読書日記|0410-0416
0410 晴れ
書店の人たちが優しくて、ずっと優しくて、だからなんとかなってるみたいなところ、ある。きょうは時短にしてもらっているので、大丈夫だった。気持ちが途絶えるまえに家に帰り、犬と猫に触れられたことはあまりにもおおきい。『そもそも交換日記』を読みはじめる。はじまりから、いいなあ、の連続。
0411 晴れ
今日は時短でもなんでもなくて、だけど、なんとか乗り越えられた。だけど頭も首も目も痛いし、足は浮腫むし、お腹も痛いし、からだはずっと重たい。『そもそも交換日記』は42ページまで。SNSとの距離感をすこしあけていると、私にとって必要なものであるのか、わからなくなってくる。
0412 晴れ
陶器あんさんへひさしぶりに足を運ぶ。ちいさなスペースにすてきな器が並んでいて、一つずつが丁寧に作られた様子にドキドキした。御目当ての物を購入。お腹の痛みは随分とましだけれど、お腹は空いているのに、食べようとすると、気持ち悪くなるを繰り返す。『星降る夜に』を五話からすべて観て泣いた。現実はドラマのようにうまくはいかないし、だって彼らのような優しさも持ち合わせていないし、美貌もないし、だからって悲観的になるわけではなく、とてもいいドラマだった。
引き続き、SNSについて考える。たまぁに辞めては数ヶ月後復活する人をみて、人の決心ってあまりにもやわくて、なんか全く信じられないな、みたいな気持ちになることもあって、だからといってはあれだけど、私はそこまで執着心がないので、消してしまえば、そのまま、みたいなことはありえるし、多分そう。もうこれは自意識の問題もあって、読んだ本がとてもよく、それをすこしでも騒げば、話題の〜なんて言われ方をすることに嫌気がさして、うっさい黙れ、とやはりどう考えても搾取されているように感じてしまって、あまりよくない。
インスタだけはすぐにでも消せるな、とおもっていると、詩集や近代文学の読み方がとても素敵で、なによりもその人の書く散文をずっと読んでいたい、とおもわせてくれる、眼鏡と珈琲の似合うお人からメッセージが届き、この人とはこのアカウントを消せば、おそらく永遠に関わることがなくなってしまうのだな、と思って、踏みとどまる。牛歩、牛歩、という言葉を握りしめる。ちょっとの間、放っておこう。また一週間もすれば、共有したい、みたいな独特の感情が芽生えてくるかもしれない。そのときまでは放置。温存。
0413 晴れ
仕事は楽しい、というより、ここで働く人たちが好き。いや、本も好きなのだけど。近代文学を展開し、ひとつずつにPOPをつけたら、二冊売れた。志賀直哉と森鴎外。ちいさなちいさな田舎町の書店なので、近代文学の文庫が動くことはあまりなく、しかし誰かに刺さったのならとても嬉しい。あなただけのためにこの本を紹介します、というようなことができるのは小さな書店の良さだと思う。
0414 晴れ
店長と最後の日。少女コミック棚を入れ替えながら、返本率のことを考えてはげんなりとする。最後とはおもえないほど、ドタバタしていて、だけど、この人と働くのは最後なのだな、とおもうと、寂しいというより、実感がわかないような感じだった。いなくなってから気づくのだ。いつだって、人間は愚かだから。
0415 雨
なにも書いていなかったが、体調はずっと悪い。ずっと悪くて、それなのに今日は低気圧で、朝から吐きそうだった。いつまで続くのだろう。不安も、焦りも、これからのこともなにもかもを考えては潰されそうになる。それで私は体が鉛のようで、本の栞さんへは夫がいってくれた。ほしい本をメモに書いて渡す。その紙をみながら店主さんが探してくれたのだろう。買ってきてくれた本は、今の私に必要な本ばかりで、こういうの、でるよなあというようなものだった。
夜、閉店後に集まり、皆で店長お疲れ様でしたの挨拶へいった。色紙と、黄色の花束と、マグカップ。寂しいけれど、笑って過ごした。こんなことあっていいのかと思うほど、好きな人たちばかりで困る。店長はとても喜んでくれた。そしてお手紙とハンドクリームをいただいた。
お手紙に『メリーゴーランドのような人、本当に可愛いです』と書かれていて、ちょっと泣きそうになった。これからもよろしくお願いします。
0416 晴れ
家の掃除をした。本棚の整理もした。夜はしらす丼を食べた。
もう春だしな、とおもい、猫の寝るところ(ここがないと5-6kgの猫4匹が人間の布団で寝るので、人間は床に落ちる)をガーゼタオルケットに新調した。
気に入ってくれたようだった。
それでは、また。