読む。はじまりから終わりまでずっと、もうほんとうにずっと、ず〜っと美しくて、なんなんだこれは、という状態。白く発光したような文字が並ぶ、こんな本あったのかと。横光利一もっと読もう。 我が家の枝垂れ梅が満開になった。鳥

          読書日記|0306-0312

          読書日記|20230227-0305

          0227 晴れ 猫も犬も、元気。そのことがなにより嬉しい。水沢なおさん『うみみたい』のゲラを最後まで読む。この世に生まれ落ちたこと、生み出すことへの、途方もない暴力性。しかし、それは時に直視できないほどの美しさに満ちていた。いつだってこの世に存在しているという確かな事実は、私たちを苦しめる。だけど、それは、例えば、彼女が甘いケーキを頬張ってそう思ったように、この作品に巡り会えたことで、生きていてよかったと、簡単にそう思う私も確かに存在していて、ねぇそれって救いだとおもうの。

          読書日記|20230227-0305